日韓通貨スワップを熱望する韓国

麻生氏がいる限り無理だから。

韓銀総裁「韓日通貨スワップ再開へ努力」

記事入力 : 2018/05/07 08:30
 韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が約3年間中断状態にある韓日通貨交換(スワップ)について、「今後、再開のための話し合いが始まる可能性があると見ている」と4日、明らかにした。
韓国がうわごとのように繰り返す日韓通貨スワップの話だが、僕の感想は「またか」である。

さて、今さらだが改めて解説しておこう。
まず、日韓通貨スワップとは、日本の中央銀行である日本銀行又は日本の財務省と、韓国の中央銀行である韓国銀行の間で締結された「通貨スワップ協定」の事をさす。
簡単に言うと、「片方の国が金銭的に困ったら、他方の国が優先的にお金を貸すよ」という協定なのである。中央銀行間で結ぶ保険のようなものだね。
仕組み
で、本来は中央銀行同士で結ぶ協定で、互いの国の通貨を相互に融通し合う協定であり、本来であれば日本は円を韓国はウォンを融通する形になる。しかし、韓国は円よりもドルが欲しいので、日本の財務省が外為特会を利用した米ドルとウォンを融通し合うスワップ協定というのも過去には存在している。
こうした動きは、アジア通貨危機(1997年)を背景にして活発化して、チェンマイ・イニシアティブ(1999年に発案、2000年にASEAN+3各国の間で二国間通貨スワップ取極のネットワークの構築を合意、2003年には8カ国が参加する形に、2009年にはマルチ化された)が構築され、日韓の間でも個別に通貨スワップ協定が結ばれるに至った。

で、このブログでもその流れについて簡単にまとめているので紹介しておこう。最初にリンクを。
一応時系列で出来事を整理しておこう。
<日韓通貨スワップ協定>
  • 2005年5月 日韓通貨スワップ協定締結 30億ドル相当
  • 2008年12月 リーマンショックの影響を見て、限度額を200億ドル相当に引き上げ
  • 2010年10月 増額終了で30億ドル相当に戻る
  • 2010年6月 日韓通貨スワップ協定の3年間延長を決定
  • 2011年10月 欧州危機のため、引き出し限度額を30億ドルから700億ドル相当に引き上げ(時限措置)
  • 2012年10月 時限措置が終了し、30億ドル相当に戻る
  • 2013年7月 日韓通貨スワップ協定終了
<チェンマイ・イニシアチブ関連>
  • 2001年7月 日韓で上限20億ドルの一方通行スワップ取極を締結
  • 2006年2月 日韓で日本は100億ドル、韓国は50億ドルの双方向スワップ取極を締結
  • 2010年3月 チェンマイ・イニシアティブ・マルチが発行
  • 2011年4月 ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)発足
  • 2015年2月 チェンマイ・イニシアティブ下の日韓通貨スワップ協定終了
  • 2015年10月 AMROが国際機関化が決定
<ドル・自国通貨スワップ>
  • 2011年10月 財務省と韓国銀行間で締結された、米ドル・ウォンの通貨スワップ。限度額は300億ドルの時限措置的な協定
  • 2012年10月 通貨スワップ終了
現在、日本と韓国との間に存在するのは、チェンマイ・イニシアティブ・マルチの協定のみである。13カ国が参加するマルチ化協定によって、相互にお金を融通し合う形になっている。
チェンマイ・イニシアティブは、域内のある国が対外支払いに支障をきたすような流動性の困難に直面した際に、他国が通貨交換(スワップ)の形式により、外貨資金の短期的な融通を行うものです。集団的な金融支援体制として、為替相場の急激な変動を抑制し、為替・金融市場の安定を確保することを目的としています。
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/intl/g11.htm/
こうしたアジア地域での金融安定化を図る為の金融ネットワークのようなものである。
CMIM
この協定はIMFとリンクしているのだけれど、IMFとのリンク無しでも総額の20%が利用可能である。
つまり、韓国もこれを利用することは可能なのである。


