尊厳死法が韓国で施行され4ヶ月経過

偶には韓国の事を褒める記事も書いておかねば。って、本日は図らずも韓国ネタ3連発になってしまったな。ご容赦を。

8500人延命中止 尊厳死法施行4カ月

会員限定有料記事 毎日新聞2018年6月17日 08時00分(最終更新 6月17日 08時00分)
 韓国で今年2月から、回復が見込めない終末期の患者の延命治療を、法律に基づいて取りやめることができる制度が導入された。国から制度運営を委託される財団法人によると、今月までの4カ月間で、高齢者ら約8500人の延命治療が取りやめられた。尊厳死を法律で認めた制度といえる。
さて、このニュースは、尊厳死に関する制度を取り入れた韓国で、4か月で8,500名の延命治療が取りやめられたというニュースである。

もちろん、日本と韓国では社会的背景が全く異なるので、簡単に比較できる話では無いのだが、こうした制度が整備されていることそのものは、評価しても良いだろう。

何故評価すべきかと思ったかといえば、日本では老人の延命治療に莫大な医療費が費やされ、国も家族も重い負担を強いられる実情があるからである。少子高齢化が進む韓国でも、医療費負担の問題は非常に大きな社会問題となっている。そうした背景がこのニュースにはあるのだ。

まあ、とはいえ、この手の法律は何も韓国だけが進んでいるという話では無いのである。

伊が「尊厳死法」を施行 死を「自己決定」した“後”に来るものとは

2018.02.02
延命治療を望まない「尊厳死」を認める法律が1月31日、イタリアで施行された。海外メディアや読売新聞が報じた。

世界初“安楽死マシン”と、「長生き悔やみ」安楽死した104歳学者が突きつける現実 (1/4)

2018年06月04日 06時34分 公開
 さて、今週ご紹介する“エンターテインメント”は、少し物騒(ぶっそう)なお話でございます。
 現在、「安楽死」が合法化されている国・地域といえば、オランダ、スイス、ベルギー、南米コロンビア、ルクセンブルク、米のカリフォルニア州やオレゴン州などが知られていますが、そんな国々のひとつ、オランダの首都アムステルダムで4月14日に催された「お葬式フェア」で、世にも恐ろしい機械がお披露目されました。
「尊厳死」と「安楽死」は少々違うので、本来は同列に扱うべきでは無いと思うのだが、しかし、本人の望まぬ生がある点では、根底が共通する部分があると思う。

サルコ
写真は、「安楽死マシン」と銘打たれたサルコと呼ばれる製品構想で、3Dプリンタで製造が可能になるとか何とか。
欧州も高齢化が進んで、尊厳死や安楽死が求められるようになってきていて、日本とは倫理観が異なる部分はあるけれども、安楽死や尊厳死は真剣に議論されている。

今や、世界的にこの問題は、「真剣に検討すべき課題」として考えられているわけだな。
片や、明日のパンにも困るような暮らしを強いられている人々がいる国がある一方で、自分の望むタイミングで死にたいとは贅沢な話だ、と、一昔前なら切って捨てられる話ではあったが、医療技術が発達して高齢化が進んだ社会では、まじめに考えるべき課題ではあるのだ。

さて、韓国で導入された尊厳死法は、その内情がハッキリしないので、「褒める」と書いたものの、実際にはそれが良いものかどうかという判断をすることは難しい。

日本でも議論続く「尊厳死」法、韓国で試験導入始まる=ネットの反応は「先進国らしい発想」「回復の可能性はどうやって判断?」

配信日時:2017年10月25日(水) 0時30分
2017年10月23日、死期の迫った患者が心肺蘇生術などの延命治療を拒否したり、中断させることで「尊厳死」を選択できるようにする制度が韓国で試験的に施行された。アジア経済などが伝えた。
韓国の保健福祉部は22日、患者の意思により延命治療を中断できる「延命治療決定法」(尊厳死法)を23日から来年1月15日まで試験的に施行し、来年2月から本格的に施行すると明らかにした。同法により中断が可能になる延命治療は「心肺蘇生術、人工呼吸器の装着、血液透析および抗がん剤投与の医学的治療」だ。

「延命医療決定法」試験事業を実施 7人が尊厳死選択=韓国

2017/11/28 14:57
【ソウル聯合ニュース】韓国保健福祉部は28日、今月24日まで1カ月実施した「延命医療決定法」の試験事業の中間結果を発表した。同法は患者の意思を尊重して延命治療を中止することができるようにするための手順などを定めている。
実際、試験的に施行されて1ヶ月で7名が死を選択したというニュースがあり、その後、2月にこの法律が施行されて、既に8,500名が無くなったという話を聞くと、「ちょっと大丈夫か?」と感じてしまうのも事実だ。

