ついにベールを脱いだ韓国型ロケットのエンジン試験

待ってました!

韓経:ベール脱いだ韓国型試験ロケット…「燃焼試験だけで62回、10月に打ち上げ」

2018年02月12日11時37分
韓国航空宇宙研究院と韓国航空宇宙産業関係者らが8日に全羅南道高興の羅老宇宙センターロケット組み立て棟で韓国型試験ロケット認証モデル(QM)試験を控えロケットを点検している。枠内は75トン液体エンジンと8トンほどの重量のペイロード部分が完全に結びついた姿。
  8日、全羅南道高興(チョンラナムド・コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターロケット組み立て棟。建物入口のエアブースでほこりをはらって中に入ると白いガウンと作業服を着たエンジニアがあちこちに集まって作業をしていた。
どうやら、韓国のロケットは順調に?進んでいるらしい。

ロケット?

写真では順調かどうか分からないが、まあ、「順調」という点は信用するより他無いとは思う。結果はそのうち分かるしね。

さて、気になるのはエンジンである。
試験ロケットは2021年に2度打ち上げる韓国型ロケット(KSLV-2)に使われる75トンの液体エンジンをテストする目的だけで開発された。75トン液体エンジンは韓国が独自に開発した初めての宇宙ロケット用ロケットエンジンだ。
サラリと嘘を書いているが、正しくはこの75t級エンジンは、ウクライナから入手したエンジン図面を参考にして作られた物だということ。
この辺りに言及しているが、元記事はこちら。

韓国1段ロケットエンジン(ウクライナから取り寄せた30tエンジン)は読者の推進に... ロシアの「燃焼試験設備を使わせない」妨害

入力:2012/05/25 03:13 | 修正:2012/05/25 07:22
二回の羅老号の打ち上げ失敗を経験した韓国が、千辛万苦の末初歩レベルのロケットエンジンを独自開発したが、ロシア側の非協力で性能試験すらできずにいる。ロシアがロケットエンジンをテストする地上燃焼試験設備の使用を拒否しているからだ。
~~略~~
政府と航空宇宙研究院(航宇研)は代替(代案)を模索した。航宇研は困難の末、ウクライナから推力(推力・ロケットを押し上げる力)30t級エンジンの設計図をかけてきた。航宇研研究者は、これをもとに、エンジンを構成する主要部品である燃焼器・ガス発生器・ターボポンプを作ることに成功した。単位部品レベルでは、国内での性能試験を終えた。部品をすべて組み立てて性能試験に成功すると、これをアップグレードして、1段目のロケットを作ることができる。


ウクライナは、「ソ連時代の過去の遺産は何でも売るぜ」という姿勢のようで、あっさりエンジンの図面も売っちゃった。実物も売ったと言われているが、モノは30t級である。

もちろん、ソ連時代のロケット技術は、アメリカよりも一足も二足も先んじていたと言われている分野も少なくない。コメントでも指摘頂いたが、裏取りは難しいものの状況証拠としては色々とソ連が優れた技術を持っていたという可能性は高い。その技術を図面として売ったのがウクライナだ。

ただ、これ、図面だけで何とかなる様なシロモノでは無い。以前にも指摘したが、30t級をサイズアップしたら75t級のエンジンが出来ました!なんて単純な話ではないし、エンジンに使う為の材料の調達などは、結構困難である。図面だけあっても、エンジンが出来るわけじゃ無いんだ。

で、そのエンジンも、苦心の末、作り出すことに成功した模様。そういう意味では、「韓国で開発した75t級エンジン」というのは強ち嘘ではないかも知れない。正しくもないが。
  試験ロケットはエンジン性能検証にだけ集中するため宇宙には上がらない。宇宙軌道より低い177キロメートルの高度に打ち上げられて400キロメートル飛行する予定だ。75トン液体エンジンが宇宙用ロケットエンジンと認められるには134~145秒間に目標とした推力を安定的に出さなければならない。航空宇宙研究院は2016年5月に初めて75トンエンジンの燃焼試験に着手してから9基の液体エンジンを開発し、62回・4342秒の燃焼試験をした。爆発直前まで行ったエンジンもあったが結果は概ね成功と評価される。これらエンジンには1G、2Gのような名前が付けられる。1は最初、Gは地上用モデルという意だ。10月に打ち上げられる試験ロケットには10回以上の燃焼試験で安定した性能が検証された7Gエンジンが入る。チョ・グァンレ元航空宇宙研究院長は「何回も試験を通じて不完全燃焼問題を解決した結果、7G~9Gエンジンからは構造をこれ以上改善する必要がなくなった」と話した。
なるほど、試験ロケットのエンジン構造は、もはや改善する必要が無くなるところまで詰められたんだって。

ところで、エンジンって再利用が可能なシロモノなんだろうか。62回エンジンテストやって、9基のエンジンだったと言うことは、再利用は可能と言うことなんだろうね。再利用とは言ってもエンジンテストだけならば、複数回やれるのだろうとは思う。でも今回の話は、そういう話でも無さそうだ。

確か、日本はそういったロケットの再利用の可能性を追求する開発をやっていたような気がするが、日本ですら計画段階である。況してや、始めてエンジンを作るところが、テスト用に作った地上用モデルのエンジンで、実際のロケットを打ち上げるモノだろうか?

繰り返し試験をした上で、7Gが一番良かったから7Gを使うって。ただ、7G~9Gエンジンは改善する必要がないって書いてあるのだけれど、だとすると7G、8G、9Gって同じ構造って事?だとすると、その中で性能差が出た理由は何よ。そこもちょっと気になるね。個体差程度の話ならば良いんだけどさ。

それとね、確か過去には、エンジンを39基製作する予定だと言っていたハズだ。試験回数も260回以上とか書かれていたはずだが、62回で終わりって事なのかな?

