バチカンは支那に譲歩したのか?

コメントを頂いていたので、ちょっと触れておきたい。
ただ、宗教的な内容に触れざるを得ない事柄であるにもかかわらず、僕の苦手な分野なので、間違いがあったらご容赦・ご指摘願いたい。

バチカン対中譲歩「隷属」か 司教任命 宗教弾圧緩めぬ習政権と合意へ

2018.3.4 01:00
 カトリック教会の総本山バチカンと中国が国交樹立に動き出した-こんな観測が世界を駆け巡った。両者が確執の種だった司教任命問題で合意締結に近づいたためだ。バチカンが中国に大きく譲歩する内容とされるため、波紋は香港や台湾にとどまらず、カトリック教会全体に広がっている。
さて、「バチカン市国」、宗教に馴染みの無い方でも、この名前を聞いたことが無い人はいないだろう。

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ヨーロッパにある世界最小の面積を有する国家、バチカン市国は、記事にあるようにカトリック教会の中心地である。

諸説あるが、世界最初に教会堂が建てられた(326年)場所であり、キリスト教徒にとっては神聖な場所で、ローマ法王の住まう場所だ。
僕などには推し量ることはできないが、キリスト教徒にとってはこのバチカンという場所は非常に重要な意味があるのだろう。



ところが、冒頭に紹介したようなニュースが駆け巡り大騒ぎになっている。
世界は、北朝鮮の核問題に構っている場合では無いのだ。
 バチカン関係者によると、双方は3月、合意について詰めの協議を行い、早ければ月末にも調印の見込み。中国側が司教候補を提示し、法王が承認する方式で固まったという。法王が特定候補を拒否すれば、中国側は別候補を提示する仕組み。常に中国政府に近い人物が就任することになる。
表向きは、バチカンと支那との和解という形ではあるが、この話はそう単純な事では無いようだ。

構造的な話は毎日新聞に出ていたので引用しよう。

司教の任命方法を巡り合意か

毎日新聞2016年11月1日 00時08分(最終更新 11月1日 00時08分)
~~略~~
中国とバチカンは1951年に断交し、「どちらが司教の任命権限を握るか」が最大の対立点になってきた。中国のカトリック教会は政府公認の「中国天主教愛国会」と、法王に忠誠を誓う非公認の地下教会に分かれ、バチカンは教会統一を目指している。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、合意草案では中国側が司教候補者リストをバチカン側に提出し、法王がその中から適格者1人を選ぶか、全員を拒否して新たなリストの提出を中国側に求める選択権を持つ。
 また、中国側は合意案受け入れの条件として、バチカンの了解を得ずに任命した愛国会の司教8人にフランシスコ法王が「お墨付き」を与えることを求めているという。



この記事に出てくる「中国天主教愛国会」という組織は、バチカンから独立したカトリックを称する教会であるという。
ただし、支那政府に公認された組織、と言う事を考えれば、どんな立場かは想像に難くない。要は、支那の共産党組織の一翼に連なる、社会主義的な組織で、凡そカトリック教会の教義にはそぐわない部分を含む考えを持っているのである。
実際に、その宗旨は、「全国の聖職者と信者を団結し、愛国主義の精神を発揚し、国家の政策と法令を遵守し、積極的に祖国の社会主義近代化の建設に参加し、国際的なカトリックの人々との友好的な往来を促進し、帝国主義と覇権主義に反対し、世界平和を守り、ならびに政府の宗教と信仰の自由への政策の貫徹に協力する」であるという。
小難しい事が書かれているが、要は、「支那共産党万歳!」「資本主義の犬は死ね!」と言うことである。

カトリックにかかわらず、キリスト教であれば「汝隣人を愛せよ」という言葉に疑問を持たない人はいないだろう。
そうはいっても世界中に差別主義は根付いているので、「隣人とは誰ですか?」という話にはなってくるのだろうが……、藪をつついて蛇を出す趣味は無いので、これくらいにしておく。