「最期は自分の意思で…」韓国でついに施行される“尊厳死法”とは

2017年10月25日 18時58分
韓国で、「尊厳死」を選択できることになった。
~~略~~
まず、延命治療中断の対象となるのは、「臨終の過程にある患者」だ。
具体的には、「蘇生の可能性がなく、治療しても回復せず、急速に症状が悪化し、死が差し迫った状態」(同法第2条第1号)を指し、実際には担当医師と該当分野の専門医1人が判断するという。
ここには末期ガン患者だけではなく、病気や事故によって同様の状態となったすべての患者が含まれる。
中断できる「延命治療」の内容には、「心肺蘇生術、血液透析、抗ガン剤投与、人工呼吸器着用の医学的施術によって臨終過程の期間だけを延長すること」(同法第2条第4号)が該当する。
なお、延命治療を中断しても、痛みを緩和するための医療行為と栄養分と水分の供給、酸素の単純供給は停止してはならないとされている。
~~略~~
延命治療中断に関する患者本人の意思として判断するに十分な期間、一貫して示された意思について、家族2人以上が一致した陳述をできる場合にのみ、認められるのだという。ほかの家族から異なる証言があった場合には延命治療を中断できない。
この記事を読んでも、穴がある様な気はする。
だって、4ヶ月で8,500名だぜ?「厳しい条件が課せられている」という割には、対象となる数が多すぎる気がするのだ。

だが、まあ、それは韓国国内で追々変えていくべき基準が絡む話であり、他国がどうこう言うべき点ではなかろう。

さておき、では日本はどうなっているかというと、なかなか議論は進んでいない模様。

尊厳死を希望する場合、公正証書の作成が必要?

毎日新聞2018年5月27日
自分が不治の病気にかかり死期が迫っていると診断された場合に、延命のためだけに人工呼吸器や胃ろうなどの措置を行わないよう求める文書を用意するのが尊厳死宣言です。リビングウイルと呼ばれることもあります。
~~略~~
 尊厳死は法で定められたものではないので、証書があっても思い通りの死を迎えられる保証はありません。ですが、日本尊厳死協会によると、会員の死に際して文書を示した場合、大多数が尊重されているそうです。とはいえ、家族がその意思を知らない、または反対だと医師に依頼できないことも考えられますので、家族には事前に相談しておきましょう。
一応、リビングウィルとも呼ばれる「尊厳死宣言」の文書を作成してあれば、その意思が尊重される可能性はあるとのこと。

しかし、家族が治療を望めば、現状では本人の意思がどうあれ、治療は続けられる。

日本でも5つの尊厳死が行なわれているが課題はまだ多い

2017.02.10 07:00
 40年以上前に問題提起されながら、安楽死についての具体的な議論が進まない日本。日本では欧米の安楽死とは違う、終末期における『尊厳死』という考え方が広まっている。
~~略~~
 実際に今、行なわれている尊厳死は主に次の5つである。
・胃ろうの中止
・中心静脈栄養法など点滴の停止
・人工透析の中止
・人工呼吸器を外す
・抗がん剤の投与中止
 それでも課題はまだ多い。日本尊厳死協会副理事長の長尾和宏医師が言う。
「無用な延命治療をやめたことで苦痛から解放され、穏やかな最期を迎えた方々が増えているのは事実ですが、厚労省や各学会のガイドラインも延命措置の中止に対する医師の免責を保証するものではありません。尊厳死はいまも医師が殺人罪などで訴えられる可能性のある“グレーゾーン”の医療行為なのです」
後、この記事にもあるが、医師の負担なども問題視されているのだ。

私事ではあるが、数年前に妻の祖父が他界した。面識がある人物の他界は、なかなかショッキングだったのだが、その後に聞いた元同僚の訃報よりは納得できた話だったように思う。

その高齢の祖父は、腎臓機能が低下しており、数日前まではピンピンしていたが、入院3日で他界した。残された遺族にとってはある意味理想的な形であるように思う。何しろ、入院が長期にわたれば本人も家族にも大きな負担がかかるからだ。
しかし、このケースでは、「もしかしたら死期を早めるかも知れない」という医師の言葉に、家族の了解を得て医師が投薬し、その結果、数時間で他界していて、投薬の影響が静止に繋がった疑いも残る。もちろん、祖父が高齢だったこともあり、遺族は特に恨みを感じているワケでは無いのだが、医師にとっては心理的な負担は大きかったのでは?という気がする。
そして、このケースでは半ば不可抗力ではあったと思うが、治療を終える為に血管に何らかの薬物を投薬するようなケースを考えると、果たしてどうなのだろう?という気がしてならない。医師にその役割を果たさせるのは酷なのではないか。



今後、高齢化が進むと、日本でも「延命する方が残酷なケース」が増えて行くと思われる。
そうした時に、本人の意思の有無というものを確認することは非常に難しい。もう、ある一定の年齢に来たら、自分の終末について書き残すという様な制度を考えるべきじゃないのかなと、その様に思う次第。

