TPP11は3月に署名のスケジュール

最近、面白いニュースだと思ったのはこれ。

TPP11、3月に署名で一致 政府、19年発効めざす
首席会合が閉幕

2018/1/23 19:16
米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)の参加11カ国は23日、東京都内で開いた首席交渉官会合で、署名式を3月8日にチリで開くことで一致した。茂木敏充経済財政・再生相が会合後の記者会見で明らかにした。米国を含めた12カ国で合意したオリジナル版TPPのうち、22項目の効力を一時凍結することを確認し、新たな協定文の内容が確定した。
ネーミングもTPP11という愉快なネーミングになっているが、これは主にアメリカのせいである。このブログでも色々とTPPについて書いてきたが、最近は随分ご無沙汰だった。

だから、そもそもTPPって何だという話を少ししておきたい。

TPPとは、「環太平洋パートナーシップ協定」という経済連携協定のことである。過去に「ブロック経済」というのを習ったことがあると思うが、まあ、それに近い概念だ。完全に一致する概念ではないのだけれど、似たような効果は得られる。何かというと、協定を結んだ国同士での貿易は活発化し、相対的に協定を結ばない国との貿易は減るという効果が得られる。
ブロック経済と異なるのは、協定を結ばない国との間には、高率関税をかけて貿易を阻害するような措置をとらない点だろう。

で、このTPPというのは、そもそもスタート時点では、シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4カ国協定からスタートし、2006年に原協定が発効している。ところが、ここに首を突っ込んだアメリカは、2010年からオーストラリア、ベトナム、ペルーを加えて拡大交渉を開始しちゃった。で、2012年の交渉妥結を目指していたのだが、ここに更に日本が首を突っ込むことになった。これが2011年のことである。
時代は民主党政権下で、発端は菅直人の「あ、TPP参加したいかも」という思いつきであった。しかし、菅直人はそれを完全に放置。それに参加することを決断したのは野田氏であったが。

で、このブログでは、当時、海のモノとも山のモノとも分からなかったTPPに関して少し調べている。
当時の結論としては、「参加すべきでない」というものだった。

色々理由はあるけれど、メリットに対してデメリットが大きすぎる懸念があったことと、当時、「ISDSでの賠償金」とか「ラチェット条項」「知的財産権の取り扱い」など、不透明な部分が多く、これが日本にとって非常に大きな害悪になると騒ぐロリコンDVオヤジなどがいて、保守派の論客の中でもかなり意見が分かれていた。僕自身も、リスクが高いと判断していた。

まあしかし、当時の政権を担当していた民主党の内部でも色々揉めたようではある。
そして、自民党内でも推進派と反対派で割れていた。

だが、民主党政権が終わって、自民党政権が発足すると、安倍氏はTPP交渉について推進する立場となり、精力的な交渉を開始した。TPPはほぼ大枠合意に達していたので、果たして後から参加した日本に発言権があるのか?という点について非常に危惧されていたが、その交渉を精力的に行ったのが自民党の甘利氏だ。まさにTPPの交渉尽力し、2016年に金銭授受疑惑が指摘されるまでは非常にタフな交渉を行ったといわれている。

ただ、この交渉内容については、未だにその全容が明らかにされていないこともあって、評価することは難しい。

で、このTPPに関する風向きが変わったのが、トランプ政権樹立である。アメリカ大統領のトランプ氏は、「TPP離脱」を公約に掲げ、大統領の座についてから「TPPに参加しない」と明言したのである。
これを切っ掛けに、TPP交渉は暗礁に乗り上げることになったが、しかし、日本が主導する形でTPP交渉は続けられることになった。
その結果、アメリカが介入していたときに取りあげられた条項を幾つかペンデングにして、妥結に向けて動き出した、というのが冒頭のニュースである。
 昨年の大筋合意の際に知的財産など20項目の凍結で合意したが、4項目は継続協議としていた。
日本としては、ISDS以外では一番の地雷になりそうだった知的財産などの項目を凍結できたことは大きかったかも知れない。なお、ISDSはアメリカがTPPから抜けたことで、毒が抜かれた状態になっており、これも当時騒がれたようなリスクは生じ得なくなったと言って良いだろう。


