2017年7月13日木曜日

テロ等準備罪の施行によりTOC条約締結手続が完了し、国連に歓迎される日本

タイトルだけで終わってしまった。

日本のTOC条約締結歓迎=国連事務所、組織犯罪対処へ連携期待

(2017/07/13-06:29)
 【ベルリン時事】国連薬物犯罪事務所(UNODC、本部・ウィーン)のフェドートフ事務局長は12日、声明を出し、同事務所が所管する国際組織犯罪防止条約(TOC条約)などの締結手続きを日本が終えたことを歓迎した。
 日本の動きは「国境を越える組織犯罪や汚職は、国家間のより大きな協力を通じてのみ対処できるという強いメッセージだ」と指摘。日本との連携に期待を示した。
キョウボウザイガー!!


さて、先日、テロ等準備罪が新設された。そして、それを受けてTOC条約の締結に向けて動き出したことが報じられていた。

「共謀罪」法が施行=政府、TOC条約締結へ

(2017/07/11-00:31)
 「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」の新設を柱とする改正組織犯罪処罰法が11日、施行された。これを受け、政府は各国と組織犯罪に関する捜査情報の共有が可能となる国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を速やかに締結する方針だ。
そうだね、TOC条約の締結を急がないとね。

TOC条約7月中の締結に向け、外務省「最短で手続き進める」

2017.6.21 19:26
~~略~~
 外務省は、各国との捜査共助を行う「中央当局」の指定などについて国連と調整し、条約締結の受諾書を国連事務総長に寄託する手続きを進める。TOC条約は187の国・地域が締結。7月11日の施行日以降、手続きが済めば締結が可能となる。日本は188番目の締結となる公算。
なかなか遅い登録だったが、日本政府は7月中の条約締結に向けて動き出していると報じられているが、外務省によると、8月10日に発効するらしい。

国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を含む4条約の受諾書の寄託

平成29年7月12日
  1. 7月11日(現地時間同日),我が国は,ニューヨークの国連本部において,国際組織犯罪防止条約(正式名:国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約)(TOC条約),人身取引議定書(正式名:国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し,抑止し及び処罰するための議定書),密入国議定書(正式名:国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する陸路,海路及び空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書)及び国連腐敗防止条約(正式名:腐敗の防止に関する国際連合条約)の受諾書を国連事務総長に寄託しました。これにより,上記4条約は,我が国については本年8月10日に効力を発生します。
テロ等準備罪の施行がネックになっていたことは、改めて指摘するまでも無い。



TOC条約の締結の必要性について、今さら突っ込みを入れる必要があるかどうかは疑問だが、取り敢えず簡単に。
「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」というのが正式名称らしい。
何をやるのかといえば、マネロンなど資金洗浄の対策や司法妨害、腐敗などの処罰などなど、凡そ組織的な犯罪に関する話。採択は2000年で、日本も2000年に署名している。だが、2003年に国会承認を得たにも関わらず、これまで批准に至らなかった。もちろん、民主党政権時代にも批准に向けて動いていたが、それは実現しなかった。民進党の小川氏によれば、「努力したけど、お役所のせいでできなかった」などと説明しているが、本当だろうか?
ちなみに、2016年10月時点で、締結国は187なんだそうな。日本が締結すれば188番目と言う事になる。

では、何故今まで批准できず締結国になれなかったのか?なのだが、法務省のサイトにはこんな解説が載っている。

Q1 なぜ,今,組織的な犯罪の共謀罪を新設するのですか。

平成12年11月,国連総会で,一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し,及びこれと戦うための協力を促進することを目的とする「国際組織犯罪防止条約」が採択されました。この条約は,昨年9月に発効しており,我が国としても,早期に加入することが重要です。
 この条約は,国際組織犯罪対策上,共謀罪などの犯罪化(注)を条約加入の条件としています。しかし,我が国の現行法上の罰則には組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為を処罰する罪がないので,「組織的な犯罪の共謀罪」を新設する必要があるのです。
(注)その他,マネーローンダリング罪,司法妨害罪等の犯罪化等が義務付けられており,今回,現行法では足りない罪の新設等の法整備も行います。

