北朝鮮がGSOMIAの破棄を要求

え?北朝鮮が?何で?

北朝鮮メディア 韓日軍事情報協定の破棄要求

2018/05/29 18:00
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の複数の対外向けメディアが29日、韓国と日本の両政府が両国間で軍事情報を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を要求した。
先ずは、GSOMIAって何?と言う話。
日韓で結ばれたGSOMIAは日韓秘密軍事情報保護協定という風な名前が付いていて、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)とは名前がちょっと違うのだが、中身は一緒だ。
日本と韓国との間で秘密軍事情報を提供しあう際に、第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定である。
このブログでも締結されたときに、その事を紹介した。

日韓GSOMIAの意義がどこにあるかと言えば、日本にとってはアメリカ軍が喜ぶから、と言う程度の話に過ぎない。重要な情報はアメリカから得られるし、韓国側から来る情報の殆どは役に立たないからである。
一方のアメリカ軍にしてみれば、アメリカの同盟国という立場である日本と韓国(日本と韓国との間には軍事同盟は存在しない)がお互いにGSOMIAを結んでいないと、意思疎通のレベルに問題があるので作戦がやりにくい。日米韓での共同作戦をやるなんて事になった場合に、日韓がお互いに持っている情報を摺り合わせてくれないと、都合が悪いのだ。
このことに言及している記事があったので少し紹介しておく。

日韓GSOMIAに欠けている3つのポイントを韓国メディアが指摘=ネットは「国防部も親日だからどうしようもない」「次の政権で白紙化して」

配信日時:2016年11月29日(火) 8時10分
~~略~~
一つ目は、2014年12月に結ばれた「日米韓情報共有約定」で、「韓―米―日」または「日―米―韓」と必ず米国を介し軍事情報を共有するとされたにもかかわらず、GSOMIAでは日韓の直接共有が決められていることだ。韓国国防部は14年当時「米国と異なり日本は韓国の同盟国ではないため日本と直接取引するのは危険だ」と説明していた。しかし2年後、「米国を経由すると日本との迅速な情報交換が難しくなる」と立場を180度変えた。
ポイントが3つ紹介されているが、他の2つは的ハズレなので引用しない。

しかしまあ、この話はちょっと前までの話だったので、在韓米軍が撤退しようとしている現状では、日韓CSOMIAの存在意義は薄れているのかも知れないんだけどね。

ところが、北朝鮮がこの協定を破棄しろと言ってきたのである。
デブと一緒に
はめ込み合成みたいな写真だな……。

まあいいや、北朝鮮側の主張はこうだ。
 朝鮮中央通信はこの日、「言葉より実践が先立たねばならない」と題した論評で、4月27日の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」の履行過程にさまざまな「障害物」があるとし、「南朝鮮(韓国)当局は売国協定、戦争協定(GSOMIA)廃棄の勇断で板門店宣言履行の意志を見せねばならない」と主張した。
 北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会のウェブサイト「わが民族同士」もこの日、「(日本は)過去の罪悪に対し補償はおろか謝罪の一言もなく、独島強奪の野望を堂々と示している。北南(南北)和解の流れに口出しばかりする日本反動(勢力)との売国的な協定をまだ維持していること自体が、民族の恥と言わざるを得ない」と協定の破棄を迫った。
日本の野党のように北朝鮮が言っている事は意味不明だが、日韓GSOMIAの廃棄を求めるにはそれなりの理由があるだろう。

北朝鮮の要求は他にこんなものがある。

女性従業員らの送還、対話の「先決条件」…北朝鮮が韓国に圧力

2018年05月30日
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、中国の北朝鮮レストランから脱出し韓国に亡命した女性従業員12人を送還するよう韓国側に強く求める論評を配信した。

北朝鮮紙「会談望むなら韓米演習中止すべき」 米国に要求

2018年5月29日 11時25分
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は29日の論評で、米国が会談を望むなら韓米合同軍事演習を中止すべきだと促した。
手当たり次第に要求を出しているように見えるが、どうやら一貫性があるようだ。



これらの主張を整理していくと、北朝鮮側の要求は、南北の和平協定締結に向けて動いているのだから、その阻害要因になり得るものは全て排除して欲しいという事になろう。
 同紙は「朝米(米朝)が懸案を解決しようとする意志を抱いて対話に向かっているときに米国は南朝鮮(韓国)と合同軍事演習をあえて行う必要があるのか」と主張した。「交戦中の双方が交渉を宣布した場合は軍事行動を自制するのが国際的慣例だ」とした上で、米国が核戦略資産を動員して韓米合同軍事演習を行えば「全てが振り出しに戻る」と威嚇した。
 朝米は現在、首脳会談の開催を目指して議題を調整している最中で、こうした主張は韓米軍事演習の中止を会談の正式議題に盛り込むための布石とも受け止められる。
米韓軍事演習などは、明らかに朝鮮戦争を念頭に置いたものであるから、北朝鮮の立場からすれば一刻も早く止めて欲しいと願う気持ちは分かる。