さておき、そうした「隣人」を愛さないのが支那共産党である。当然、中国天主教愛国会もそうなると思われる。
そんな組織をバチカンに統一するというだけでも憤飯ものなのだが、司教任命権限をバチカンが支那に売り渡すというのだから、そりゃ、反対を受けないわけが無い。
 フランシスコ法王は2013年3月の就任以来、推定約1200万人のカトリック信徒を擁する中国との関係改善に意欲を示し、中国との対話や文化交流に力を入れている。
 だが、合意草案には、司教任命で中国側に裁量権を認める側面があり、地下教会やバチカン内の慎重派からの反発も予想される。
法王の崇高な理念は寡聞にして存じ上げないが、一体、バチカンは何処に向かっているのか?と疑いたくはなる。

もちろん、カトリック教会内部でも疑問の声は大きいようだ。

ローマ法王、中国任命の司教承認か 関係改善に向けて譲歩 香港枢機卿が抗議表明 米欧メディア報道 

2018.2.5 23:52
ローマ法王フランシスコは対中関係改善のため、中国政府が任命した司教の正統性を認める方針だと、5日までに米欧メディアが報じた。事実とすれば、中国と対立してきた司教任命問題で大きく譲歩することになり、香港カトリック教会の前最高指導者が抗議表明する異例の事態となっている。
こちらの記事では香港カトリック教会の重鎮が抗議しているようだが、その他にも様々な場所から反対の声があがっている。
 「合意は、バチカンの一方的な譲歩だ」。バチカン取材約40年のベテラン、イタリア誌レスプレッソのサンドロ・マジステル記者はこう明言する。習近平政権が宗教弾圧を緩めない中、合意調印は『悪いメッセージ」になりかねない。こうした懸念はカトリック教会内にも残るという。
 中国との協議では当初、「ベトナム方式」が浮上していた。バチカンとベトナム共産党政権との合意では、バチカンが司教候補を示し、政府が承認する仕組み。これに基づき7年前、バチカンはベトナムに司教を派遣した。対中合意では、政府との関係が完全に逆転することになる。中国が押し切った形だ。
http://www.sankei.com/world/news/180304/wor1803040002-n1.html

特に、当初の方針を曲げて、支那の主張に妥協したという部分は、非常に大きな問題であると言える。

このようにバチカンに翻意をさせるに至った決定的な出来事は、こちらのニュースだと言われている。

中国当局、台湾関係国への旅行「厳禁」通達 バチカン、パラオ…蔡英文政権に圧力か 現地報道

2017.11.24 00:19
【台北=田中靖人】中国当局が、台湾と外交関係を有するバチカンやパラオなどへの団体旅行を厳禁する通達を出したと23日付の台湾紙、聯合報などが報じた。蔡英文政権への圧力の一環とみられる。
台湾の観光絡みのニュースと言えば、最近こんな話があった。

トランプが「台湾旅行法」に署名すれば戦争に発展=中国国営英字紙

2018年3月2日(金)14時33分
中国国営英字紙チャイナ・デイリーは2日、米国で台湾との関係強化を目指す「台湾旅行法」が成立した場合、台湾を巡る戦争に発展する可能性があると警告した。
同法の内容は、全レベルの米政府職員に台湾への渡航と当局者との面会を許可し、同時に台湾当局者に対し「敬意のこもった条件で」訪米し米政府当局者と会うことを許可するもの。トランプ米大統領の署名を待つばかりとなっている。

支那にとって台湾はクリティカルな問題だ。「一つの支那」の原則を曲げることは、何人足りとも許さない。それは中華思想の否定であり、支那の屋台骨を揺るがすような話なのだ。
よって、台湾を1つの国家として認めるなどと言う話は、支那には容認できず、そうした動きを見せる組織には容赦をしないというのが支那のスタンスなのだ。

バチカンが支那に折れる形で下れば、今後、支那の覇権は一層勢いを増すだろう。

雪解け 関係正常化へ 習氏「台湾統一」の布石

会員限定有料記事 毎日新聞2017年2月3日 東京朝刊
 1951年から断交状態にあるキリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)と中国が今年中の関係正常化を視野に歩み寄りを続けている。アジアでの布教をけん引してきた修道会イエズス会出身のフランシスコ法王は中国訪問に意欲を示している。中国の習近平指導部も、バチカンとの関係正常化は、悲願の「台湾統一」に向けた重要な布石と位置付けている。
毎日新聞は今回の話を「良い事」のように書いているが、そんな単純な話では無い。

