「GDP2%を軍事費に!」という軍靴の音を響かせる自民党

うんまあ、タイトルはホンのジョークなので気にしないで欲しい。

“多用途運用母艦導入を検討”自民が提言へ

5月25日 4時25分
中国が急速な軍拡を進める中、自民党は、南西諸島の防衛力を強化するため、空母の役割を担う「多用途運用母艦」の導入を検討するなどとした政府への提言案をまとめました。
ただ、似たような事を言う人は現実に存在するのかも知れない。

さて、自民党が「防衛計画の大綱」の為に提言を出したということらしいが、その内容がこれまでに無く踏み込んだ形だったのだ。なかなか興味深い事ではある。
多用途艦?
そもそも、多用途運用艦って一体何よ。

防衛大臣記者会見概要

平成30年4月27日(09時27分~09時40分)

~~略~~

Q:憲法と防衛力整備の関係について伺います。自民党の次期大綱の見直し案をめぐる提言に「多用途防衛型空母」の保有が盛り込まれたり、政府が射程500kmを超える長距離巡航ミサイルの導入を決めるなど、こうした防衛力の整備の検討は、これまで憲法との兼ね合いから政府が躊躇していた政策だと思われます。防衛大臣経験者からは、憲法が変わっていない中でこうした議論が行われたり、政策が変えられることについて、「隔世の感がある」と、「これまでの憲法の重みが安倍政権になって軽くなっているのではないか」という意見も出ていますが、こうした見方について大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
A:これまで、わが国は、憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないという基本理念に従い、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、実効性の高い防衛力を効率的に整備してきております。年末に向けて進めている防衛計画の大綱の見直しにあたっても、このような専守防衛をはじめとする、これまでの防衛力整備に関する基本方針はいささかも揺らぐことはないと思います。その上で、例えば、スタンド・オフ・ミサイルについて申し上げれば、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、諸外国の航空能力の進展が著しい中、わが国の防衛に当たる自衛隊員が相手の脅威の圏外から対処できるようにすることで、自衛隊員の安全を確保しつつ、わが国を有効に防衛するために導入するものであり、「専守防衛」の下、国民の生命・財産、わが国の領土、領海、領空を守り抜くため、自衛隊の装備の質的向上を図るものと考えております。また、自民党内で議論されております、例えば「多用途防衛型空母」など、私どもとしては、攻撃型空母を含め、性能上、専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられるいわゆる「攻撃的兵器」を保有することは、いかなる場合にも許されないという従来の政府の見解は、今後とも、いささかの変更もないということであります。
ちょっと前の記者会見で、防衛大臣が何か説明していたような気がする。
小野寺氏の答弁としては、「議論はした」「でも、攻撃型はNG」だということらしいな。

ただ、この際に既にこの「自民党の次期大綱の見直し案」というワードが出ていた。この記者会見が行われたのは4月27日である。
では、ソレはどんなものなのか?

新防衛大綱概念に「多次元横断防衛」 自民安保調査会が提言へ

2018.3.20 01:34
 自民党は19日、政府が年末に策定する新たな防衛大綱の基本概念に「多次元横断防衛構想」の実現を掲げるよう提言する方針を決めた。陸海空3自衛隊の一体的な運用の強化に加え、サイバーや宇宙といった新たな防衛分野の対処力向上を打ち出す。複数の関係者が明らかにした。20日の党安全保障調査会の会合で示す防衛大綱の骨子案に明記し、取りまとめを図る。
3月20日にはどうやら発表されたらしいという記事を見かけた。

防衛大綱、自民骨子案 「多用途防衛型空母」を提言(産経新聞)

2018.03.21
 ■新造や「いずも」型の改修念頭
 自民党の安全保障調査会(会長=中谷元・元防衛相)は20日の会合で、政府が年末に策定する次期「防衛計画の大綱」に向けた提言の骨子案をまとめた。島嶼(とうしょ)防衛への投入を想定した「多用途防衛型空母」を導入する構想や、空母での運用を念頭に、短距離の滑走で離陸して垂直着陸できるF35B最新鋭ステルス戦闘機の取得を盛り込んだ。
……やっぱり。多分自民党のサイトにも何処かにあるんだろうけれど、原文は探せなかったので、ニュースレベルでこの話を追いかけていくことにする。