とまあ、良さそうな感じに着地できるかなーと、そう考えていたのだが……。

カナダが土壇場で反対 首脳間の大筋合意持ち越し

2017.11.10 22:35
米国を除く環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国は10日にベトナム中部ダナンで予定していた首脳会合を開けず、首脳間の大筋合意を持ち越した。安倍晋三首相らは閣僚から大筋合意の報告を受け成果を確認する運びだった。だがカナダが土壇場で首脳会合での合意宣言に反対した。
突然のカナダの裏切りが発生。
まあ、しかしこれも何とかねじ伏せた模様。

カナダ、TPP署名表明 トルドー首相「交渉は決着」

2018/1/24付
【ダボス(スイス東部)=河浪武史】カナダのトルドー首相は23日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「11カ国での環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が決着したと喜んで発表したい」と述べ、同国も協定に署名する意向を表明した。TPP参加国は同日の東京での会合で、3月の署名を確認。コンテンツ保護策を巡り対立していたカナダの署名参加が焦点となっていた。
ところが、そもそもこのカナダのトルドー氏の「時間稼ぎ」はアメリカの影響が強かったと、そう考えていたが、やはりそういう事だったらしく、とうとうトランプ氏が再び首を突っ込んでくる始末。

トランプ米大統領、TPP復帰を検討=再交渉前提に「良い協定なら」

1/26(金) 4:19配信
 【ダボス(スイス東部)時事】トランプ米大統領は25日、米CNBCテレビのインタビューで、昨年離脱を決めた環太平洋連携協定(TPP)について、「はるかに良い協定になるならば、参加するだろう」と述べ、再交渉で有利な条件が得られることを前提に、復帰を検討する意向を示した。
何がしたいんだこの野郎!

河野太郎外相「TPPの中身を変えるつもりはない」 復帰示唆のトランプ米大統領「有利な協定なら」発言を一蹴

2018.1.26 11:04
 河野太郎外相は26日午前の記者会見で、トランプ米大統領が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関し、米国に有利な条件付きでの復帰を示唆した件について、「すでにTPPの中身は決まっている。これを変えるつもりはない」と述べ、米国に有利な条件の付与は行わない考えを示した。
そして、最近、人気急上昇のたろーチャンが、これを一蹴(笑)



トランプ氏の唐突の行動はいつもの事なので、驚く話ではない。
ただ、まだまだ揺さぶりがかけられる可能性はあるだろう。特にカナダのトルドー氏は危ういな。
実は、アメリカとカナダの間には、NAFTA再交渉という大問題が横たわっていて、これが結構大変な事態になっているようだ。

カナダ外相、NAFTA再交渉の期限巡るトランプ氏の発言歓迎

2018年1月15日 / 08:50 / 11日前
[ロンドン(加オンタリオ州) 12日 ロイター] - カナダのフリーランド外相は12日、トランプ米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の期限を、これまで予定していた3月末から延長する可能性を示したことについて、歓迎の意を表明した。
アメリカとカナダは、NAFTA再交渉の材料にTPP交渉を引っかき回している節があるのだ。

まあ、現状では、日本の茂木氏が甘利氏の後を引き継いで交渉に当たっており、揺るがないとは信じたいところだが、まだ、一波乱はあるだろうね。支那が口出ししてきていない状況も、不気味だ。まず間違い無く口を出してくるだろうから。

振り回される方の身にもなってくれ、とは思うのだが、この辺りも国際的なパワーバランスの上に成り立っている話。興味深いな。
そもそもTPPの中身については色々不安が残っているのもまた事実ではあるのだが。




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