KF16の近代改修に纏わる翻訳ミスで、入札保証金は支払われず訴訟に

よく分からない話だな。

韓国防衛事業庁が米国との契約でうっかり翻訳ミス?多額の保証金を失う危機=韓国ネット「わざと?」「米国にまんまとだまされた」

配信日時:2017年7月12日(水) 20時40分
2017年7月12日、韓国・SBSによると、韓国の防衛事業庁が米国の防衛産業会社と結んだ契約の書類に翻訳ミスがあったことが分かった。韓国は受け取るべき200億ウォン(約19億8000万円)を失う危機に直面しているという。
そういえば、KF-16の近代改修は結局、ロッキード・マーティンがやるんだっけ?



このKF-16の近代改修の話は、随分前からあれこれ右往左往している感じがある。
タイトルを追って貰えば、何となく流れは分かると思うが、このブログでも色々と言及してきた。

実は、このKF-16の近代改修に関しては、本来はアメリカ政府に一声かける決まりになっていたのだが、韓国軍はそれをやらずに入札で改修業者を決定する事にした模様。

で、手を挙げたのがBAEシステムズ+レイセオンとロッキード・マーティンの2社。
結果、BAEシステムズが入札で改修を請け負う話になったのだが……、韓国は事後的に「FMS方式でやりますよ、業者はこっちが勝手に選定してBAEでやってもいます」って話をアメリカ政府に持っていったそうな。

そりゃあ、アメリカ政府が怒ったの怒らないの。

FK-16_thumb

ところが、これで話がスムーズに行けばまだ良かったのだが……。



簡単に流れを整理しておこう。
  • 2012/6/8 BAEシステムズ社が763億円規模でKF-16の近代改修落札、後日、AESA関連はレイセオンが落札
  • 2013/12/24 近代改修の契約完了、1760億円規模の契約となる
  • 2014/6/26 BAEシステムズが作業開始、2機のKF-16がBAEのフォートワース工場に到着
  • 2014/10/16 米政府とBAEが追加費用845億円を要求と報じられる
  • 2014/11/18 BAEが韓国軍を提訴
  • 2016/11/21 韓国側は契約業者をロッキードマーティンに変更し、1320億円相当での契約を結ぶ
  • 2016/12/9 韓国政府側がBAEとの訴訟で敗訴する
大まかな流れはこんな感じだ。

現在はKF-16の改修についてロッキードマーティンが色々と苦労しているはずだ。

あ、ちょっと注意して欲しいのは、列記した内容と記事とで金額に齟齬がある。これは、為替レートの関係なので、その辺りはご容赦を。

で、この最初のBAEシステムズとの(レイセオンとの)契約の際の問題が冒頭のニュースというわけだ。
防衛事業庁は2013年、老朽化したKF16戦闘機の性能改良のため、米国の防衛産業会社であるBAEシステム、レイセオンと1兆8000億ウォン(約1782億円)台の事業契約を結んだ。しかし、米政府と会社側が追加費用として8000億ウォン(約792億円)を要求したことにより事業は中止となった。
なかなか勝手な書きっぷりだが、しかし、本当にアメリカ側の問題なのだろうか?記事を色々と読んでいくと、どうにも韓国側の勝手な行動の制裁的な位置づけの話にも思える。

この辺りは詳しい事は聞こえてこないし、BAEにせよレイセオンにせよロッキードマーティンにせよ、守秘義務があるだろうから言われたい放題だろう。けれど、BAEが工場にKF-16を受け入れてから、直ぐに色々アクションがあった事を考えると、「整備し始めてビックリ」の状況だったというのが想像に難くない。まともなKF-16ではなかったんじゃないかな?と。

で、記事に戻るのだが、なにやら韓国政府は入札保証金の支払いを求めているらしい。
これに対し、韓国政府は合意文書に従った入札保証金の支払いを求め、BAEシステムに4300万ドル(約48億円)、レイセオンに1800万ドル(約20億円)を請求する訴訟を起こした。しかし、レイセオンは英文契約書の内容を根拠に「保証金は支払えない」と反発している。
韓国語の契約書には「会社側が義務を履行しない場合、入札保証金を大韓民国の国庫に帰属する」と書かれているが、英語の契約書では「会社側の義務不履行が唯一の理由である場合」となっている。つまり、契約不履行の全ての責任が会社側にある時のみ入札保証金を支払う義務があるとの意味で書かれている。
レイセオンは「契約主体である米韓政府間の意見の食い違いも義務不履行の理由だ」と主張している。
入札保証金という単語があるが、耳慣れない言葉なので調べてみた。

入札保証金とは、事業者(発注者)側が入札を行うにあたって、入札参加者が落札したにもかかわらず契約締結を行わないことにより発注者が被る損害に備えて、入札に参加するものから入札者が見積もる金額に応じた一定額を保証金として納めさせるものらしい。

確かに、公共事業工事を発注して、落札した業者が工事してくれなかったら問題になるわな。そういう意味では、当然の保証金の設定だし、日本の入札制度にも同様の保証金設定の法律がきちんと整備されている。

この入札保証金を、BAEとレイセオンが落札したにも関わらす、履行しなかった為に、韓国政府が没収しようと考えた模様。

そりゃBAEもレイセオンも怒るよね。


で、韓国政府はBAEとレイセオンの両方に「保証金を没収するぜ!」と脅して、企業側が怒って訴訟という流れになったらしく、ニュースでは書かれていないがBAEシステムズと韓国政府との訴訟については先に決着が付いている。

