スリオン海兵隊版「マリンオン」が墜落

今回のこの記事は、「お笑い韓国軍」のタグをつけるべきでは無い悲惨な事故なのだが、分類上はこのカテゴリーということでご容赦を。被害に遭われた方のご冥福をお祈りしたい。

10メートル上空からの墜落で5人死亡…韓国産ヘリ改造「マリンオンの悲劇」

2018年07月18日07時20分
   韓国海兵隊のヘリコプターが17日に墜落して5人が死亡し1人が重傷を負った。海兵隊によると、この日午後4時46分ごろ、慶尚北道浦項南区(キョンサンブクド・ポハン・ナムグ)の飛行場で海兵隊の上陸機動ヘリコプター「マリンオン」が地上約10メートル上空から滑走路に墜落した。
   ヘリコプターは墜落すると同時に火に包まれて全焼したと現場目撃者が伝えた。
で、今回取り上げるのはスリオン系のヘリコプターの事故の話である。
この記事では「マリンオン」と書いてあるのだが、英語表記は「Marineon」で、スリオンの海兵隊バージョンだから「Marine」+「on」でマリンオンって事らしい。……呼びにくい。
以前、このブログでは「マリオン」を使っていたのだけれど、「マリンオン」ということで話を進めたい。

こちらが、その勇姿である。
marineon
このマリンオン、スリオン「KUH-1」という名前の海兵隊版で、共通部分は96%。
艦載ヘリということで、折りたたみ式のメインローターを備えて、海上でも使えるように随所に工夫が凝らされているのだと聞く。

MUH-1 Marineon

A land- and sea-based amphibious variant for the Republic of Korea Marine Corps, it has a 96 percent part commonality with the Surion. Modifications include an integrated flotation system, auxiliary fuel tank, and specialised radio equipment. The Marine Surion first flew on 19 January 2015; It also has a folding main rotor to serve aboard Dokdo-class amphibious assault ships.In December 2016, KAI secured a contract to deliver 30 Surions to the Marine Corps, with the first two delivered in January 2018.
これはWikipediaの英語版の記事で、スリオンからちょっと変えたパージョンだよということが紹介されている。しかし、エンジンについての言及は無いので、マリンオンとスリオンとは共通のエンジン部品を使っていると考えられる。
つまりGEのT700-ST-701Kを使っているのだろう。

このT700系のエンジンは、UH-60「ブラックホーク」やらAH-64「アパッチ」、SH-60「シーホーク」、SH-2H「スパーシースプライト」、AH-1W「スーパーコブラ」等々、名だたるヘリコプターに使われているので、別バージョンではあるけれども実績は十分にあると考えて良いだろ。

故に、「墜落すると同時に火に包まれる」などという話が出ているが、果たしてエンジンそのものが問題なのか、メンテナンスの問題なのか、というところが気になるわけだ。

韓国軍の場合はまずメンテを疑うべきかも知れない。でも、エンジンが問題だとすると、色々なところに問題が波及しそうだ。
 事故機はこの日整備を終えた後、試験飛行を行っていたところだった。しかし、離陸後、突然ヘリコプターのエンジンが正常に作動しなくなったか停止したためそのまま地上に落下したのではないかと推定されている。現場では整備不良の可能性が提起されたが、正確な墜落原因はこの日確認することはできなかった。
 特に、墜落および地上への衝突過程で機体から火災が発生し、乗務員が脱出する機会と時間を確保できず被害が拡大したものと推定される。海兵隊関係者は「直ちに事故委員会を構成して正確な事故原因の調査を始める」と伝えた。
ニュースに報じられている「エンジンが途中で正常に作動しなくなった」という情報だけでは、エンジンに問題があるのか、それ以外の周辺機器に問題があるのか、整備に問題があるのか、ハッキリしない。

その後に出火した事も、問題視されている様だが、これがエンジンの不調と関係があるのか無いのか。単に落下の衝撃で出火したのか、その辺りもハッキリしない。
   事故機は韓国航空宇宙産業(KAI)が2012年に開発を完了したスリオンを上陸機動ヘリコプターに改造したマリンオンだ。2013年上陸起動ヘリコプターとして開発に入り、2015年1月に初飛行を果たし、翌年1月に開発が完了した。
ただ何れにしても、韓国軍でも「スリオン」と「マリンオン」の2タイプ。そして、韓国陸軍では245機のKUH-1「スリオン」を調達予定。海兵隊では40機のMHU-1「マリンオン」は40機を調達予定。
他に、「KUH-Medevac」という医療救援型の仕様を軍に納入する予定になっているが、2018年以降のスケジュールになっているので、続報が出てくるのを待っている状況になる。

この他に、韓国警察にも納入する予定になっているが、ハッキリした台数は分からなかった。韓国消防や林野庁にも納入されるという話があったが、ちょっと前に問題になった亀裂の問題があってか、続報を聞かない。一部では、標準仕様が満足できずに入札からハズされたとかいう話も出ていたが、この話は、スリオンの完成が遅れたからという様な話もあるね。

さておき、それなりの数のスリオン、マリンオンが作られている。だからこそ、キッチリと固体の問題なのか、このシリーズ全体の問題なのか、それはエンジンに起因するのかそうで無いのかを調査する必要があると思う。

