自民党の訳の分からない選挙改革案

0増5減案については、このブログでもさっさとやれという立場で記事を書いてきているが、未だによく分からないのがこちらである。

選挙制度改革どこまで本気?

2013.3.30 18:00

 自民、公明、民主の3党の幹事長は29日、国会内で会談し、お互いの選挙制度改革案を提示した。与党側は選挙区定数を0増5減し、比例代表定数は30削減した上でうち60を得票2位以下の政党に議席配分する「中小政党優先枠」を導入した案を示した。一方、民主党は選挙区定数を30削減し、比例定数を50減らす案を示した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130330/elc13033018000001-n3.htm

これは、産経新聞の一部抜粋なのだが、他の野党の案も意味不明だが、与党である自民党も意味不明の提案をしている。


あまりに意味不明すぎて、記事では触れてこなかった。

もう少しまともな情報は無いのか?という事で、探していたのである。が、結局こんな訳の分からない話しか出てきていない。

 与党案にある「中小政党優先枠」は、比例代表獲得議席数で中小政党にげたを履かせるものだ。大ざっぱに言えば、比例得票第1党は、比例代表定数150のうち90議席分でしか戦えない。「政党間での一票の格差」を新たに生み出すことになり、投票価値の平等に反する。

 細田氏は中小政党優先枠を導入した理由について「昨年12月の衆院選で比例得票率27・6%の自民党は全480議席で61・3%を占めた。(自民党の獲得議席は)有権者の意思よりも拡大していないか」と説明する。

どうやら、この「中小政党優遇枠」というらしい、この案、小選挙区制度の対策らしい。比例代表獲得議席数で中小政党にげたを履かせることで、中小政党に優遇しようというのである。

確かに、小選挙区制では死票が多いのは事実だ。

だが、小選挙区制の問題を比例代表制の方で修正するというのは、誰が考えてもおかしな話である。そんなに小選挙区制が問題ならば、それこそ日本共産党が提唱する全国を9ブロックに分割した非拘束式比例代表選挙にしてしまえば良いのだ。


そもそも、司法が選挙制度に文句を付けたからといって、ホイホイと一票の格差を厳密に是正しようなどという方向に舵を切ること自体がおかしい。

 

 「1人別枠方式」とは、47都道府県にあらかじめ小選挙区1議席を割り振り、残りを都道府県の人口に応じて比例配分する方式だ。過疎地域の意見を国政に届けやすいようにするとの観点から導入されたが、最高裁からダメ出しを食らってしまったわけだ。

最高裁が指摘した「1人別枠方式」について、最高裁は「文句を言っただけ」なのだから、「過疎地域の意見を国政に届けやすいようにするとの観点」をしっかり主張すれば良いではないか。

 

国全体のことを考えるのが政治家の仕事なのだから、地方議員が居なくても問題ない、という理想論に凝り固まった主張をする人間が居るが、しかし、それが出来るのであれば、政治腐敗などしないわけで。

現実を考えれば、一票の格差をある程度犠牲にしたとしても、過疎地への配慮はすべきではないのか?と、僕は考えている。無論、「1人別枠方式」が採用されたからと言って、過疎地問題が消えて無くなるわけではない。だが、どちらがマシか?という議論になる話だ。

最高裁大法廷は、投票権の価値の平等、すなわち、1人1票の実現を阻む主たる要因ともいえる「1人別枠方式」(衆議院議員の定数を配分する際に、まず都道府県に1人ずつ割り振り、残りの定数は人口比例によって配分すること)を『憲法の投票価値の平等の要求に反する』とし、これを廃止するなど『できるだけ速やかに本件区割基準中の1人別枠方式を廃止し、……、投票価値の平等の要請にかなう立法措置を講ずる必要がある』としました。

http://www.magazine9.jp/juku3/110330/

最高裁大法廷での1人別枠方式に関する論旨を紹介しているところがあったが、最高裁は原理原則を唱えただけで、何ら問題ではないのだ。

 

そして、最高裁の立場からすれば、憲法を第一に考えるのが当たり前である。

日本の裁判所は、如何にそれが悪法であったとしても、基本は法律に沿った判断をすべし、というのが、大前提で物事を判断するところなのだから。


僕としても1人別枠方式に特に拘るつもりはないが、そんなに憲法が問題だと言うのであれば、憲法の法を改正する、っていう手段だってある。

国政をどのようにデザインしていくかは、正に政治家の仕事であって、党利や私利私欲のために国政をオモチャにしてはいけないのである。

 

 ▽100パーセント

 麻生太郎副総理兼財務相 選挙制度ばかりは世界中どこにもベストな制度は存在しない。どこかが良けりゃどこかが悪い。100%なんかない。(衆院選挙制度改革について派閥会合で)

選挙制度について、どこか本気で議論する気になっていないのは、与党も野党も呉越同舟である。

麻生氏の発言から伺えるのは、政治家にとって選挙制度自体はそれ程大切ではない、と考えているのだろう。

僕自身も、麻生氏の発言は正しいと思っている。誰も彼もが納得するような選挙制度など存在しないし、一票の格差是正を金科玉条のように振りかざして「違憲、違憲」と大騒ぎするのもどうかと思う。

 

こうした、本気になれない態度が、自民党の訳の分からない選挙制度改革案に現れるように、国民に対して理解しにくいものとなっているのだろう。

選挙制度の話は特に、政治家は国民の方を見ては居ないのだ。


とはいえ、文句だけ言っても、仕方が無い。

僕個人としては小手先の改善、と言われようと0増5減案を推し進めること。自民党の提唱するような中小政党優先枠など導入せず、さっさと選挙制度の見直しにかかること。

死票が多いと言うのであれば、問題ありとして中止された中選挙区制度に戻すのも一案ではないか?中選挙区制度は、1993年に選挙制度改革を争点とした選挙で、自民党が負けて下野したために廃止され、小選挙区制度が導入された。

その理由は、同じ選挙区内で同士討ちが発生するから金権選挙が横行する元凶となるので金権政治が横行するというものであった。だが、小選挙区制度になったからと言って、金権政治がどうにかなったという印象もない。

比例代表選挙制度は、個人に投票すると共に政党にも票が流れる方式になるので、本当に国民の声が反映された結果となったとは言い難い。故に、全てを比例代表式に、というのは問題が多いと思う。であるならば、それに近い中選挙区制度を復活させるというのは、一つの手だと思うんだが。

裁判百年史ものがたり (文春文庫)

ランキングへの応援クリックよろしく!
人気ブログランキングへにほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