去年の年末に、韓国政府側はBAEに敗訴した。

防衛事業庁、「KF-16の改良」米訴訟でBAEシステムズに敗訴

記事入力2016-12-09 11:18 | 最終的な修正2016-12-09 15:02
防衛事業庁が米国で行われた KF -16戦闘機の性能改良事業と関連した訴訟で敗訴した。
米国メリルフレンド州連邦裁判所は、 BAEシステムズが KF -16性能改良事業と関連し、韓国政府を相手に提起した債務不存在確認訴訟では、過去7日(現地時間) BAEシステムズ勝訴判決を下したと防衛事業庁が9日伝えた。
この記事ではハッキリ書かれていないが、FMS絡みの理由によって韓国政府は敗訴したと裁判所は認定したらしく、この理屈で行くとレイセオンとの契約も、かなり怪しい。



で、冒頭のニュースでは、これの原因は「翻訳ミス」だと言っているが、本当だろうか?

ニュースに寄ればレイセオンと韓国政府との間で交わされた英文の契約書には、「会社側の義務不履行が唯一の理由である場合」とあるようだ。
が、こうした契約上の言い回しは、当然であろう。例えばレイセオンが落札し、レイセオンに責任無く契約履行できなかったにもかかわらず、入札保証金を払えというのは横暴である。「唯一の理由」というのはレイセオンの一方的な事情に起因するときのみ、という話だな。

ところが韓国語の契約書そうなっていなかった。
だが、韓国語の契約書など、言わば国内向けのコピー。「会社側が義務を履行しない場合、入札保証金を大韓民国の国庫に帰属する」と言うのは、レイセオンにしてみればあずかり知らぬ話である。
この文面だと、理由の如何に関わらず義務が履行できなかったら金を払えという意味になっちゃう。
また、契約書には通常、このような事態に備えて含まれる「国文契約書優先条項」もなかった。
もちろん、レイセオンにしてみても、韓国語の契約書が優先されるような記載になっていれば十分に注意するだろう事を考えてみても、今回のこれ、相当怪しい話である。

日韓合意の話を考えてみても、後から話を引っ繰り返すという事を平気でやらかすのが韓国である。
今回だって似たような話じゃ無いんだろうか?



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コメント

  1. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年7月22日 8:22

    冷静に考えると、おかしな話ですね。

    落札者(BAEとレイセオン)は、韓国政府と契約締結しているので、入札保証金の没収はあり得ない(入札保証金は返還する代わりに契約保証金に充当することは考えられる)

    元記事の「入札保証金」は、実際には「契約保証金」である可能性が高いが、あくまでも契約保証金は落札者側の理由によって契約が履行されなかった場合のみ没収されるもの。発注者側の理由による場合は、没収するのはおかしい。

    ここまでは、韓国政府と落札者(BAEとレイセオン)の間に直接契約が存在する場合の話です。
    ところが、FMS(対外有償軍事援助・有償援助調達)が絡んでくると話が変わります。

    >韓国は事後的に「FMS方式でやりますよ、業者はこっちが勝手に選定して
    >BAEでやってもいます」って話をアメリカ政府に持っていったそうな。
    FMSを利用するなら、韓国政府と落札者(BAEとレイセオン)との直接の契約は(FMSは米国政府を窓口とするため)無効だよな...
    当然、韓国政府に対し入札者・契約者が支払った入札保証金・契約保証金は返還しなければならない。
    注)FMSの場合、韓国政府と米国政府間の契約と米国政府と業者(BAEとレイセオン)との契約に分かれるはず

    契約が存在しない以上、債権・債務も存在しないですね。
    なので、米国連邦裁判所の判断は当然だと考えます。

    韓国政府と業者の契約が消滅している以上、その契約を根拠に賠償を求めるのは無理筋としか思えません。

    いくら韓国人が契約の概念に疎いとしても、酷すぎる話だと思いますね。

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    1. 報道の中身からどんな契約だったかを伺い知るのは難しいのですが、割とろくでもない話になっているように思えますね。

      まあ、慰安婦問題と同じで国民向けのアピールの側面が強いのでしょう。

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  2. 共食い整備どころか、F-16をエア整備する国です。

    日米共同開発はSM-3 ブロックⅡAだけでなく、イージスシステム ベースライン9を含みます、日本政府が認可しないと韓国は導入出来ないのに、認可してしまいました。
    韓国政府・議会が日本の集団的自衛権を認めるまで、在日米軍基地に保管されている韓国軍のミサイルを含む弾薬の韓国への移動に日本の集団的自衛権の発動が必要だと韓国側に理解させる機会を失った。

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    1. 集団的自衛権が憲法は禁止されて無いからね
      良い実例になったね

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    2. そう言えば、エア整備の話もありましたね。

      F-16がどんな扱いを受けているのかは、想像するしかありませんが、BAEシステムズがお手上げとなるようなシロモノはどんなだったか?には興味があります。

      集団的自衛権は……、憲法では禁止されていませんが、解釈上は日本政府としても行使が困難であるという立場なんですよね。その点については安保関連法案改正によって多少は緩和されたようですが。

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