支那は宗教弾圧、民族弾圧を継続的に続けている国である。
よって、バチカンが中国天主教愛国会を認めると言うことは、即ち、支那の行動そのものを赦すことに繋がる。
 2013年に就任したフランシスコ法王は、アジアへの布教に積極的だ。16世紀に中国や日本などへの布教を進めたイエズス会の出身。ロシア正教会の総主教とも会談するなど、他宗教・他宗派との対話も進めてきた。中国訪問への意欲も公言している。中国が敵視するチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が14年にローマを訪問した際も面会しなかった。
https://www.asahi.com/articles/ASL2N6KN3L2NUHBI02L.html
元々、今の法王は、チベットを無視するような態度をとりつつけており、それは、支那と近づく上では非常に重要な意味を持つ。

残念ながら、この事がキリスト教的にどのような意味を持つか、までは僕の理解の及ばない部分があるが、キリスト教にとって、カトリック教会にとって、隣人とはロシアや支那であって、チベットや台湾ではないというのが、どうにも信じられない。

ただ、政治的な意味としてはこのニュースは大きいのだろう。支那の政策がバチカンのお墨付きを貰う、という事になりかねないのだから。




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コメント

  1. 木霊様。いつも私の勝手な申し出を引き受け記事にしていただき(それも迅速に)有り難うございます。何より私の改宗についてまで暖かい御言葉を頂き本当に感謝にたえません。
    貴兄の冷静で頭脳が切れるけれど優しさも忘れない心は、あるべき保守の理想だと思います。
    そして、御願いして間違いなかった。ご指摘は的を射抜いてりっしゃいます。
    実はもうシナや、シナの威を借りる朝鮮との戦いは、偽売春婦問題を越えて、我が国を侵略しつつあります。
    礼拝における平壌五輪讚美の押し付けや、教会での韓国人神父による洗脳は侵略であります。
    我が国においてはカトリック、プロテスタント、オーソドックスその他を含めても人口の3%未満ですので見過ごされます。
    でも、絡め手と考えると怖いものがあります。
    先ずはフィリピンはカトリック国です。プロテスタントが大半でも南朝鮮は30%がキリスト教およびキリスト教系カルト。
    ベトナムにもインドにも少数ながら降りまして、さらにニュージーランドにオーストラリアはキリスト教圏です。
    「シナに都合よいバチカン」
    「シナの為に歪めた教義」
    などは、シナが今後、太平洋を巡り自分の勢力圏を形成する時に武器になります。
    マイノリティであるが故に無関心な日本のキリスト教に朝鮮人を操縦して切り崩す。
    讃美歌やキャンドルサービス、バレンタインやクリスマス…とキリスト教は祖国に定着してなくてもイメージ戦力は強い。
    そこでシナ寄り、朝鮮人の為の自虐歴史観を刷り込むと、奴等には都合が良い!
    現にシールズを名乗る馬鹿者集団がおりましたが、奴等のバックボーンはプロテスタント系のミッションスクール。それも現実離れした脳内御花畑を教える学校です。設立者はかなり有名ですよ。そして南朝鮮人はプロテスタント系ですが、30%がクリスチャンで、反日牧師とか多いんですよ元々が。
    とうとう保守派であるカトリックにまで及んできたかと。かの
    礼拝で荒れてから考えていました。続く

