独断先行をアメリカに怒られる韓国

この記事は、前の記事とセットで読むと更に味わい深いと思う。

日経「ポンペオ氏、韓国外交長官に『いったい何を考えているのか』激怒」

2018年10月10日15時31分
  「いったい何を考えているのか」
  先月末、受話器の向こう側から聞こえてきたマイク・ポンペオ国務長官の声は激怒でいっぱいだったという。電話の相手は康京和(カン・ギョンファ)外交長官。
  日本経済新聞は10日、最近、南北和解ムードに集中している韓国に対してポンペオ長官が大きく怒った騒ぎがあったと伝えて「ポンペオ長官が康長官を詰問した」と伝えた。
やーい、怒られてやんの。

パンペイオ氏

しかし、アメリカのポンペイオ氏が怒るのも無理は無い。
この話は、ロイター通信も裏付け報道を行っていたのでは、ほぼ間違い無いだろう。

ポンペオ米国務長官、南北軍事合意に「不満」表明=韓国外相

2018年10月11日 / 02:09 / 14時間前更新
[ソウル 10日 ロイター] - 韓国の康京和外相は10日、9月の南北首脳会談で締結した軍事合意を巡り、ポンペオ米国務長官が「不満」を表明したと明らかにした。
韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は9月、軍事演習の中止や国境付近に飛行禁止区域を設ける内容などの軍事分野で合意した。
控えめの表現になっているが、「激怒」と表現しても差し支えない内容だ。
ポンペオ長官が軍事合意に不満を示したのかとの質問に対し、康氏は「示した」と回答。「強く表明したとは言わないが、十分に説明を受けなかったことへの不満を示した。また、多くの質問があった」と語った。
実際に、中央日報の記事のタイトルは「激怒」という事になっている。
この新聞によると、ポンペオ長官が激怒した理由は先月18~19日、平壌(ピョンヤン)で開かれた第3回南北首脳会談で合意した内容のうち軍事分野のためだった。米軍にとってはとうてい受け入れられない内容だったのはもちろん、韓国側から事前に詳細な説明や協議がなかったという。
  特に、米国側が怒ったのは南北軍事境界線の上空を飛行禁止区域に設定したためだ。その間、韓米両国軍はこの地域の上空に随時偵察機などを飛ばして北朝鮮軍を監視してきた。ところで、この道が封鎖されてしまえば、北朝鮮に向かった目を塞いでしまうことに他ならないためということだ。
「この新聞によると」という書きっぷりは、日経新聞が勝手なこと言ってるぜ、というニュアンスを含むものだが、まあそれはさて置こう。
問題は、実際に韓国が勝手に軍事分野の合意をしてしまい、南北軍事境界線の上空を飛行禁止区域にしてしまったことである。

アメリカにとっては、軍事衛星でも監視を続けているが、大切な情報源の1つを失うことには変わりない。情報の精度を上げるためには複数の情報源からの情報が必須であることを考えれば、激怒するのも無理は無い。

なお、中央日報はこの様に結んでいる。
  これに対して韓国政府関係者は「第2回南北首脳会談で合意した内容が多くて複雑であるため、会談前後に首脳級から説明があったが、米国側がさらに問い合わせてくる部分はあったかもしれない。だが、激怒したとか問い詰めたというのは韓米関係を考えても事実でない。康長官とポンペオ長官は緊密に常時疎通している」と話した。
この辺りの返答を鑑みてロイター通信は若干表現を緩和したように思えるが、アメリカ側からの問い合わせがあったのは事実であると認めている。

そして、更に興味深かったのがこちら。

トランプ大統領「韓国、我々の承認なく何もしないはず」…対北制裁解除にブレーキ

2018年10月11日08時54分
  トランプ米大統領が10日(現地時間)、康京和(カン・ギョンファ)外交長官の韓国独自制裁「5・24措置」解除検討発言に関連し、「我々の承認なくそのようにしないだろう」と反対の立場を明らかにした。ポンペオ国務長官が9・19平壌(ピョンヤン)宣言南北軍事合意に対して康京和長官に電話で「どういうことだ」と抗議したのに続き、大統領までが韓国の独自制裁緩和の動きにブレーキをかけたのだ。
  トランプ大統領はこの日午後、ホワイトハウスで「韓国政府が北朝鮮との外交の余地を作るために一部で制裁解除を検討しているようだ」という質問を受けると、「彼らは我々の承認なしにそのようにしないだろう」と答えた。続いて「彼らは我々の承認なしに何もしない(They do nothing without our approval)」と述べた。「韓国政府と接触しているのか」という質問には「そうだ」と答え、「我々の承認なしに何もしないはずだ」と繰り返し強調した。対北朝鮮制裁に関する韓国政府の独自行動はあり得ないと釘を刺したのだ。
トランプ氏からも釘を刺されたという話がでているのだ。

