外国人の国民健康保険不正加入と制度設計について

この手の話は、このブログでも何度かやったんだよね。

外国人の不正加入を調査=国保適正化へ実態把握-厚労省

2018/06/10-07:29
厚生労働省は、在留資格のない外国人が不正に国民健康保険(国保)に加入していないか調査する方針を固めた。今年1月以降に不正が疑われた事例や、全国の市区町村と地方入国管理局が連携して不正を防いだ事例などを把握。今秋をめどに調査結果をまとめ、国保の適正運営につなげる。
そもそも、コレ、名前と実情が合ってないんだよ。
「国民健康保険」でしょう?国民じゃ無い人に適用してどうするつもりなのか。

注:「国民」とは国籍法2条~4条にて、日本の国籍を有するものというふうに定められている。

このブログで国民健康保険の話題に触れた記事としては、以下のようなものがある。
他にも言及しているんだけど、とにかく酷い。
kokuho
で、この国民健康保険制度なのだが……、制度設計そのものに甘さがあったのは事実だが、より一層状況が悪化したのは民主党政権時代であった。いや、あったというと事実みたいなので、より厳密に言えば「そんな噂があった」という程度の話なのだが。
民主党政権時代、小宮山氏が厚生労働相をやっているタイミングで出されたのがこの省令。
しかし、この省令自体は、住民基本台帳法の一部を改正する法律、法律第77号(平成21年7月15日)による法的整合性を正す目的で出されたものなので、ただちに「戦犯小宮山」といえるかと言えば疑問符が付く。先の法改正の趣旨や、その条文を読まなければ、事実関係がハッキリしないからだ。

では、その2つを見てみよう。
住基法の改正平成21年法律第77号では、外国人住民を住民基本台帳の対象にするというもので、基本的には外国人住民の増進及び市町村等の行政の合理化を目的としている。
では、もう一つの改正、入管特例の改正平成21年法律第79号の方はどうだろう?
この法改正では、中長期在留者に対して在留カードを交付しようという狙いでその旨が追加されている。
この、麻生政権下での改正では特に問題が生じなかった。実は法務省がこの改正の後に改正の結果の検証をしていてそのリンクが下の概要の方だ。残念ながら検証された結果に国保の問題は触れられていない。

つまり、これらの法改正によって国民健康保険に影響があるかどうかは、法改正時には検討された形跡が無く、検証した結果にも射程圏外だと、その様に理解されているのである。
こちらのサイトでは、「戦犯麻生」と声高に叫んでいるが、しかし、それは違う。
実は、国民健康保険法の立て付けに問題があるのだ。
<国民健康保険法>
(被保険者)
第五条 都道府県の区域内に住所を有する者は、当該都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者とする。
(適用除外)
第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「都道府県等が行う国民健康保険」という。)の被保険者としない。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者を除く。
~~2号~10号を略~~
十一 その他特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの
おわかりだろうか?
確かに、国民健康保険法の定めによれば、「被保険者は都道府県内に住所を有するもの」という規定があるのだが、その適用除外を定める権限は厚生労働省にあり、省令でこれを除外できる規定になっている。

しかし、この改正に派生して小宮山大臣は外国人にも便宜を図ろうとして省令を発した。
となると、やっぱり戦犯は小宮山氏だという事になろう。

無論、法改正を行った麻生内閣に問題が無かったと言う話にはならないが。

ただ、ここではこの省令通達について民主党政権が悪いとか、そういう話をしたいわけでは無い。
例えばこちらの記事をご覧戴きたい。

ローラさんの父親また逮捕 デング熱装い海外療養費99万円詐取容疑

2014.10.23 12:01
 バングラデシュでデング熱で入院したと偽り、海外療養費をだまし取ったとして、警視庁組織犯罪対策1課は詐欺容疑で、タレントのローラさんの父親で東京都江東区住吉、職業不詳、ジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者(54)を逮捕した。同課によると、「デング熱で入院したのは間違いない」と容疑を否認している。
 ジュリップ容疑者は別の海外療養費の詐取容疑で7月に逮捕され、8月に処分保留で釈放されていた。
 逮捕容疑は平成19年4月、デング熱でバングラデシュ国内の病院に入院したとする虚偽の申請書を多摩市役所に提出し、8月に海外療養費約99万円をだまし取ったとしている。