で、一つ気になったニュースがコレ。

「いずも」空母化へ

2018年4月29日(日)
 防衛省は26日、海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦「いずも」を改修し最新鋭のステルス戦闘機F35Bの運用を可能にすることを視野に入れ、2017年に同艦の建造業者の「ジャパン・マリンユナイテッド(JMU)」に委託した調査・研究結果と関連資料を公表しました。資料は、「米軍の後方支援」を目的に19年度の改修工事実施を目標とすると明記。憲法違反の「攻撃型空母」の保有に向け、安倍政権が本格的な検討を行っている実態が明らかになりました。
……ん?攻撃型空母なるものが、憲法違反だって?んなこと何処かに書いてあったっけ??
DDH-183
いずもの改修に関しては、何度かニュースがあったと思う。
何度もこのニュースは出ていたが、結果的には「護衛型」という名前で空母を手に入れる方向で舵を切っているというのが事実なのだろう。

ただ、自民党は「空母」という言葉を嫌ったようで「母艦」という言葉がニュースでは使われている。尤も、F-35Bを購入する話になれば、「母艦」だろうが「空母」だろうが、言葉の差でしか無い。

このニュースでは、総合的に考えると、「GDP2%」やら「空母」やらといったこれまで「タブー視」されてきた事柄や兵器の話まで出して自民党内で議論しているけれど、政府としては「攻撃型の兵器」は従来通り想定しない、と、そういう話だろう。

スタンスとしては、厳しさを増す国際情勢の中で「厳しい意見も出てきたよ」という、それだけのショボイは無しだったのである。



しかし、空母の話はそれ程たいした話では無い。
 また、弾道ミサイルだけでなく、巡航ミサイルや無人機など、あらゆる空からの脅威に対応できる「統合防空・ミサイル防衛(IAMD)」態勢の構築を掲げた。敵ミサイルの発射元をたたく「敵基地反撃能力」の保有検討も盛り込んだ。
敵基地反撃能力などという意味不明な言葉も出ているが、平和ボケだなーと、そう感じる。

もう一つ、NHKのニュースで面白い表現があった。
提言案は、中国について「国防費が30年間でおよそ51倍に急増し、国産空母の開発や最新型潜水艦の増強など、軍備の拡張が不透明な形で進められている」として、「安全保障上の懸念となっている」と指摘しています。
そのうえで、中国が南西諸島から台湾、フィリピンにかけてのラインを「第1列島線」と呼んでいることを念頭に、「列島線防衛」のための防空任務や災害時の救援活動の拠点として、空母の役割を担う「多用途運用母艦」の導入を検討するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180525/k10011451521000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_010
支那は積極的に認めていない様だが、NHKは「第1列島線」という言葉を認めたようである。

そうそう、2%の話なのだが……。
また、提言には、防衛費について、NATO=北大西洋条約機構がGDP=国内総生産の2%を目標としていることも参考に十分な予算を確保することや、AI=人工知能など先進技術の導入を進めることも盛り込まれています。
GDPの2%を目標に防衛費を高めようという話が出ている。

現在の自主規制がGDP1%枠という意味不明な金額上限設定なのだが、現実を見るとこれは明らかに足りない。
予算
これが平成28年の予算なのだが、防衛費の中で一番ウェイトが重いのが人件費で2兆1473億円であった。残り2兆7135億円は物件費に分類されている。率にして44%程度が人件費なのだ。
加えて、維持費などが物品費2兆7135億円のうち維持費が1兆1656億円。人件費や維持費を合算すると、総予算の内の7割弱が人件費や維持費なのだ。
一方の研究開発費は1211億円で、全体の2.4%しかない。



産経新聞でもこんな自民党の議員の言葉が紹介されていた。

防衛費「対GDP比2%」 F35Bなど高額装備で周辺国の脅威対応

5月25日(金)5時3分
 防衛大綱への自民党提言には、1機100億円以上とされるF35Bや、多用途運用母艦など多くの高額装備品が並び、防衛費の目標を「国内総生産(GDP)比2%」と明記した。現在の防衛費は約5兆円で、GDP比は1%水準で推移している。2%となれば10兆円規模となり、党国防幹部会では「現実的ではない」との慎重論も出たが、最終的に周辺の安全保障情勢の厳しさを考慮した。
何が凄いかって、自民党の国防幹部会の中でも「現実的では無い」という慎重論が出るほどのお花畑さ加減だ。自民党も大したことねーな。

アメリカから高額兵器を購入するのは、仕方が無い部分がある。
だが、見方を変えればアメリカが巨額の開発費を投入して高機能な兵器を作って、それを殆ど開発費をかけない日本が買わせて頂いているのである。