じゃあ、何故、今なお日韓通貨スワップ協定に韓国が拘るのか?という点が疑問となる。

日本との通貨スワップ再開に向け努力 韓国中銀総裁が意向表明

記事入力 : 2018/05/06 18:39
【マニラ聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、金融危機時にドルなどを融通し合う韓日通貨交換(スワップ)の再開に向け努力すると表明した上で、今後このための協議が始まるとの見方を示した。4日の韓国、日本、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による財務相・中央銀行総裁会議後に報道陣に明らかにした。
ドル建てでお金を引き出したければ、チェンマイ・イニシアティブ・マルチを利用すれば良いと思うのだが、それだけでは足りないというのが韓国の実情なのであろう。
実は、チェンマイ・イニシアティブ・マルチは韓国にとって少々都合が悪い。何故か、とある韓国紙に凄い理由が書いてあった。
本来、危機の時に必要なのは現地通貨ではなく、基軸通貨のドルだ。アジア諸国の多者間通貨スワップ協力体のCMIMは私たちが困難な時、ドルを借りてくることができるが、反対に東南アジアが困難になれば、私たちがドルを貸さなければならないという点で両刃の剣だと分析した。
イ研究員は「CMIMはかえって危機伝染通路になりうる潜在的危険がある」として「直ちに問題はないが、このような事実を知っておく必要がある」と指摘した。
http://www.edaily.co.kr/news/NewsRead.edy?newsid=01446486609272160
これ、本気で言っているのか?という正気度を疑う話なのだが、これが新聞紙面で平気で書けてしまう辺りが凄い。
要約すると、「金は借りても貸したくない」「CMIMはかってリスクになる」というのだ。
驚くべき話。

最近の記事を引用しておくと、韓国はある程度のドルを保有していると発表している。

韓国、外貨準備高が過去最高に…3967億ドル

2018年04月04日11時09分
  韓国銀行(韓銀)が4日に発表した「2018年3月末の外貨準備高」によると、韓国の外貨準備高は3967億5000万ドルと、2月末に比べて19億5000万ドルが増え、過去最高になった。
  外貨資産の運用収益が増えたほか、米ドル安のため他通貨建て資産をドル換算した金額が増えたのが理由だ。
いや、十分に外貨準備高を持ってるよね?じゃあ、ドル必要無いじゃん。
……という話にならないのが、韓国の現状らしい。何故ならば、通貨危機の前にも似たような事を言っていたからだ。


この「外貨準備高」マジックは、一体どういう仕組みなのか?という話を少ししておこう。

これは、アメリカ財務省が公表しているデータで、韓国が保有している有価証券の額は以下の通りのようだ。
  1. 総額      :293,378 Milions dollars
  2. 米国債     : 92,532 (約920億ドル)
  3. エージェンシー債:44,734 (約454億ドル)
  4. その他     :35,151 (約360億ドル)
  5. 株式      :120,961 (約1,210億ドル)
で、5番は一般的には外貨準備高に含まれないので、合計1,734億ドルが韓国のドル建て資産の最大値ということになるようだね。
あれ?韓国発表の数字は3,967億ドルだっていうから数字が合わないよ?
実のところ、この他にも外貨準備高に含むことのできる民間企業・金融機関が保有する米ドル建て外貨の金額は1,000億ドル程度はあるとされているので、これを足しても足りないのである。

そして、この「数字が合わない」という部分を韓国政府は把握してはいるようだ。

韓国、米利上げ時に通貨危機の可能性…日米との通貨スワップ必要

2018年03月19日13時47分
  米国が利上げに踏み切る場合、ドル・ウォン為替相場が上昇してウォン安ドル高が進み、外国資本が韓国から流出することによって通貨危機が再来する可能性があるとの警告が出てきた。
  全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院(以下、韓経研)は18日、報告書「米国通貨政策正常化の影響と韓国の政策対応方向」を発刊し、この中で「米国が年内に利上げに踏み切った場合、第3の金融危機が発生する可能性がある。これを防ぐためには米国および日本との通貨スワップが必要だ」と明らかにした。
~~略~~
  韓経研は韓国が通貨危機に陥った場合、外貨保有額が約1200億ドル(約12兆7000億円)不足すると推算している。また、「国内居住者の資本流出と海外韓国法人の現地金融のうち短期償還分、市場安定化のための韓国銀行による外国為替市場介入分などを考慮すると、不足額はさらに増えるだろう」と分析した。