これは少し古い記事だが、タレントのローラの父親が詐欺容疑で逮捕されたニュースである。
この記事に出てくる「海外療養費」というのは、国民健康保険の制度の一環だ。
本来は、日本国民が海外で病気にかかった際に、真正により一部医療費の払い戻しを受けられる制度なのだが、この制度を悪用して多額の現金を取得したのである。
 ジュリップ被告は、現地でデング熱の治療を受けたなどという虚偽の書類を提出し、平成19年6月~24年7月に海外療養費や保険金計約167万円を詐取したとして起訴された。
犯行は2007年頃から行われているので、先出の法改正は無関係な話だ。

また、民主党政権時代にやられた省令の話は、外国人に悪用させる事を狙ったものでは無かったと思うが、結果的には多額の国富を海外に流出させる結果に繋がった。

つまり、外国人が国民健康保険に「不正加入している」という実態が問題なのでは無く、そもそもの国民健康保険の制度設計が時代に合っていないのだ。
少なくとも「国民を助ける」という目的には合致していない。

多分、このブログに度々コメントを戴いている河太郎さんなどは、現場でそうした内情を見る機会があったのだと思うが、僕自身も娘の事で病院の医師と話をする機会が多少なりともあり、問題意識を抱えている方を何人も知っている。
高額医療費負担に関連するお仕事をされている方は、特にその想いが強い様だ。



日本国憲法の問題が「時代に合っていない」と取り沙汰されているが、実は、人々の暮らしを守る民法からして設計が古い。
相続に関する規定や成人年齢などに関する規定などの法改正も、今国会では出されているようだが、これだって40年ぶりの民法改正によってようやく実現する話なのだ。

相続見直し民法改正案 今国会成立へ、受動喫煙対策法案も

2018/6/20 20:00
相続分野の規定を約40年ぶりに見直す民法改正案など関連法案や受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が今国会で成立する見通しになった。
この記事に出てくる受動喫煙対策に関する健康増進法改正案の審議では、自民党員のヤジが問題になったとニュースになっているようだが、個人的には受動喫煙対策なんか割とどうでも良い法改正だと思っていて、それよりもやらねばならない法律のメンテナンスが山ほどあるのである。

相続関係の法律に関しても、夫婦間の相続が手厚くなる一方で、「多様に変化する家族のあり方を尊重」などという変な異論も出ているようだが、審議されるだけマシかもしれない。

にもかかわらず、1年半もモリカケ騒ぎを続けて、未だ続けようとしている国会議員に嫌気がさす。一体何をやっているのか、という話。
それだったら、まだ特別委員会を作って、そこでモリカケ騒ぎを続けて頂き、通常の国会では一切その話を持ち出さない、という方がマシだ。本当ならば、そんな事も必要性を感じないのだが……。



国民健康保険の話に戻すが、そもそも健康保険証に顔写真が不要という辺りが問題なのである。
hoken
こんなカード、偽造し放題だし、そもそも使い回しをしたところで、それが使い回しなのかどうかハッキリしないという重大な問題を抱えている。

マイナンバーカードを保険証に=20年度、取得者拡大も狙い-厚労省

2018/04/20-16:47
 厚生労働省は2020年度から、マイナンバーカードを健康保険証の代わりとして使えるようにする。医療機関や薬局の窓口でカード裏面のICチップに内蔵されている電子証明書を専用機器で読み取って本人の保険証の情報を確認する。
マイナンバーカードを使おうという話も出ていて、今後その話は多少改善される可能性はある。
マイナンバー
顔写真が入るし、マイナンバーは住基ネットのデータと連動するからである。面倒だからついでにここに診察券の情報とお薬手帳の情報を紐付けて欲しいのだけれど、やらないのかねぇ、そういう事は。

ただ、マイナンバーも結局住民票準拠という事なので、上に紹介したような外国人に対する健康保険の悪用という問題を解消するには至らないだろう。
国民健康保険の存続が危ぶまれている中で、こんな制度設計のままで続けられている事そのものや、日本の社会保障制度のあり方が、もう一度問われる事になろう。



