0増5減案は駄案なのか

正直、間に合わせっぽい雰囲気のある自民党の0増5減案だが、僕は悪い案であるとは思っていない。

0増5減、実現急ぐ=野党は抜本改革主張—政府・与党

時事通信3月26日(火)12時58分
 菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、定数削減を含む衆院選挙制度改革について「それぞれの国会議員が真摯(しんし)に受け止め、速やかに是正に向けて対応する必要がある」と述べ、関連法案の今国会成立に向け、与野党協議の進展を求めた。
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0326/jj_130326_1736565968.html

野党としては、立場上の問題があってなかなかこの0増5減案を飲むことは難しいだろうが、国民にしてみれば実現してしまった方が実益に叶う話になる。


正直、この話は去年の1月辺りから全く進展していない。
0増5減案など、菅直人が首相をやっていた頃からの話であって、自民党の案も進歩が無いと言えば進歩が無い。が、手っ取り早く一票の格差とやらを是正しようとするのであれば、0増5減案は悪い案ではない。

一応、0増5減案について、説明しておこう。

政府の衆議院議員選挙区画定審議会は、福井・山梨・徳島・高知・佐賀の5つの県の小選挙区を、それぞれ「3」から「2」に減らして1票の格差を2倍以内に収める「0増5減」の法律に基づき、26日の会合で具体的な区割りの改定案を固めました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130326/t10013467871000.html
単純に小選挙区の定数を減らし、一票の格差が縮まる様に均す、それだけの話である。

問題は、急場凌ぎの案に過ぎないことと、0増5減案が実現すれば、直ぐにでも解散総選挙が可能だと言うことである。
 自民党の石破茂幹事長は会見で、野党側が定数削減や抜本改革を併せて進めるよう主張していることについて「何より優先するのは憲法上の要請に応えなさいということだ」と反論。公明党の山口那津男代表も「0増5減の緊急措置を早急に仕上げる必要がある」と述べた。 これに対し、民主党の高木義明国対委員長は会見で「新しい局面だから、法案審議ができるなら早急に対応する姿勢を持つべきだ」と、0増5減の先行処理に前向きな考えを示唆した。 
 一方、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長は会見で、0増5減について「高裁判決で(不十分と)言及されている。区割り審の今の作業はいかがなものか」と述べ、衆院議員選挙区画定審議会が28日に行う勧告の有効性に疑問を呈した。みんなの党の渡辺喜美代表も役員会で「民主主義の基本に反する制度を抜本的に変えていかないといけない」と主張した。 
自民党の勢いのあるこの時期に格差が解消してしまうと、夏までに解散総選挙というシナリオはもはや避けられない。
そうしたときに、今の野党には打つ手無しでぼろ負けする可能性が極めて高いのである。

民主党などは、「安倍政権の正当性を揺るがすものだ」などと、頭の悪い発言しかしない。
「1票の格差」が最大で2.43倍だった昨年12月の衆院選挙をめぐって弁護士グループが選挙の無効を求めた訴訟で、広島高裁が同日、広島1区・2区の選挙を違憲としたうえで選挙を無効とする判決を言い渡したことへの受け止めを記者から問われ、「先ほど速報を見て衝撃をもって受け止めた」とコメント。「初めての無効判決なので、広島1区、2区と限定しているが、全体として今議席を得ている衆院議員、さらには議院内閣制であるから政権そのものも含めて正統性に非常に厳しい判断が下されたということである」と指摘した。
だが、この戦略は宜しくない。成果を出している安倍政権の正当性を問うと、早急に一票の格差を解消して解散総選挙!という風に言われかねないのである。
このため、細野氏は「定数削減」を代案として提唱しているが、この案は他の野党の賛同を得られないばかりか、民主党の首を絞めかねない駄案である。

> 民主党の高木義明国対委員長は会見で「新しい局面だから、法案審議ができるなら早急に対応する姿勢を持つべきだ」と、0増5減の先行処理に前向きな考えを示唆した。
国対委員長である高木氏は早速細野氏の発言を修正しにかかってきたが、0増5減案を飲むのも下策、定数削減は更に下策と、良いところ無しだ。

> 日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長は会見で、0増5減について「高裁判決で(不十分と)言及されている。区割り審の今の作業はいかがなものか」と述べ、衆院議員選挙区画定審議会が28日に行う勧告の有効性に疑問を呈した。
日本維新の会は、適当な代案を提示できないでいる為体だ。
> みんなの党の渡辺喜美代表も役員会で「民主主義の基本に反する制度を抜本的に変えていかないといけない」と主張した。
みんなの党は、いつでもまともな話が出来ない。抜本的にどう変えるのか?という案が提示できないで、何をか況んやである。

記事には出ていないが、共産党は凄い案を出している。
 「見直し」案は、現行の総定数242を維持しつつ、都道府県単位の選挙区と全国比例区をいずれも廃止したうえで、全国を九つのブロックに分割。政党名か個人名で投票する「非拘束名簿式」による比例代表選挙を採用し、今年の参院選当時(7月)の有権者数に応じて定数を各ブロックに比例配分することで、1票の格差を最大1・153倍にまで抑えるとしています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-23/2010122301_03_1.html
いやいや、非拘束氏名簿式による比例代表選挙など、一番実現性のない話である。
事実上の全国区制の復活という話になってしまうが、全国を9ブロックに分けての選挙となるので、全国区制よりは欠点が少なくなるメリットはあるだろう。
ただし、当選者は地方から選出されるわけではないので、地方色はかなり薄れることになる。そして、タレント色の強いネームバリューによる選挙になる一方で、個人の掲げる政策と乖離した政党の政策を支持する結果になりかねない。また、ブロック内の各地を遊説して回らねばならず、選挙費用も膨大な金額を必要とし、結局バックについた組織の強さで政治色が決まってしまうという欠点を内在させる。

小選挙区制が良い、或いは中選挙区制に戻す、みたいな話はあるかもしれないが、大がかりな選挙制度の改正は、時間も費用もかかるのでとても夏の参議院選には間に合わない。

そう言う意味では、石破氏の建前は説得力はある。
「何より優先するのは憲法上の要請に応えなさいということだ」
0増5減案は、間に合わせの手法ではあるが、少なくとも夏の参議院選に間に合う話となる。
小選挙区制度には、死票が多く、票差が少ないにもかかわらず議席数の差が開きやすいという問題点をかかえている。だから、0増5減案だけで法の下の平等が確保できるとは言えないのだが、やらないよりはマシだ。

政党間の綱引きはもっと激しくなるだろうが、政策実現において早さに勝る効果は無いのもまた事実である。先ずは0増5減案の実現が先決だ、と、僕は思うのだが。

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