ドゥテルテ比大統領、韓国産ヘリ「スリオン」購入検討を指示

2018年06月07日13時54分
   最近、韓国を訪問して機動ヘリコプター「スリオン」に搭乗したフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、デルフィン・ロレンザーナ国防長官に韓国ヘリコプターの購入を検討するよう指示したと日刊フィリピンスターなど現地メディアが7日、報じた。
   ヘルモヘネス・エスペロン国家安全保障担当大統領顧はフィリピン空軍がスリオンの生存能力を検討する技術実務グループを構成したと明らかにした。
そして、フィリピンに輸出する話が出ていたが、それもどうなることやら。
しっかり問題が解決できるとイイネ。

なお、韓国メディアが、目撃談を紹介していた。
 続いて、問題があったスリオンを海上用に合わせて改造する過程でも十分な検証手順が行われなかったと述べた。彼は「(マリンオンは)海岸までの距離飛んで行かなければならなので、燃料タンクの容量を増やした。また、海に浮かぶために昇降装置も付けた。塩分による気体の腐食を防ぐために防錆処理もされた」とし「フェイスリフトレベルの改良が加えられたため、いくつかの変数に対して十分に検証しましたが、そうするには、開発期間が短すぎた」と機体の欠陥の可能性を提起した。
この事務局長はまた、「目撃談を見ると、不思議なもの一つや二つではなかった」と整備不良である可能性も示唆した。彼は「離陸中、突然メインローター(プロペラ)が離れていったの目撃談がある」とし「ローターてギアボックス、エンジンを接続するための接合部に問題があった可能性がある」と説明した。また、「離陸直後、機体から煙が発生したという目撃談もあり、これはエンジンやギアボックスからオイルが漏れた、または任意のコンポーネントが正しくつながらず摩擦が発生して火が出た可能性があるという話」と付け加えた。
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=100&oid=025&aid=0002836987
何やら、プロペラがとんでしまったとかいう話も出ているな。

燃料タンクの増強やら色々とやっているので、不具合も懸念されるといった内容になっている。

とはいえ、記事は憶測によって語られているだけなので、ハッキリした話が分かるのはもうちょっと後になるのかも知れない。
追記 (2018/7/20)
追加情報が出てきた。
プロペラ
これが何かおわかりだろうか?
離陸直後
事故に遭ったマリンオンのメインローターである。離陸直後(5秒後)に吹っ飛んだらしい。

キレイに吹っ飛んでいるな。

墜落した韓国海兵隊ヘリコプター、離陸5秒で回転翼全体が分離

2018年07月19日06時58分
  17日、将兵5人の命を奪った海兵隊上陸機動ヘリコプター「マリンオン」(MUH-1)墜落事故は、離陸直後に突然ローター(回転翼)が分離して飛ばされたことから起きた可能性が提起されている。18日、海兵隊が公開した監視カメラの映像によると、17日午後4時45分に事故を起こした機体は、4~5秒間で30メートルほど上昇している途中で、先にローターを構成するブレードの1枚が突然分離して飛んでいき、まもなくローターブレード全体が根こそぎ分離して飛ばされた後に墜落した。このため、ローターを固定していた装置の部分に欠陥があった可能性が提起されている。
写真に写っているのはメインローター全体が吹っ飛んでいる様子だが、この時点でローターブレード1枚が無いことが分かる。
この事で、少なくともエンジントラブルの線は消えた様だ。

コメントにも戴いたが、自衛隊でもAH-64Dの試験飛行中にメインローターが外れる事故を起こしている。離陸7分後に民家に突っ込むという悲惨な事故となったのだが、2重、3重のチェックが行われているはずなのに見逃されてしまった、整備場の問題だという指摘がある。他にも中古の部品を使っていたという指摘もあった。

今回の事故も、そうした整備上のトラブルの可能性はあるが、「マリンオン」は最近導入したばかりの機体で、部品が中古と言うことは凡そ考えられない。だとすると、メインローター周りの部品の欠陥である可能性の方が高かろう。
最初に1枚外れた時点で、メインローターのシャフトにかかる力は致命的である。ブレードの折り畳み機構などをつけたことを考えると、「マリンオン」特有の問題の可能性もあるな。

兵士の命に関わることなのだ。しっかりと検証して欲しい。





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コメント

  1. きちんと前置きした言葉に木霊様の人柄が現れてます。
    誰であろうと悲劇には弔いの言葉をかける。
    それが大雨の大災害に、日本なんか沈め!とか、ざまあみろ!
    と言う国の連中でもね。
    確かに奴等が下劣の民だからと言って、日本人が品位を落とす必要はありません。
    ブログ主として率先して模範を示された事に、愛読者として嬉しいと思います。

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    1. 災害をお祝いするような立場にだけは堕ちたくないと思っております。

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  2. 韓国のニュース映像でメインローターが分離していく動画が公開されていましたね。
    これではメインローターの空転を利用した軟着陸も無理でしたね、自衛隊でもAH-64Dが
    本来エンジン停止してもある程度の高度であれば軟着陸が可能な機体だったけどメイン
    ローターを失ったことで2名の方が殉職された事件が思い出されます。

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    1. 動画も見ましたが、追記という形でちょっと紹介させて頂きました。

      ああなってしまうと、オートローテーションも期待できませんし、為す術無しという感じでしょうかね。回転翼機の怖さだと思いますが、あれ、整備不良の線と設計ミスや製造ミスの線と両方あると思いますよ。

      削除

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