ラオスのダム決壊で、被害はカンボジアにまで拡大

さて、このニュース、更にオオゴトになってきた。

ダム決壊の濁流が隣国まで カンボジアでも多数避難

2018年7月26日 16時39分
ラオスでダムが決壊して100人以上が行方不明になっている事故で、隣国のカンボジアにまで水が流れ込み、1200世帯以上が避難する騒動に発展しています。
隣国のカンボジアも、迷惑を被っているが、カンボジアも貧しい国だから、大変だろうね。
地図
地理的には、ラオスの下流にあるカンボジアが酷い目に遭うのは、自明の理であるが、迷惑な話だな。でも流れでた水は下流に向かうしか無いので、上流にダムがあるというのはある意味危険なことなのだろうね。

で、ここまでオオゴトになってきているのだが、どうやら韓国のSK建設が造っていたダム、アースフィルダムだったという話が。
「ダム」=「コンクリート」という図式のイメージが強かったことと、ダムの容量が50億立米であったという事から、コンクリート式のものだとばっかり思っていたが、写真などをよく見てみると確かに違和感が強いのは事実。
写真1
これがそのダムらしいのだけれど、遠目に見ても確かにコンクリートの質感とは違う気がする。
現場写真
で、この現地の写真がよく分からなかったのだが……。
しかし、SK建設は「問題が生じた補助ダムは土砂を詰めしたフィルダムの上部の一部が離れていった」とし「崩壊ではない」と述べた。豪雨による氾濫がダムの一部を失わせた事故という主張だ。
http://v.media.daum.net/v/20180725224616224
どうやらフィルダム形式だったようだ、という話なのである。

ここで、フィルダムというのは、天然の土砂や岩石をもり立てて築いた構造物であり、見た感じ、問題のダムは砂利などを積み上げて作る構造を採用していたっぽいな。

前の記事では散々コンクリートの沈下とか言っていたのだが、前提が違っていたという話になる。

フィルダムのタイプは僕も知らなかったので、Wikiから情報を引用してくる。
ダムを建設するにあたり、その地点(ダムサイト)の地盤が堅固でない、もしくは近傍からコンクリートの骨材が得られないといった理由でコンクリートダムの建設が困難な場合にフィルダムが検討される。ダム自体の体積(堤堆積)が大きいことから安定性があるが、越水(ダムから水があふれること)には弱い。したがってフィルダムを設計する際は、コンクリートダムよりも洪水処理能力に余裕を持たせることが必要とされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%A0
本ダムや基礎の部分ではコンクリートを使っている節があるので、「骨材が得られない」というのは無いだろう。
何故ならば、ダムの表面は小石が並んでいる状態になっていて、ロックフィルタイプか、表面だけ小石などに覆われたアースフィルタイプであると推測されるからだ。
現場
ハリボテ感満載である。
但し積極的な洪水調節機能には余り向いておらず、多目的ダム・治水(防災)ダムとして建設されるケースは少ない。更に水位変動の激しい発電用として建設されるケースは大野ダム(相模川水系谷田川・東京電力株式会社)等極めて少数である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%A0
そして、アースダムは発電用にはあまり向いていない模様。

果たしてこれが正しい施工によって作られたものだったのか??
施工は正しかったとしても、本来の使用目的に耐えられるものだったのか?
雨量を想定したしっかりとした設計がなされていたのか?

これから検証が始まると思うのだけれど、韓国はさっさと逃げの体制に入るのだろうね。特にSK建設は「天災だ、川が氾濫したのだ」といって譲らない姿勢を見せている。
断面図
割と複雑な構造だったみたいだけど、本当にダムの施工は正しかったのか?だって、高さが73.7mもあったんだぞ?
アースダムの方式で、世界一は、タジキスタンにあるヌレークダムで堤の高さは驚きの304mである。それと比べりゃ、可愛いものかな。なお、アメリカにあるオーロビルダムというダムも、アースフィルダムで、堤高は230mと巨大だ。ただ、このダムも2017年に放水路に穴が空いて大騒ぎになった。まあ、この時の騒ぎは堤の強度がどうとかという話では無かったのだけれど。

フィルダムであれば、その構造上、沈下と呼ばれるダムの変形はある程度許容されるようだが、1mも沈下がみられたということで、23日には状況は既に絶望的だったと思われる。

隣国まで被害を拡大してしまった以上、国際問題はより複雑化しそうだな。
最初は、ラオスと韓国の間で話し合えば済む問題だったが、ここにカンボジアが入ってしまうと、カンボジアはラオスに一方的に損害賠償請求をする立場にある。
「自然災害でした」では済まされない話になりそうだ。