ここに出てくる5.24措置というのは、天安艦撃沈事件(2010年3月26日)に関連するものである。
これは、韓国海軍の保有するコルベットが北朝鮮の潜水艦に撃沈されたとされる事件で、黄海上の北方限界線付近を航行中の天安艦の船体後方が爆発し、2つに切断されて沈没してしまった。
引き上げられた船体には外部から爆発による衝撃を受けた痕跡が残されていて、当時は魚雷を撃ち込まれたか、機雷と接触したのだろうと報じられていた。残念な事に事の真相は闇の中だが、この事件をきっかけに、韓国は北朝鮮に対する報復措置を採った。
これが「5.24措置」である。

外交部長官 「5.24措置の解除検討」の発言で謝罪

Write: 2018-10-11 10:46:37/Update: 2018-10-11 10:57:09
康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が10日、国政監査で、北韓に対する韓国の独自制裁の「5.24措置」について、「解除を検討している」と発言したことで、論争が起こり、謝罪しました。
康長官は、国会外交統一委員会が10日、外交部を対象に行った国政監査で、北韓への観光と関連して5.24措置の解除の用意があるかという与党「ともに民主党」議員の質問に対して、「検討中」と答えました。
現政権の長官が5.24措置の解除に言及したのは初めてです。
康長官は、北韓への観光そのものが制裁の対象なのかという質問に対して、「観光そのものが対象ではないが、そのために資金が北韓に流れ込むのは制裁の対象だ」と説明しました。
続いて康長官は、「金剛山観光ができないのは、国連の制裁対象だからではなく、5.24措置のためという認識が正しいか」と問われ、「そうだ」と答えました。
どうやら、韓国政府の考え方は「5.24措置は、今行われている国際的な北朝鮮への制裁とは無関係」「だから、韓国の判断で解除して問題無い」というスタンスらしい。
とんでもない屁理屈ではあるが、この事に対してトランプ氏が注文を付けたというわけだ。



アメリカからの信用を、既に韓国は失って久しいとは聞いていたが、しかし、大統領から釘を刺され、米国務長官からも怒られているこの状況、なかなか洒落にならないな。

そうそう、気になるニュースがもう1つあって、それがコレ。

米中「新冷戦」の瀬戸際 ペンス氏発言が亀裂深める

2018/10/9 17:33
【北京=高橋哲史、ワシントン=永沢毅】米中両国の対立が危険水域に入っている。8日に訪中したポンペオ米国務長官と中国の王毅国務委員兼外相の会談は、互いへの不信感をむき出しにする異例の展開となった。貿易面での摩擦に端を発した米中のいがみ合いは、外交や安全保障にも広がる「新冷戦」の瀬戸際まできている。
日経新聞の記事を漁っていたらこの記事に遭遇したわけだが、正直、日経は認めたくないんだろうけれど、既に戦争は始まっていると見て良いだろう。
「新冷戦」という呼び方が正しいかどうかは分からないが、貿易戦争という形で始まってしまっている以上は、安全保障の分野では衝突しないなんて言うのは、ハッキリ言って妄想の類でしかない。

中国が激怒した異例の米副大統領発言

2018/10/9 16:00
【ワシントン=中村亮】「米国側に誤った言動をただちにやめるよう要求する」。中国の王毅国務委員兼外相は8日のポンペオ米国務長官との会談で、トランプ米政権の対中政策を強く批判した。念頭にはポンペオ氏の訪中直前に対中批判を繰り広げたペンス米副大統領の講演があった。
ペンス氏は4日、ワシントンのシンクタンクで「中国に対する政権の姿勢」と題した40分間にわたる講演に臨んだ。「中国が(世界中で)宣伝活動だけでなく政治・経済・軍事的な手段を総動員して影響力を拡大しようとしている」と主張。貿易戦争や知的財産権の保護のほか、南シナ海などの領土問題で一斉妥協しない姿勢を鮮明にした。米政権が特定の国をやり玉に挙げて包括的に政策を説明するのは珍しい。
日経新聞のスタンスがこの記事からも分かるが、「支那を怒らせるとは何事だ」というタイトルの付け方が秀逸である。
「トランプ大統領は決して屈しない」。ペンス氏は中国指導部へのメッセージとした上でこう強調した。「米国の国益や労働者、安全保障を守るために果敢に行動していく」と述べ、対中強硬姿勢を堅持するとして講演を締めくくった。
「アメリカと支那が手を結んで、日本は蚊帳の外になる」といった様な観測が流れていた時期もあったが、トランプ氏が当選した後は、その話も杞憂となった。