しかし、この話が南北首脳会談の中で提案されたという点を鑑みれば、どれもこれも韓国向けの要求なのだ。
米朝首脳会談で「蚊帳の外」状態になっている韓国に何を要求しているのやら、という気がするが、これは案外的を射た作戦といえるかも知れない。

上の総合ニュースの分析の中でこんな文章があった。
 来月1日の南北閣僚級会談を皮切りに南北間の分野別会談が急ピッチで進むと予想される中、北朝鮮は中国内の北朝鮮レストランから脱出して韓国入りした女性従業員の送還や韓米合同軍事演習の中止を要求。さらに、GSOMIAを持ち出して韓国世論の攻勢に乗り出したものとみられる。
「中国内の北朝鮮レストランから脱出して韓国入りした女性従業員の送還」「韓米合同軍事演習の中止」「GSOMIAの廃棄」は、韓国世論にとっては何れもハードルが低いと思われるからだ。
在韓米軍撤退は流石に韓国としても世論を盛り上げるには色々とハードルが高いと思うが、例えば女性従業員の送還に関して言えば、「当然やられるべき」という理解になるだろう。

一応、この女性従業員の送還に関する話を整理しておこう。

北朝鮮、集団脱北女性ら13人の送還求める 韓国

2016年8月21日 17:57 発信地:ソウル/韓国
北朝鮮が中国で運営するレストランから今年4月に従業員ら13人が韓国へ集団亡命した事件で、北朝鮮政府は21日、13人の送還を韓国政府に要求した。
 韓国の統一省は脱北した女性従業員12人と男性店長について前週、情報機関による事情聴取が終了したため釈放したと発表しているが、この発表後に北朝鮮が反応したのは初めて。北朝鮮側は、13人は亡命したのではなく韓国の情報機関「国家情報院(NIS)」に拉致されたと主張している。

この集団脱北した女性従業員達の話は、2016年4月7日頃に発生した事件で、北朝鮮が支那で運営するレストランから女性従業員達12名と支配人1名が脱北して2日後には韓国入りしていた事件。
女性従業員
この話が今再び韓国国内で議論を呼んでいる。
元々、この事件が朴槿恵政権の総選挙の投票日の5日前だったという事実や、事件当初から国情院の動きが指摘されていたのだが、ここに来て韓国の検察が動き出したのである。

女性従業員の集団脱北は韓国情報機関が強制か ソウル地検が捜査

2018/05/15 11:18
【ソウル聯合ニュース】韓国情報機関の国家情報院(国情院)が朴槿恵(パク・クネ)政権時代に海外の北朝鮮レストランで働く女性従業員を強制的に集団脱北させたとする疑惑に対し、検察が捜査に乗り出した。
~~略~~
 だが、それから2年余りを経た今月10日、韓国の放送局JTBCは女性従業員と共に脱北したレストランの男性支配人、ホ・ガンイルさんのインタビューを放映。ホさんは、当初は妻と2人で脱北しようとしたが、国情院の職員から従業員を全員連れて脱出するよう指示を受け、従業員たちを脅して脱北したと主張し、波紋が広がっている。


当初から、おかしな点が指摘されていた事件ではあるし、この女性従業員達が何故か全員韓国の大学に入学するなど、意味不明な事態を迎えていたが、なかなかのタイミングだとは思わないか?
事と次第によっては、韓国の国情院による拉致事件だという風にもとられかねない事態に発展しつつあるのだ。韓国世論がどう動くかは、容易に想像が付くだろう。

次に、米韓軍事演習についてだが、これもアメリカ側の本音としては止めても良いというのが本音だろう。韓国世論はあまりこれについて肯定的では無いようだが。

米司令官「外交を優先」=演習規模縮小、発言控える-対北朝鮮

2018/03/06-17:46
 米太平洋艦隊のスウィフト司令官は6日、東京都内で記者団と会見し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応について「米国が追求し続けている優先的選択肢は外交的なものだ」と改めて表明した。
先の報道では米韓合同軍事演習はかなり規模が縮小されたような話だった。

米韓、合同軍事訓練を開始 規模は事実上縮小か

2018/4/1 9:35
【ソウル=共同】米韓両軍は1日、平昌冬季五輪・パラリンピックのため延期していた定例の合同野外機動訓練「フォールイーグル」を始めた。韓国国防省は「規模や内容は例年と同水準」としているが、期間が昨年の半分程度の約1カ月に短縮されたほか、原子力空母の派遣が見送られるなど事実上の縮小との見方が強い。
この「縮小」の意味について、須田のおじきが解説していたので、そちらも紹介しておきたい。

米韓合同演習が規模縮小した本当の理由とは?