「こんなに外貨準備高が積み上がっている」とホルホルしている割には、外貨保有額は1,200億ドルもの不足があるというのだ。

これが韓国が日韓通貨スワップ協定を結びたがっている理由であり、本音では米韓通貨スワップ協定が欲しい。しかし、米韓通貨スワップ協定は2008年に結ばれて2010年に終了しており、その後、結ばれる気配は無い。アメリカ側が強く拒否をしているからである。
これは、リーマン・ショック(2008年頃)の引き金を引いたのが韓国だからという説明をされる事もあるが(概ね事実である)、アメリカにとって韓国は為替操作国に認定する程の悪質な国家であり、韓国は過去に米韓通貨スワップ協定を利用して為替操作をした疑いが強いので、「二度と結ぶか!」とお怒りなのだ。
よって、日韓通貨スワップ協定は、米韓通貨スワップ協定の代わりに「仕方なく結んでやろう」という話になっているのである。

これ、日本にとってみれば失礼な話なのである。
更にいえば、日本にとって韓国とのスワップ協定を結ぶことにメリットは無い。

先ほど紹介した記事にあるように、韓国としては日本から金を借りる一方で、日本に対して金を出す気は無い。そして、日本としても経済危機に陥ったときにウォンを貰っても意味が無い。大抵の場合は、日本が危機に陥っていれば韓国は更に酷いことになっていて、貰ったウォンは紙切れ同然という状態になる。

人によっては、「韓国経済が破綻しないことこそが日本にとってのメリット」なんだというが、この話のロジックは破綻している。何しろ、サムスンにしろLGにしろ、日本の家電業界を駆逐した張本人なのである。
技術のベースは日本から持ち出しておいて、お返しがこれ。そして、経済破綻しないように日本から資金を注入するってなったら、日本銀行は日本の企業を潰すために存在するのか!ってな話になる。
もちろんそんな単純な話だけでは無いのだけれど、金を出しても恨まれるのは、既に前回の経済危機の際にも体験していて、それが初めてというわけでも無い。

なんのために日韓通貨スワップ協定を結ぶのか?というのは、日本の国益を考慮した上で考え直すべきであり、麻生氏や安倍氏の答えは、「必要無い」というものだ。
日本のメディアが安倍政権を親の敵のように憎む理由の1つでもあるんだろうね。


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コメント

  1. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年5月8日 15:40

    ところが、過去に「日本側が締結を依頼してきた(頭を下げてきた)」「過去の金融危機は日本が原因」などと、ウソの説明で誤魔化してきたため、国民からは、日韓スワップ締結反対の声が上がる始末。
    ソース)レコードチャイナ「日韓通貨スワップ再開?韓国では反対の声多数」
    >2018年5月7日、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が日韓通貨スワップ再開の可能性に
    >言及したが、要請方式や金額などをめぐり韓国政府内からは反対の声も上がっている。
    (中略)
    >これを受け、韓国のネット上では「英国やドイツなど他の国もあるのになぜ日本?」といった
    >声をはじめ「まさか日本を信じるの?」「IMFの時に裏切られたのをもう忘れたの?」など
    >こちらも反対の声が多い。

    こちら側は、韓国とスワップ協定を結ぶメリットが全くない状態は、この記事通りなので、
    締結には反対です。ですから、向こうが反対してくれるのは、願ったり叶ったりですけどね。

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    1. 韓国は国内向けに特殊な情報発信をしていますから、仕方がありませんね。

      なお、日本のマスコミも他国を笑えない模様……。

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  2. 麻生さんが仰ってましたが、スワップの話をしたいならその前にやる事がある。
    日韓合意を無下にしておいて、約束もへったくれもないですよ。
    まずは日韓合意の履行をしてから物を言うべき。

    韓国は物を頼む態度というものも勉強しておくべきです。
    助けを請うのなら首を床に擦り付けてするべきです。踏ん反り返って語る言葉に聞く価値はありません。

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    1. 麻生氏の言う通りですな。
      「約束を守れない国と、どんな約束をしろというのか」という話でして。

      韓国式外交が破綻しつつある今日この頃、どうなっていくんでしょうな。

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