安倍政権が、放送業界に宣戦布告か

ちょっと刺激的なタイトルではあるが、これ、放送業界は「宣戦布告された」と受け取っていると思うんだ。

安倍政権、放送の規制を全廃方針

2018/3/22 19:58
 安倍政権が放送制度改革で、テレビ、ラジオ番組の政治的公平などを求めた放送法の条文撤廃に加え、放送局に義務付けた番組基準など、NHK以外の放送関連の規制をほぼ全廃する方針であることが22日、分かった。
にもかかわらず、各社、あまり大きく取り扱っていない理由は、騒ぎにしたくないのだろうね。
この記事を取り扱っているのは、読売新聞のみである。

首相、批判的報道に不満か…放送事業の規制緩和

2018年03月18日 14時48分
 安倍首相が目指す放送事業の見直しは、放送法4条などの規制の撤廃が目玉となる。背景には、首相に対する批判的な報道への不満があるようだ。

放送見直し、政府内対立…ネットとの垣根撤廃案

2018年03月21日 09時01分
安倍首相が目指す放送事業見直しを巡り、政府内で賛否が割れている。
規制改革を所管する内閣府が前向きなのに対し、放送事業を所管する総務省は慎重だ。
既に18日頃からその内容が拡散していた様で、読売新聞は21日にこれに触れ、共同通信の記事は寧ろ遅かったと言うことだろう。

で、共同通信は面白いことを記事に書いている。
 放送という制度を事実上なくし、インターネット通信の規制と一本化して、ネット動画配信サービスなどと民放テレビ局を同列に扱い、新規参入を促す構えだ。しかし偏った番組などが氾濫する恐れがあり、民放の反発も予想される。
いや、既に偏っているよね?十分に。



そもそも、放送法4条というのはおかしな条文なのである。
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
この条文が置かれた背景として、電波が有限の資産であり、その資産を占有する権利を得る代わりに、政治的中立性などを担保する必要があるという話があった。
だが、もはやこの4条1項の1号はともかくとして、2号から4号までの何れもをどの放送局も守ってはいない。「公共放送」という立場で訪英しているNHKですらそうなのだから、救いようが無いのである。

で、今回の話はそもそもこの「有限の資産」という部分が揺らいでおり、インターネットでは個人が好きな番組を配信できるような時代になっているので、もはや電波を占有するから、という理由だけで放送内容を縛る必然性が薄れている事実に基づいた話なのである。
電波が有限である事実は、今も昔も変わらないが、放送技術の革新によってデジタル放送が可能になった為に、無線であっても干渉無く複数の番組を流せるようになってきたのである。
総務省もこの様な検討を行っていて、電波の整理を行おうとしているのである。日本は、電波利用の分野ではテレビ利権が邪魔をすることで非常に遅れているのだ。
この分野ではノブリンこと池田信夫氏がかなり気合いを入れて言及している。

ホワイトスペース:電波の90%以上は空いている

先週の金曜の記事は、細かい話だったのでやや専門的に書いたのだが、5万以上のアクセスがあり、「はてなブックマーク」で200以上のブックマークを集めて首位になったのには驚いた。この問題は非常に重要なので、わかりやすく(上瀬千春氏にもわかるように)説明しておく。
テレビ局に好き勝手に電波を使わせている時代は終わったと、そういう話なのだ。

このテーマは憲法改正に匹敵する程大きな話で、国民にとっては「偏った番組などが氾濫」など今さらの問題であり、メディアが黙っている理由はこれを問題視したくない、直視したくないからなのだ。

なお、元テレビ業界にいたサヨク系の方も警鐘を鳴らしていた。

テレビ報道が激変するかという緊急事態なのにニュースで伝えないテレビ各局

水島宏明  | 上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
 共同通信が報道した、安倍政権による放送法改正を骨子とした放送制度の改革をめぐる方針案についてのスクープ記事のコピーがあちこちの職場に飛び交っていました。
~~略~~
 今回の共同通信の記事を受けて、テレビ関係者の中には「政権の改革案をそのまま進めれば、まっとうなテレビ局が『ニュース女子』のように根拠が不確かな放送をするようになってしまう」と危惧する声が広がっています。ところがそうした危機的な状況だということがテレビの人たちから視聴者に知らされてはいません。
哀れな感じすらする内容でビックリするが、文中、「ニュース女子のように」という下りがあって苦笑を禁じ得ない。
BPOから勧告があって、ニュース女子という番組を配信していた東京MXテレビが放映を終了するとか言う話があった。
この記事はタイトルこそ「孔子学院」の話だが、中身はメディアが腐っているよと言う話なので、ちょうど「ニュース女子」の話にも触れている。