日本では「尊厳死」の議論はまだまだ時間がかかりそうではあるが、韓国がそのテストケースになるのかな?
若干、心配な点があることは否めないが……。



ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ ニュース批評へ

コメント

  1. 御親族のお話までされて、
    尊厳死と安楽死の区別を分けた木霊様のご意見を尊敬する。
    私は医療人であり(東洋医学も西洋医学も)、この間までカトリックで今は神道の氏子という
    立場にあります。
    科学技術により死生感が変わりゆく事も有り得るから、神社の
    勉強会(神社の杜と里山保護運動を宮司主体でやってるので、氏子以外の人と出入りする)で、この種の話はした方が良いのではないかと氏子総代と話をしていた処です。
    魂のとか霊的というと一気にオカルト染みますが、医療ではケアについて使用を始めてます。
    死後の生を認めたものでなく、
    「生の質」についての論議でですが。
    それで、この話なんですが、
    尊厳死は木霊様の御指摘とおり
    超高齢化社会が迫る以上、生前の意思を問うておき、本人が意識不明になったような時に、判断基準とするような法的なシステムは必要になると思います。
    また、きちんとそのガイドラインを決める事で「自殺との違い」を明確にする。
    自殺が最大の大罪であるキリスト教圏から出ている潮流な事を直視して、日本でも検討に入るべきと思います。
    因みに南朝鮮が導入しとるのは、プロテスタント人口比率が東アジア諸国では異常に高いからです。自国の文化がきちんと残されてないからで、別に誉めてやる必要は欠片もないです。
    最期に木霊様すみません。
    本来なら医療の国家資格を持ち
    臨床現場にいた、そして信仰を持ってきた私が、きちんと立場を申すべきなのですが。
    これが結論が出ないんですよ。
    「遺漏」が体を硬縮させる現象と因果があるらしいのは、看護師として病棟で何度か観ているので解るのですが。
    ガン治療せずに放っておけとホスピス施設で何十年も働いてきた医師が本を書いて話題になりました。共感すべき点もあるのだが、どうも周囲を見渡すと、
    西洋医学に従事する者より、東洋医学に従事する者に多い。
    二股をかける私には、これは容易には統一見解を出せる話ではなく、下手するとセロンを分断させて紛糾するな……思うです。自分の胸に手を当てても、答がまとまらないんです。
    なので医者や法律家だけでなく、宗教者や市民がこの話に参加して意見を出し合う事が、遠回りでも近道と思ってます。
    このような記事を公開して下さる木霊様を尊敬いたします。
    ありがとうございます。

    返信削除
    返信
    1. 本来であれば、この手の身内話というのはブログに書くべきでは無く、かつて僕自身も痛い目に遭って(やらかしてしまったのですが)いまして、迷ったのですが、実感がある話の方が説得力があろうと言う事で、書かせて頂きました。事実関係はあまり正確にはしていませんが。

      ただ、お褒めに与るような話では無く、現実的に向き合うべきだなとボンヤリ考えた事を文章にした次第。

      しかし、河太郎さんのような現場経験もやはり迷われるのですね。
      きっと、リビングウィルやエンディングノートといった類の文章が残っていたとしても、やはり、人を救う立場の人間が手を下すということは、抵抗があることなのかもしれません。

      日本にある「姥捨て山」の話は「嘘だ」と言われていますが、岩手県にある「デンデラ野」といった地名とそれに纏わる伝説(遠野物語)が残っている事を考えると、果たして姥捨て山の話も全てが嘘だったのか?という点については、疑念が残ります。ああ、ソイレントグリーンという映画もありましたっけ……。

      昔は高齢になるケースが少なく、長老は知識人として重用されましたが、同時に「口減らし」(主に子供が捨てられた)という事は行われていたようです。不幸な事故もきっとあったのでしょう。

      現代においては、まさかそんな姥捨て山のような話は実現不可能ですから、自ら決断する、という意思が尊重されるのは、必然なのかも知れません。難しい課題ですが、それに向き合う時代なのだと思います。

      削除
  2. 独り者で親類との縁も切れてて、結婚の見込みもない身としては他人事ではないんですよねぇ
    身寄りのない独居老人の孤独死とかが増えてる昨今、医師へのケアはもちろん必要でしょうけど、真剣に議論をしていただきたいところ。

    返信削除
    返信
    1. 「孤独死」というのは一時期話題になりましたが、減っているわけではないようですね。
      何ともやりきれない話ではありますが……。

      削除
  3. 現状では遺族の存在、かつ保険と年金が絡まざるを得ない話なので、どうしても性悪説をベースとした考慮限界があると考えます。西成とかならまた違うのかもしれません。

    返信削除
    返信
    1. 日本で運用している制度ではまだまだ不十分なところが多いのだとは思いますが、そういう時代に来ている事を考えて、もっと話を前に進める必要がありますよね。

      削除

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。