2018/04/02 14:00
昨日から始まった恒例の米韓合同演習。期間が去年の半分となり、原子力空母の派遣も見送られたことから、南北首脳会談や米朝首脳会談を前に、北朝鮮に配慮して縮小したものと見られている。
記事の中で、アメリカ軍の合同軍事演習の狙いについて触れられている。
  • 北朝鮮を挑発すること
  • 北朝鮮の情報を引き出すこと
これが須田氏が指摘する合同軍事演習の狙いで、これがほぼ達成されているから規模を縮小したと。
今後はもっと金がかからない方向にしたいというのはトランプ氏も願うところであり、朝鮮半島から米軍が撤退するのであれば、意義も失われていくことになる。案外、米韓軍事同盟も解消の方向に進みかねないしね。

で、最後にGSOMIAなのだが、これは以前から説明するように韓国国内でも非常に評判が悪い。
引用した記事にもその事は指摘されていて、……やっぱり引用しておこう。
二つ目は、日本による北朝鮮情報が韓国にどこまで有用なのかという疑問。韓国側は現在、米韓連合司令部が把握する北朝鮮の動向を事実上リアルタイムで得ている。今年、北朝鮮の弾道ミサイルが排他的経済水域内に侵攻したにもかかわらず発射の兆候をつかめなかったような日本の情報は、円滑な韓米同盟を背景にすれば不要との指摘だ。
そして最後は、GSOMIAについて韓国国民の半数以上が時期尚早として反対していることだ。韓民求(ハン・ミング)国防部長官は10月初め、国会で「まだ条件が整っていない」などと述べていたもののわずか3週間ほどで日本との交渉再開を宣言した。その後の交渉や署名が非公開で進められたことも批判を強める要因となっている。
的ハズレと書いたが、これが韓国政府の本音でもあるのだろう。

日本からの情報を有効に使うなんて事になれば、韓国政府としても保たないのである。プロパガンダでガンガンと反日姿勢を高めているのだから、ハッキリ言ってアメリカから無理矢理押し付けられたという体で無ければ続けられないというのが本音だろうと思う。
記事は最後に、GSOMIAの有効期間が1年で双方に異議がなければ自動延長されると説明、「1年後に国民が声をそろえてGSOMIAを支持できるだろうか」と疑問を呈した。
今のところ、1回は自動延長を使っていることになるのだけれど、今年の延長は或いは無くなるかも知れないね。
北朝鮮は実質的に機能するかどうかも分からないGSOMIAを潰すことそのものよりも、韓国国内の世論を高めることで、朝鮮半島の統一という方向に誘導したいのだろう。
韓国は情治国家と揶揄されるほど、世論に動かされやすい。政府も、裁判所も、である。特に、ムン君はロウソクデモの結果大統領になったような人物なので、特に世論には敏感である。自分たちに有利な方向に世論を高めておけば、いざ、平和条約締結という流れになった後に色々とやりやすくなるはずだ。

韓国人の8割近くが北朝鮮の金正恩委員長を信頼-世論調査

2018年5月2日 15:58 JST
1回の首脳会談で、一つの国についての認識が激変した。
  今週発表されたコリア・リサーチ・センターの世論調査結果によれば、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による4月27日の南北首脳会談を受け、金委員長を信頼するとの韓国人回答者の割合は78%に達した。ギャラップ・コリアが1カ月半前に実施した調査では、金委員長を肯定的に考える韓国人の回答者の割合は10%にとどまっていた。

こんな驚きのニュースも出ていたが、まんまとやられているといっても過言ではない。

日本国内もこんな空気が出ているが、しかし金正恩氏といえば、実の兄を外国で毒殺するわ、高官を高射砲でバラバラに下あとで犬に喰わせるわ、と、とんでもないヒトデナシである。

火炎放射器、毒殺、犬の餌にされる…金正恩の無慈悲な処刑法=米メディア

2017年09月25日 22時13分
 冷酷非情で知られる金正恩・北朝鮮労働党委員長は政敵、反逆者、気に入らない高官を続々と処刑してきた。たとえ相手が親戚であっても例外ではない。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)や異母兄の金正男の殺害は世界中に大きな衝撃を与えた。その残虐さから、脱北者は「金正恩」を耳にする瞬間体が震えあがり、「非常に恐ろしい人だ」と口を揃える。米フォックスニュースは24日、金委員長が「好む」処刑法をまとめた。
こんな人物の何を信用するというのか?



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