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コメント

  1. この話題ですが洒落にならんです。本当に。
    私は数年前から病院勤務やめて
    マッサージ屋店長してました。
    で、経験も積んだので手術の為に退職して、今は体を鍛えながら看護師バイトしとるんです。

    で、ですね。パートしてる古巣の病院は、まぁ社会福祉系で医療法人でない。
    職員もNPOぽかったり左翼ぽかったりする。
    それが頭抱えてるもんね!
    いるんですよ63歳で「留学生・専門学校生」て学生証持ってきて高額治療を受けて、その医療報酬を踏み倒して中国に逃げ帰る63歳専門学校生とか!!

    私自身、高額治療で保険に世話になってます。ハイテク医療を
    安くしてもらい、つくづく日本はマトモな国と思う。
    で、木霊様の仰るように、とにかく制度が現状に応じてない。
    犯人探しよりも、変更が大事。

    特に中国が日本の10倍の人口ある国なのを忘れてはいけない。
    共産党だけで9000万人いる。
    つまりドイツの総人口より、1000万人多い。
    その人達にとって、日本の医療は「穴場」なんだ。
    田舎で死にかけた農村戸籍の人が来る事はないけど、
    そうではない、偽装留学し入学金を(半期だけ)支払い、当座の日本での滞在費用を賄える人間が9000万人+家族で3億人はいる事を想定して欲しい。
    中国人の上層の全てが汚い倫理の人間とは言わない。
    でも彼らは自国の農村の人を封建時代のような差別下において
    収奪してる、その事を知りながら、自分達の既得権益の為に改革を反対してきた人達す。

    他国のそれも日本の保険を利用して、その後の日本の医療制度改革が破綻しようと、何とも思わないでしょう。
    濃くないに自国民にやってるんだから!

    守秘義務があるから「具体例」を今回は見送るしかない!
    けど、私のような田舎でパート暮らししてるオヤジ看護師が観ても「業腹」で、左翼ですら憤る前例はあるんです!

    問題は中国の共産党員が9000万人ならば、それは「大国なみ」の人数で、家族を合わせれば
    「アメリカの1.5~2倍」って事です。
    其だけの金を持つ奴らがいる!
    そして日本の医療は、中国の水準より高度であり、サービスが上なので、使いたい!

    そして金持ほど金を惜しむもので、彼らには節約、節税なんですよ。日本での「踏み倒し」は!
    私も横の繋がりあるんで、聞いてもいて書きました。

    問題は中国人の倫理観とかは一先ず置いておいて。
    とにかく「日本の医療を使いたい」とする、それを利用してやるだけの資金とコネのある奴らが3億いるって事です!
    その潜在人口は家族まで入れれば「日本の総人口より多い」のですぜ!
    それに対して無防備すぎる!
    てか間抜けすぎる!
    日本の保険を中国が食い荒らす!それは「絵空事」ではない。数の違いを考えろ!って!

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    返信
    1. 貴重な話をありがとうございます。

      しかし、想像以上にヤバイですね。
      そもそも、人数のスケールが違うと言うことを深刻に捉えるという発想が、政治家には無いんですかねぇ……。

      削除
  2. すみません水泳スクールの合間なんで、バラけた投稿になりましたが。
    人数の違いを考えて欲しい。
    日本人だって医療無料の英国で
    無料で医療受けた時代もある。
    でもすね、人数が違う。

    日本に偽装留学してまで日本医療を受ける特権階級は…と考えるが、その連中と家族は日本の総人口より多い!!
    ならば悪用して食い潰す奴が
    「日本の想定の100倍おる」と考えるのが当然!!
    ここんとこですね、左翼には解らない。朝日が叩かれるのと同じで、日本の戦後教育を金科玉条とする奴らは理想を語る事に呪縛されて「現実」を直視できない。