    返信削除
  2. 実は文化戦争として考えると、そのイメージの強さに対して、一般日本人がキリスト教の教義に詳しくはない。そして人口が圧倒的に少ない!
    つまり半島からの牧師や神父の大量の押し付けのように、
    人と資本という「戦力」を一点集中して、日本という敵陣の中央突破しやすい分野なんですよ
    日本のキリスト教は!
    幸いに日本のアサヒなど反日マスゴミは、基本的に左翼思想なので、実は宗教に疎い。
    そしてマスゴミはかつてのオウムへの媚を観ても解るように、宗教に切り込む事を怖れる。
    それが故に、未だ報道されてない。ですが、こらがですね、先の孔子学院の蔓延。さらに半島カルトである統一教会が復活してきている事、さらに、カトリック、プロテスタントを問わず、司祭を半島が輸出攻勢を掛けている事。
    これを考えて欲しいです。
    今、マスゴミは宗教に関与するを恐れて引いている。
    しかし、シナの文化攻勢が優位になれば、日本人信徒が反日説教を拒否する事を「民族差別だ!」と摩り替え抗議してくるでしょう!必ず!
    聖書も読んだ事のない民進党だのアサヒだのの手下が、訳知り顔で「反日神父への隷属」を強制圧力かけてくる!
    それをシナや朝鮮人は虎視眈々と狙っているのです!
    クリスマスだけでなく、でも、こうしたファッションとして先行して、実際に人口が少ない宗教だからこそ、狙われたらアキレス腱で、この危機は日本人全体に関わります!
    今、そこにある危機なんです!
    幸いに木霊様のように
    スイス民間防衛を紐解いて、武器を持たざる侵略にまで言及する正しい保守がいる!
    だから!みんな木霊様が指摘してくれた事を考えて下さい!
    木霊様、有り難うございました。いつもいつも。
    木霊様は国士です。

    返信削除
  3. ♪ 蔦のからまるチャペルで祈りを捧げた日……
    古い歌ですけど、一度は聞いた事があるでしょう?
    このようにキリスト教てのはイメージ操作に使い易いんです。
    その割にカトリックとプロテスタントとオーソドックスの差とか実態を知らない方が多い。
    これね、実は先の半島司祭による反日説教洗脳の問題のように
    外部からは解りなくい。
    だから数と金を投入すれば、大多数が気づかないうちに、シナの新疆やチベットみたく制圧できるんですよ!
    ファッションだけキリスト教文明を受け入れてきてるから、
    「知った気になって」いて、でも内実が書き換えられても気がつかない!
    でも牛耳られた時に、日本というブランドがあり、
    「日本のクリスチャンも言うからさぁ」とアジア諸国や欧米のクリスチャン人口は思うかも知れません。そして彼らも日本の教会の実態なんか知らないから、易々とシナの遠隔操縦に乗せられてしまう。
    全くシナ人、侮れぬ連中ですよ。
    キリスト教と主とは、天皇陛下と同じで、例え軍事力や政治権力がなくとも敬われる存在。
    だから世俗権力の上に、その権威がある。日本で近代化が進んだ理由は、欧米と同じく、
    権力と権威の二分化が進んでいたからです。
    なので皇族がその名誉と権威を商売に利用したり為さらぬように、法王は俗世権力(シナ)に利益の為に教義を曲げてはならんのです!
    解る?
    天皇陛下が商売の為に、国を売ったら、どんなに悲しい?
    どんなに日本人として悲しい?
    フランシスコは我ら信徒に、そのような振る舞いをしてるんです。結構!
    信仰は捨てなくても良いよ!
    そう言ってくれた祖国の神々に私は帰依します。汎神論といいます。イスラムやキリスト教は邪悪たするが。彼らの文明って森を滅ばしてきてめすよね?
    日本は神社が森を護ってきた。
    多摩地域では神社や寺の湧水で茶が飲める。深大寺みたく。
    そういうしぜんを護ってきたのは祖国の知恵でしょ?
    木霊様には御配慮ある御言葉をかけて頂いて嬉しかったです。
    ですが、私は信仰より郷土や友や祖国を選びます。

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    1. さて、含蓄のあるコメントを頂き、どうお返事をしたものか悩みましたが、先ずは、この問題に触れる機会を頂けたことに、感謝したいと思います。

      山童さんのコメントが無ければ、素通りしてしまうところでした。

      支那の狡猾さが表れたニュースだとは思いますし、孔子学園の話にも通ずるものがありますが、彼らは思想的にも戦争を仕掛けてきていることを、改めて気がつかされた気がします。
      拙い文章を綴りましたが、少しでも伝われば、とそう考える次第。

      ありがとうございました。

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