正直な所、支那はそこまでのことをやっているのである。
アメリカが本気で牙を剥くところまで来ているのは北朝鮮とのやり取りを見ても明らかで、支那が経済的に弱っている今こそ、叩きつぶすチャンスだと、その様に考えているのは明白である。貿易戦争は、その争いの一面でしか無いのである。

そして、韓国はレッドチーム入りを宣言して、支那につくと、その様な態度を明確化した。うわべでは「アメリカの同盟国」を装っているが、既にレッドチームに入ったことを取り繕おうとも考えていない辺りが、潔いと言うべきか、何も考えていないと言うべきか。



こうしたアメリカ対支那という構図で世界が動き出している以上、レッドチーム入りした韓国からアメリカが手を引くことは時間の問題である。

それが良いかどうか、日本にとってまずい事かどうかはさておき、そういう流れになっているのは事実である。

問題は、安倍氏がこのタイミングで支那を訪れ、首脳会談を行おうとしている事だろうか。

日中関係「順調に進展」=安倍首相、中国共産党幹部と会談

2018/10/11-18:13
安倍晋三首相は11日、中国共産党の宋濤中央対外連絡部長の表敬を首相官邸で受けた。首相は日中平和友好条約締結40周年の節目に際し、「日中関係が順調に進展していることをうれしく思う」と述べ、関係改善を加速させる考えを強調。今月下旬の訪中に触れ、習近平国家主席との会談への期待も示した。宋氏も「持続的な改善とさらなる発展を実現させたい」と応じた。
日本が支那と友好的に付き合おうという姿勢を見せることそのものは、戦略的に行わなければならない時期に来ていると言って良い。
外務省のチャイナスクール辺りが、支那に救いの手を差し伸べるべきだ、というようなスタンスで臨んでいる気がするのだが、安倍氏がそれに乗せられる必要があるのかどうかは非常に疑問である。
今、「消費税10%」だとか「支那との友好関係改善」を口にするのは、財務省や外務省辺りを憲法改正前に黙らせておきたいという思惑があるからなのかもしれない。

しかし……、一歩間違えると将来に向けて禍根を残しそうな気がするんだよね。それ程までに事態は緊迫してきている気がする。



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コメント

  1. 韓国の戦時統制権は未だアメリカが握ってますよね。
    その状況でアメリカが調印していない軍事協定に如何程の意味があるのでしょうか。
    飛行禁止空域についてもアメリカきらすれば知ったことではないのでこれまで通り飛行しようが偵察しようが問題ないと思いますけどね。

    まぁ、仰る通りレッドチーム入りしている韓国を信用すると言うか味方扱いすること自体が間違いですね。
    文在寅が金正恩の使用人なのは間違いないですから、寝首をかかれない様に韓国も常に監視して、一線を越えたら韓国もまとめて経済制裁するだけですよね。

    関係ない話ですが、今度ニュージーランド、オーストラリア、カナダの対潜哨戒機が日本に来るとか。
    TPP加盟国という点も気になりますが、アジア・太平洋地域の国々で団結して中国の紅い帝国に対抗したいですね。

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    1. 現実的に考えると、韓国の採っている政策は「自殺願望があるの?」としか思えないワケなんですが、彼らには彼らの矜持があるのでしょう。

      外国の哨戒機の件ですが、ようやくアメリカ以外の国との連係と言うことも視野に入れることができる様になってきたという事なのでしょう。喜ばしい事です。

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  2. 在韓米軍を撤退させるのに良い口実。北に統一させて、
    ロシアが管理する事になれば、中露国境が続く事になる。
    在韓米軍は沖縄米軍の半分と共に台湾に駐留すると・・
    普天間に置いておいた方が良かったアルのブーメラン。
    さらに対馬にも、沖縄米軍の一部を駐留させれば、補助金
    は入るし、お隣の国々はさらに困るかしら。

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    1. アメリカにとってはロシアも一筋縄ではいかない相手だと考えているでしょうから、喜ばしい事とは考えないと思いますけど、日本としてはロシアとの距離が近くなると言う意味でもちょっと困るのかも知れません。

      今後が非常に気になりますね。

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