韓国航空宇宙研究院、75tの宇宙発射体のエンジン燃焼実験に成功

入力2017-12-08 03:00修正2017-12-08 11:29
ギムジンハン韓国航空宇宙研究院(航宇研)ロケットエンジンの開発団長は6日午後、全羅南道高興郡羅老宇宙センターで行われた飛行試験用(FM)エンジンの燃焼試験に成功で終える興奮を隠せなかった。
~~略~~
航宇研は万全を期すために、約2年間の合計4台の1段エンジンを作成し、数十回の燃焼試験を行った。これに加えて、研究者は、最終的に2台のエンジンを準備した。そのうち一台のFMエンジンである。
ここで、去年末のニュースを紹介しておこう。

エンジン試験

こちらの記事では、2年間で合計4基のエンジンを作って、「数十回の燃焼試験」をしたと報じている。更に2基エンジンを作ったというので、合計6基ってことかな?

……何だか、エンジンの数と試験回数の数が合わない。

そして、この記事の中で気になるコメントがこちら。
エンジンの開発は一段落したが、ロケットに接続し、燃料供給などが円滑ことを確認するには、何回かの追加燃焼試験が必要である。この時、FMモデルでの実験を繰り返すと、部品が老化し、いざ打ち上げ当日にパフォーマンスが低下することが懸念される。
えー、本番の打ち上げもテストエンジンでやるつもりかよ!

さておき、随分と試験回数を水増しした上で、エンジンも再利用をやっちゃおうという腹のようだな。
ある意味で画期的である。
  ◇エンジン開発は1度も歩いたことのない道
  科学技術情報通信部は5日に「第3次宇宙開発振興基本計画」を出し韓国型ロケットを2019年と2020年の各1回から2021年に2回打ち上げることに計画を変更した。韓国型ロケット推進剤タンクで不良品が発生するなど開発に影響が出ており打ち上げ日程を遅らせたものだ。エンジンの信頼性をさらに確保しなければならず、75トンエンジン4基をまとめるクラスターリングをはじめ多くの挑戦課題も残っている。
  これに対し韓国の宇宙開発が海外の民間宇宙開発より大きく遅れているのではないかという見方もある。チョ元院長は「スペースXも米航空宇宙局が推進した商業軌道運送サービス(COTS)支援事業を通じてファルコン9を開発した。液体エンジンはだれも教えてくれない技術であり、それだけ1度も歩いたことのない道を歩く厳しい過程を体験してこそ独自の能力を確保できる」と話した。
さておき、これから韓国は「完成した」と胸を張っている75t級エンジンを1基搭載したロケットの打ち上げをやり、その上で、4基をまとめたクラスタリングをやる必要がある。
冒頭のニュースでは75t級エンジンを1基搭載したロケットは、2018年10月に打ち上げられるとか書かれているが、去年の年末のニュースでは2019年に発射するとか書いてある。一体どっちなのかと。

まあ、今年10月の方が楽しみが早く実現して良い訳だが、ズルズルと延期されるのは目に見えている話なので、2019年になりそうだな。ムン君としては早くロケット打ち上げて成功させたいんだろうけど、急ぐのは危険だ。
そして、クラスタリングは更に難しいだろうねぇ……。
まあ、それも楽しみにしていたい。それまでこのブログが続いているかは知らないが。



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コメント

  1. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年2月15日 3:30

    >だとすると7G、8G、9Gって同じ構造って事?

    この部分ですが、ほぼ同じ構造だと考えられます。
    引用記事に以下の記述があります。

    >これらエンジンには1G、2Gのような名前が付けられる。1は最初、Gは地上用モデルという
    >意だ。

    つまり、日本風に表現すると「地上試験用1号機」「地上試験用2号機」・・・ということなんでしょう。なので、7号機から9号機は、ほぼ同じ構造だと思われます。
    ということは、地上用には9基のエンジンを製作したのでしょうね。

    ただ「地上用モデル」を実際に飛翔させるために搭載するとか、なんか変ですね。
    普通は、同構造の打ち上げエンジンを製作して、短時間の燃焼試験のあと、機体に組み込み後、打ち上げとなると思うのですが...韓国のやることは理解不能です。
    ※「短時間の燃焼試験」は、正しく動作することの確認のため(性能テストではない)

    返信削除
    返信
    1. なるほど。
      しかし、7号8号9号の構造が同じであるにもかかわらず、「7Gエンジンが入る」っていう記載は、7,8,9と同じ構造だったけど7Gが一番出来が良かったって話ですよね。ご指摘の様に、それを試験ロケットに入れるというのはやっぱりちょっとどうかと思います。
      連続燃焼試験をやって、一番成績が良かった、ということは、200秒位は連続燃焼をやっていて、「安定した結果」というからには複数回やったのでしょう。
      それをそのまま試験用とはいえ、ロケットに、というのはやはり……。

      削除
  2. 液体燃料ロケットエンジンを拡大コピー設計図で作るという発想が理解できない。

    別ネタですが韓国は出国率が人口の50%、出国者が入国者の倍
    ソース ニューズウィーク日本版web

    返信削除
    返信
    1. いやまあ、拡大コピーで作るにせよ、設計元のエンジンは多分安全率が多めに取られているシロモノだと思いますので、2倍くらいに大きくしても、案外モノとしては動くシロモノなのかもしれません。

      そう考えると、幾らお金を積んだか知りませんが、韓国は良い買い物をしたんじゃないかと思いますよ。

      ただ、クラスタする技術は図面には書かれていません。どうするんでしょうねぇ?

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