    んで、日本が食い物に狙われてる?なんだけど。
    実はとんでもねー高額の自由診療≠アメリカ並み…の金を払わない限り、中国の医療は高水準を特権階級でも充分に支給できないです。
    そりや中央官僚ならともかく。
    科学技術大国みたいな顔をしてるけど、医療などの方面での、
    先端技術普及はさほどでない。
    だから日本で治療うけたいんですよ。
    しかも、日本で踏み倒してしまえば、母国で高額治療受けるより安い!!
    これですね、詳細は言えないけど、かつての同僚に地方政界の有力一族の奴がいて、今は重慶で医療ビジネスしてんですが。
    その辺りから聞いてるんです。

    とにかく「人数」という物量差がある事を想定に置かないと。
    特権階級は日本の総人口で、
    彼らには食い物にするだけの
    金、コネ、があるんです。
    共産党員家族まで入れれば3億
    それはアメリカ総人口より多いですから!
    綺麗事でなく悪用するのが当然と、ディフェンス考えない方が異常なんですよ!

    返信削除
  3. 根本的に母集団が10倍もあれば、確信犯的な悪党の数は10の自乗倍つまり100と考える。
    これはディフェンスとして当然なんですよ。
    中国人が悪人で性悪とかいう偏見とは関係ない。
    分母がデカけりゃ幾何級的に被害は拡大する。
    それを差別だ偏見だと。
    だからいけない。と。
    リベラル自称する奴らは言うのね。これ病気ですよ(笑)
    リベラルと後期高齢者、団塊の盲信する戦後民主教育とは、
    もう宗教のレベルでしてね。
    信仰者の私が笑っちまうくらい。でもね、真実を述べるべきメディアが、真実から眼を背けるようになってる。結果として嘘を書くようになってる!
    朝日みれば解りますよね?

    しかし医療てのはリアルなの!
    震災でタグをつけて、助かる見込みのない患者は後回しにするのを観たことあるす。
    このリアルが医療で。
    そして財源が破綻すれば、何も出来なくなるてのは軍事と変わらないんです!
    メディアに発信を任せておくとヤバいですよ、この問題は!

    返信削除
  4. ついでに木霊様にいずれ記事対象の視野に入れて欲しい話。

    カナダが大麻の医療用でない合法販売を許可しましたよね?
    アメリカもカリフォルニア州などで広まりつつある。
    全土で合法化される近い。
    さて…

    警鐘を鳴らしてるのは、
    医療関係者、治安関係者、
    麻薬Gメンなんだけど。
    ドラッグは全てではないが、
    パチンコで中毒するよな奴は、
    大麻から進むんですよ、ヘビィドラッグに!
    いわゆるゲートドラッグ問題!

    アメリカでオピオイドが大問題になってますよね?
    あれは医療がガタガタで、盲腸手術か200万円とかの相場だからなんです。
    医療に金がかかるから、代替医療やサプリメント、そしてドラッグカルチャーがある!
    んで、大麻とか合法化すると、
    それに医療の荒廃が一致した時に一気にヘビィドラッグが流行りますよ!
    欧米で流行すると、すぐにこういうのは真似しようとするリベラルな人達がいますからね!

    しかし医療や麻薬取締現場からは強い抗議が起きている!
    いずれ日本に関わってきます。

    返信削除
    返信
    1. ご期待に添えたかどうか分かりませんが、記事にしてみました。

      大麻の話はそれなりに調べていましたが、カナダの法律が通ったのは知りませんでしたし、改めて調べてみて、ああ、ヤバイ話なんだと。

      大麻そのものは、医学的に見てリスクが低いなんて話があって、楽観視していたんですが……。

      削除
  5. >>つまり、これらの法改正によって国民健康保険に影響があるかどうかは、法改正時には検討された形跡が無く

    「国民健康保険に影響があるかどうか」は、麻生内閣当時に検討されていますよ。

    「住民基本台帳は住民に関する事務処理の基礎」となります。
    したがって、住基法改正法案の国会や政府の懇談会等において、外国人への国保適用について検討や質問がなされています。

    麻生内閣当時の国会では、「住民基本台帳にある外国人につきましては、国民健康保険の適用の対象になるというふうに考えてございます。」と、答弁されています。
    つまり、麻生内閣の時点で住民登録した3か月を超える在留外国人を、国保の加入対象とすることが決まっていたことになります。

    https://ameblo.jp/kycxy981/entry-12383560400.html

    返信削除

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