テロ等準備罪の法案を提出した理由について言及されている話で、少なくとも法務省はTOC条約に加入するには法整備が不十分であり、だからこそテロ等準備罪を整備するのだと説明している。



日弁連は、これに対して「いや、今の法制度下でもTOC条約への加盟は出来る」と反論している。だが、その根拠については明示していない。
僅かに共謀罪に相当する法整備を「新たにした」国を例示しているけれど、共謀罪などの法制度を有せずにTOC条約に加盟した国を例示はしていない。だとすると説得力は無いわけで。

まあ、この辺りの下りは以前にやったので割愛しておく。
仮に、民進党の小川氏が言う通り、民主党政権時代に共謀罪無しでTOC条約締結が実現できていたとしたら、日弁連や民進党の主張にも説得力はあるが、現実は、民主党も当時、共謀罪に関する法案を提出している。
つまり、TOC条約締結には、共謀罪などの法整備が不可欠であったと言う訳だ。この時の民主党の提出した法案は、残念ながら国会の都合で流れてしまった。

猛反対の民進、旧民主では「そっくり案」を国会提出の過去

2017.3.21 22:48
 民進党は「テロ等準備罪」を猛批判し、反対の立場を鮮明にしている。しかし、前身の旧民主党時代の平成18年4月には今回と酷似した発想による共謀罪の修正案を国会に提出していた。
この辺りは報道もされている話。

語るに落ちるとはこの事だが、そう言えば興味深いニュースがあったな。

山口組が「共謀罪を考える」文書 「暴力団目線」で解説

2017年7月12日11時24分
 ヤクザが集中的に狙われ、親分クラスまで罪に問われる――。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が施行されたが、指定暴力団山口組が「共謀罪を考える」と題する文書を組員らに配り、「暴力団目線」で改正法を読み解いている。
まさに、構成要件の1つである、「犯罪組織」そのものなので、そりゃ、真剣に考えるのだろう。
 朝日新聞が入手した文書は4ページ。「はじめに」で、「法律の実績作りのためにヤクザが集中的に対象とされる」と訴え、「共謀罪とヤクザ」の項で改正法の狙いについて、「トップを含め、根こそぎ摘発、有罪にしようというもの」と説明している。
まあ、しかし、内容よりも寧ろ毎日新聞が何故こんな文書を手に入れる事ができ、報道できたか?の方が不思議だが。仲間だからか?(苦笑)

暴力団対処の論法が一般人にも 「共謀罪」で溝口敦さん

2017年5月16日23時16分
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。
~~略~~
 暴力団犯罪では、「○○をやれ」といった明確な指示がないことがよくある。それでも現場の人間は説明を求めず、上層部の意向を忖度(そんたく)し、実行する。だから犯罪計画への認識があいまいなことも少なくない。


こんなオモシロ記事も紹介していたな。
 テロや重大犯罪の脅威が高まっているのは事実だ。だが、問題点が多い共謀罪を創設するのではなく、防犯カメラやGPS(全地球測位システム)などを適切に活用して捜査を強化していくべきだ。
言っている事は間違っているとは思わないが、論点はずれている。そもそも、GPS捜査は先日NGを喰らったばかりだし、防犯カメラも「プライバシーガー」と叫ぶ人権屋に阻まれて、利用が制限されているのが現実だ。



結局、テロ等準備罪も1つのツールにしか過ぎず、その運用が極めて重要なのである。
運用方法については、可視化を進め、適切な運用だったかをチェックする機構を作れば良い話で、法律そのものの施行を止めることは無い。

そもそもTOC条約と言う枠組みに入って、ようやく国際組織犯罪の取締り強化という国際協調の波に乗れるのである。
国際協調が全て良いことのように言う積もりは無いが、日本がテロの温床になるようなことだけは絶対に避けなければならない。
TOC条約の批准を前提にするならば、やはり今回の法整備は必要だったのだ。



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