Questions raised following deadly Laos dam collapse

By HAU DINH Associated Press
JULY 26, 2018 — 5:50AM
~~略~~
SK Engineering sent its president and an emergency team to help with the rescue and repair effort. In a statement Thursday, it said it would help build lodging for those displaced.
"We will find out causes of the incident thoroughly and take necessary actions quickly," it said in a statement earlier this week.
The Thai partner in the dam project, the Ratchaburi Electricity Generating Holding Public Co., said the joint venture had sent experts to the area to investigate the situation and discuss with the authorities how to resolve the problem.
SK建設は「原因を徹底追求する」としているけれど、揉み消したいという本音が透けて見える。「天災でした」で済ます気満々のようだけれど。

追記 (2018/7/30)
分かり易い図があったので、紹介しておく。
アースフィル
上の写真が決壊した状況の写真。
下の左側が日本が提案したロックフィルダム、下の右側が韓国側が施工したアースフィルダム。ただし、韓国側はこれを「ロックフィルだ」と説明したらしい。見積もり時点で、日本との価格差は3倍だったという話もあった。

さらに噂では、完成後50年保証と事故発生時の損害賠償保証が付けられているのだとか。マジですか?

政府、ラオスのダムの事故救助隊、ラオス政府の承認なく本陣派遣支障

2018. 07. 26. 10:39
ラオスのセピアン・セナムノイダム事故と関連し、国際救助隊を派遣することにした政府の計画が、ラオス政府の承認の遅れに支障をきたしている。
26日、関連省庁によると、27日、ラオスで出発しようとし、国際救助隊の本陣のラオス入国が許可されていない。この日の午前、政府の救助隊先発隊4人(消防1人を含む)は、民間航空機を利用して、ラオスに出発した。
~~略~~
26日、関連省庁によると、27日、ラオスで出発する予定だが、国際救助隊の本陣のラオス入国が許可されていなかった。この日の午前、政府の救助隊先発隊4人(消防1人を含む)は、民間航空機を利用して、ラオスに出発した。

なお、ラオスは正式に韓国側の救助隊の本体の入国を許可していなかった模様。先発隊は4人だけで、こちら入国できたみたいなんだけどね。

韓国政府、ラオスに100万ドル規模支援・救援隊派遣

2018年07月27日16時13分
  韓国政府はセピアン・セナムノイダム決壊事故が発生したラオスに緊急救援隊を派遣し、100万ドル規模の救援物資・救援金を支援することに決めた。
でもって、27日に出された記事では「支援を決めた」という報道に留まっている。

韓国、ラオス・ダム決壊の6日後やっと救援隊派遣 室谷克実氏「『やることはやった』と形だけの行動」

2018.7.29
 ラオス南部で23日夜に建設中のダムが決壊し、多数が死亡、数百人が行方不明となっている事故で、ダム建設に関わっていた韓国は直後、緊急救援隊を現地に派遣することを決めたが、何と本隊は事故発生から6日後の29日に派遣するという。手抜き工事疑惑も指摘されるなか、これで“緊急”といえるのか。
室谷氏は「韓国のアリバイ作りだ」と、この件について批判しているけれど、23日に決壊して29日に「緊急救援隊」って、「緊急」という文字が恥ずかしいよね。
そして、この救援隊の本体入国の許可をラオスが出さなかった理由は、証拠隠滅を怖れたと言う風に揶揄されているが、ラオス側が対応できないというのが現状なのだろうね。逆に言えば、韓国がそれだけ信頼されていないという証拠なのかも知れないが。
記念撮影
こんな撮影するのもどうかと思うけどさ。
ガッツポーズは必要かね?



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コメント

  1. 別ネタです
    燃料電池車の開発でアウディと現代自動車が提携、特許の共有も
    ソース LE VOLAN CRAS MEET WEB

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    1. ほほう、面白いニュースですね。
      ちょっと調べてみましたが、アウディの狙いがよく分からないです。売り上げが落ちているって話でも無さそうですし、好調な内に次の戦略をってんなら、韓国と組むのは良い判断とは思えませんからね。

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  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年7月30日 19:10

    ネット上には、追記の図に関して「日本式・韓国式」と加筆された図が出回ってますが、「日本式・韓国式」という違いはないですから、誤解のないように。
    「アースフィルダム」でも、しっかり施工すれば安全です。

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    1. 日本企業が地質調査を行い「アースフィルダム」では無理とラオス政府側に報告済み。

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