随分皮肉な話では無いか。日本がアメリカ軍の開発費の一部を負担しているような恰好にもなっているのだ。

そして、兵器の開発は「悪」だとされ、この手の議論が「まともにされている」様子は見受けられない。

京都大学における軍事研究に関する基本方針

本学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、研究の自由と自主を基礎に高い倫理性を備えた研究活動により、世界に卓越した知の創造を行うことを基本理念に掲げています。
 本学において研究に従事する全ての者は、この基本理念のもと、主体的判断により行う研究活動とその成果が将来に亘り地球社会に与え得る影響を自覚しながら、高次の専門的能力と総合的視野をもって社会からの信頼と負託に応えてゆくことが求められます。
 このことから、本学における研究活動は、社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献することを目的とするものであり、それらを脅かすことに繋がる軍事研究は、これを行わないこととします。
 なお、個別の事案について判断が必要な場合は、総長が設置する常置の委員会において審議することとします。
アカの総本山になっている京都大学だが、こんな寝ぼけたことを言っている。
しかしこれは「学問の自由」を定めた憲法23条に違反する話だ。憲法9条を守れと言う人々がこんなことを行っているのだから、ダブスタも甚だしい。
まあ、学校の方針としてやらないというのは、学校の特色を出すという意味では正しく、許容されるべき話なのかもしれない。

大学・研究機関の4割超、軍事研究に指針 日本学術会議

2018年4月3日14時59分
 国内の科学者の代表機関である日本学術会議は3日、全国135の大学、研究機関のうち、4割超で軍事研究に関する指針があるという調査結果を公表した。昨年3月に軍事研究を否定する新声明を出して以来初めて、全国の大学の対応をまとめた。
だが、日本学術会議が圧力を掛けて軍事研究を止めさせるような事は、まさに思想信条の自由を阻害する行為であり、日本学術会議のトップである山極壽一氏は京都大学の総長でもある。どういう構図になっているのかは、想像の域を出ない話ではあるが……。

しかし、兵器開発や軍事研究の全てが悪い、と言う話をゴリラの研究家に言われても(日本学術会議のトップのことである)、というのが、正直な僕の感想だ。
民間転用出来る部分があるのは周知の話であるし、学術研究こそ多角的な視点からやられるべきなのではないか。

そんな訳で、GDP2%という数字ばかりが一人歩きするのも、おかしな話であると、僕は指摘したい。

空母だろうが母艦だろうが何でも良いが、必要であるかどうかと言う議論すらまともにされていないような状況を鑑みると、頭が痛い話である。

何しろ、野党はこんな状況である。

立民・枝野幸男代表が巡航ミサイル導入は「過剰」と主張 通常国会で追及へ

2017.12.16 15:40
 立憲民主党の枝野幸男代表は16日、長距離巡航ミサイルの導入関連費用を2018年度予算案に計上する政府の方針に関し、来年の通常国会で争点化し、追及する考えを示した。

立憲・枝野氏「隠蔽なら防衛省・自衛隊幹部総取っ替え」

2018年4月7日20時57分
~~略~~
 政治案件をシビリアンコントロールに反して、隠蔽していたら困る。そうであれば、防衛省も自衛隊も、警察庁や海上保安庁から人を呼んで、幹部を総取っ替えしなければならない。

宮古島への陸自配備に「疑問」 立憲民主党タウンミーティング

5/27(日) 12:18配信
 立憲民主党の枝野幸男代表が市民と意見を交わすタウンミーティングが26日午後、JAおきなわ宮古地区本部ホールで開かれた。
~~略~~
 対話は市民との一問一答で行われた。宮古島での陸自配備については「抑止力と監視」の必要性を指摘しながらも「あまり大きな防衛力は攻撃のターゲットとしてリスクが高まる。あくまでも専守防衛のためであることを周辺には伝えなければならない」とし、「そのメッセージが伝わっていないのではないか。今のやり方には疑問があるというのが現段階での私の考えとしてある」と述べた。
枝野氏をピックアップしてみたが、内容について言及するつもりは無い。
読んで頂ければその荒唐無稽さを理解できるだろう。

いや、議論してくれよ、せめて。
国防費に幾らかかると言う話も、開発費にあれっぽっちしか割けないという事情も、外国からの脅威にどのように対処すべきかという話も、一切触れずにモリカケモリカケである。
野党議員は全員廃業してそば屋にでもなればいい。

国民・玉木氏「おいしいうどん、出せる政党に」

2018年5月27日15時36分
対決だけではなくて解決を示していける政党にしていきたい。隣のラーメン屋がまずいまずい、隣のうどん屋がまずいまずいと言っても、自分たちがよりおいしいうどんを出さなければ、よりおいしいラーメンを出さなければ、客は来てくれません。
失礼、うどん屋の模様。



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