オスプレイを貶める印象操作

まあ、マスコミ、というか沖縄タイムスの所行である。これくらいの印象操作は当たり前であろう。

オスプレイ騒音大 CH46より10デシベル以上

2012年11月10日 10時01分

 【名護】垂直離着陸輸送機MV22オスプレイとCH46ヘリコプターの訓練時の騒音レベルを比べるとオスプレイの方が10デシベル以上も大きいことが9日、明らかになった。

 両機による訓練が8日、名護市の国立沖縄高専裏のヘリパッドで確認されており、琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境工学・騒音)が高専屋上に設置した騒音計で調べた。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-10_41321

これだけ読むと、オスプレイの方が五月蠅いじゃん!となる。が、果たしてきちんと測定されたデータに基づく結論なのかは甚だ疑問だ。


 オスプレイ2機が編隊飛行した午後0時16~40分の間で最大94・9デシベル、等価騒音レベル(音の平均値)77・0デシベルを測定。CH46ヘリ1機の訓練(午後1時25分~同2時10分)で最大84・5デシベル、等価騒音レベル66・0デシベルを測定した。

 渡嘉敷准教授によると、2機編隊でも重なって飛ぶことはできないため、騒音レベルの数値に大きな影響はないという。

これが、暴騰の記事の続きなのだが、普通の感覚を持つ人ならば、幾つもおかしな点に気がつくはずだ。

> オスプレイ2機が編隊飛行した

> CH46ヘリ1機の訓練

騒音源がオスプレイ:CH46で2:1である。これだけでもあからさまに不公平だ。

騒音源が2つだと音が増幅される可能性を考慮しなければならない。また、等価騒音レベルで比べているが、この比較の仕方にも問題がある。これは後述する。

 

そして、最大の問題は、オスプレイの飛行ルートとCH46の飛行ルートがハッキリしていない点だ。

近くを飛んだヘリの方が五月蠅いに決まっている。

測定地点とヘリパットの位置は移動しない。しかし、オスプレイとCH-46の飛行ルートは記事から明らかではないので、侵入角度や高度、が同じであったとは言えない。

 

無論、測定地点である名護市の国立沖縄高専の屋上にて、より五月蠅くない、ということが重要な点は分かるが、オスプレイよりCH46の方が静かだ、という結論には論理飛躍にも程がある。

午後0時16~40分(29分間)の測定値より、午後1時25分~同2時10分(45分間)の測定値の方が五月蠅かった(騒音の最大値が高かった)、というのが妥当な結論であろう。


さて、「オスプレイは最大94・9デシベル」「CH46は最大84・5デシベル」と、騒音の最大値を比較した点は、オスプレイの方が騒音が大きくなる、という結論に至ってもおかしくはない。

ただ、先ほど述べた増幅の問題があるので、本来ならば単機で飛行した場合で、最大騒音レベルになったときの測定地から騒音発信源までの距離が等しいことが前提となる。

編隊飛行をして、騒音が増幅するというのは、可能性の一つに過ぎない。だから、無視しうる条件かも知れないが、公平を期すためには2:1で比べるべきではないのである。

また、距離の問題も、オスプレイの通過した位置が高専屋上により近かったら、CH-46の最大騒音レベルの方が低く出て当然なのだ。が、その辺りについては何ら言及されていない。

よって、最大値の比較というのは、複数の前提が成り立たない限りは、意味を成さないことは理解頂けると思う。


では、等価騒音レベル、というのは一体何だろうか?

等価騒音レベルとは、不規則かつ大幅に騒音レベルが変動している場合に、測定時間内の騒音レベルのエネルギーを時間平均したもの、という風に定義される。

 

すると、前提は2つ。同じ時間で平均したのか?という点が疑問になってくるのと、同じ条件で測定したのか?という点が疑問になる。

記事に出ている測定時間はオスプレイの方が短くCH-46の方が長い。この時点で、幾つか疑問が出る。

そもそも、このケースにおいて同じ条件で等価騒音レベルを出すことが出来るのか?というのが1点。同じ時間で切り取ったのだとしたら、CH-46側はトリミングされたことになるが、どの時点の平均を使ったのか?と言うのが1点。むろん、同じ時間で切り取らず、平均を出すということも考えられるが……、いずれにしても比較に意味があるのか疑問になる。

等価騒音レベル(LAeq)

また、オスプレイは編隊飛行をしても、重なって飛ぶことは出来ないということらしい。本当かどうかは定かではないが、この話が正しいとすると、少なくとも測定時においては並んで飛んでいたのだろう。

ただ、「並んで」という点も問題がある。測定地点に対して常に重なった状態であった、というのでなければ、同じ条件とは言えない。

また、同じヘリポートに着陸するのでなければ、遠くに着陸する方の騒音レベルは小さくなり、数値に影響しにくくなる。だが、それでは「重なって飛ぶことは出来ない」という理由で影響を排除するのはおかしい。同じヘリポートを使って発着訓練をしていたのだとしたら、それこそ「同じ条件での比較」にならなくなってしまう。

更に、通過する速度にもこの等価騒音レベルは影響してくる。ヘリパットへの侵入ルート、ヘリパットへの着陸訓練内容、平均する時間の差なども含めて色々数値に影響してくるだろうと考えられる。

 

つまり、どういう事かというと、比較する手法に大きな問題がありそうだということだ。

沖縄タイムスは大学の准教授のデータだから信頼が置ける!とでも言いたいのかも知れない。

が、そうならそうで、もう少し測定条件が公平であった、と、分かるような記事にならなければ説得力がない。


結論、琉球大学の渡嘉敷健准教授のデータを引用した記事は、全くあてにならない。

沖縄タイムスにしてみれば、オスプレイの方が五月蠅かったという結論さえ得られれば、枝葉末節の部分は関係ないのだろう。

表題の「オスプレイ騒音大 CH46より10デシベル以上」という部分も明らかにミスリードを誘う目的である。

記事をしっかり読めば、測定結果に意味が無いことくらいは直ぐに分かるのだが、タイトルだけ見て興奮する方がにとっては、都合が良い記事なのだ、と、その様に理解出来る。

こんなことをするからマスゴミとバカにされるのである。

 

トコトンやさしい振動・騒音の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

ランキングへの応援クリックよろしく!
人気ブログランキングへにほんブログ村 オヤジ日記ブログへ