話が逸れてしまったが、「根拠も無く不確かな放送」というのは、今のテレビ業界に蔓延する病のようなものなのだ。しかし一方で、テレビの速報性という点が失われるとアドバンテージはぐっと下がってしまう。ある程度の誤報や偏向は織り込み済みという方が、未だ健全なのである。



そういえば、高市氏が総務相を務めていた時代に、散々メディアに叩かれた事があったが、その時にも放送法4条について触れている。
この時メディアは、高市氏がメディアに圧力をかけるつもりだ!と発狂していたが、しかし、放送法の構成上、4条を守れなければ業務の停止もあり得るという形になっているのは事実なのである。
これを「努力規定」などというアホな事を言うメディアがいるのだが、実は罰則規定が設定されている、義務規定なのだ。

しかし、その規定こそが歪んでいるのだとすれば、報道の多角化を推進して、メディアで自由な発言ができる様にすれば良いだろう。

ちなみに、NHKは別格みたいな取り扱いがされているが、これを機に民営化してしまえば良い。ニュース部門だけ切り離して税金で賄い、後は民営化して他の民法と同じような土俵で競わせれば良い。
見たくない人は見なくて良い、そんなシステムになるべきだ。



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コメント

  1. この記事、みんな読もうよ。せっかく木霊様が書いてきくれたのだし。すごく大事な件だから。皆の携帯電話代が下がらないのも、TV局の電波利権のせいなんですよ。
    やつらオンエア用と称して不当に広い電波帯を独占してるんです。それが皆の携帯電話が不当に高い料金を取られる理由なんだすよ。
    報道の公平性って、もう、そんなもの無いでないの。
    例えば赤旗とか正教新聞みたく立場てかフラッグをはっきりと見せる。源氏の白旗か平家の赤旗か。その上で自分が選んだスタンスの報道を読んだり見たりすれば良いでしょ?
    アサヒがムカつくのは中立を装ってるからよ!
    私は赤旗に苦笑する事はあってもも、報道機関として怒る事はないです。彼らは旗を見せるだけアサヒよりまともですから。
    木霊様が仰るように、自分でかんがえて選べば良いんです。
    3歳児じゃないんだから。

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    1. いえいえ、記事についてのカウンターは回っていますから、コメントを頂いていないだけで読んでは頂いているのかと。

      それはともかく、しんぶん赤旗に関しては、意外にバカにしたものでもなくて、プロパガンダ部分以外では、比較的冷静に調査して記事を書いているようですよ。流石、頭が良い人間が集まっているって事ですかね。

      削除
  2. 遅ればせながら一言を。
    民法各局は触れたくないので報道しない自由を行使してますね。
    (記者会見で文句は言ってるみたいですが)

    最近オイラも考えたんです。
    まずNHKの1chと2chをNHKから取り上げて、時間ごとに(30分とか15分程度に)バラバラにして、この枠はニュース、この枠は教育などとテーマや条件を定めて番組を公募する。
    応募があった制作会社の番組をそれぞれ試験放送する。
    番組毎の視聴率を勘案して正式決定すれば良いです。
    試験放送ですが、電波に乗せるのも良いですが、ネット上のログイン式にしてNHK加入者限定の視聴率もしくは投票制で決めると未加入とかで揉めずにすみます。番組改編に参加できて加入者も面白がるのでは。
    NHK自身が作った番組もぶつければ良いし、ノウハウや制作スペースや機材もNHKが貸し与える、と。
    まぁ、NHKの予算を配分せずにスポンサー公募してスポンサーが付いたところから放映決定、NHKは無料化して規模縮小の上国営化でも良いといえば良いんでしょうが。


    以上はオイラの妄想でした。(笑)

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