沖縄の負担と海兵隊の一部機能をグアムに移転と

2006年辺りからの話なので、なかなか時間がかかっている話なのだが、沖縄の負担軽減という面について、こうした話も理解しておく必要があるだろう。

海兵隊グアム移転推進で日米一致

2013年7月4日 16時23分(19時間6分前に更新)

 【ワシントン共同】米ハワイ訪問中の小野寺五典防衛相は3日、太平洋軍司令部があるキャンプ・スミスでロックリア司令官と会談し、在沖縄海兵隊のグアム移転を着実に推進していくことで一致した。小野寺氏は、米軍普天間飛行場に配備されている新型輸送機オスプレイの県外での訓練実施に協力を求めた。

支那がきな臭くなってきているので、直ちに移転が望ましいかどうかはよく分からないのだが。


とはいえ、この話、しっかり理解する必要はある。

 会談では、ロックリア氏が、軍事的な比重をアジアに移す米軍のリバランス(バランス調整)戦略の現状などを説明。両氏は日米両政府が合意した嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)より南の基地返還の促進について意見交換したとみられる。急激な軍備増強を続ける中国軍の動向に関しても議論した可能性がある。

これだけではさっぱり分からないので、政府公報の方を参照しよう。

基本は、2012年4月に合意した約9000名の海兵隊員要員及びその家族の移転、というのが今回の話のベースになっている。2012年4月と言えば、民主党政権時代である。が、元は、中曽根氏が骨を折った話なので、民主党の手柄、というのはあたらないが。

「在沖米海兵隊のグアム移転について」(PDF:218KB)


まあ、それはともかく、そもそもこの話は米軍の兵力再編計画の一環として持ち上がった話であり、そもそも沖縄の負担軽減が目的なのではない、というのがポイントである。

そして、沖縄からグアムへ移転するのは、後方支援部隊であって歩兵や砲兵、ヘリコプター部隊ではない。つまり、この移転に関して海兵隊の兵力が沖縄から欠ける、という話ではない事を先ず理解する必要がある。

 

すると、どこから沖縄の負担軽減という話が出てきたのだろう?

答えは簡単。沖縄の負担軽減というのは建前の話であり、現実はアメリカ軍の軍備再編計画に日本がその費用の一部を肩代わりする理由付けが欲しかったと、それだけの話である。

無論、このグアム移転に伴う沖縄の負担軽減、というものはお題目として依然として存在し、政府も本気になってそれに取り組む姿勢を示してはいる。が、元々は沖縄負担軽減が目的ではないということは理解する必要がある。


9000名の米海兵隊要員及びその家族の移転、というのも誤解し易い内容だ。

9000名も米海兵隊が減るのか!と、思ったら、その家族を含んで約9000名である。仮に3人家族であったすれば、海兵隊員は3000名程度の削減。一家で5人、6人ということもあるだろうから、2000人~3000人の海兵隊員の削減が関の山だろう。

 

そして、沖縄駐屯の海兵隊員が1万2000人程度である(米国はその数を公表していない)ことから考えても、3000名程度の移動であろうと言うことが予想される。そりゃそうだろう。後方支援部隊とその家族が移転対象なのだから。

 

だが、そうだとすると、果たして日本が直接28億ドルもの負担、間接的にはその倍以上の負担が噂されるが(2006年ロードマップでは、そもそも日本負担は60.9億ドルであり、その当時も直接的な財政支援は28億ドルであった)、それは必要なのだろうか?

2012年4月の共同発表内容では、日本負担があたかも減ったように見えるが、実際は何も変わっていない。それどころか、総額102.7億ドルであった2006年の計画が、86億ドルに修正されたにも関わらず、日本の財政支援額が変わらない(比率は増えたことになる)というのは、些か納得できない話だ。


無論、基地の移転により沖縄の土地が返還される。この点は素直に評価したい部分ではある。

尤も、問題が無いわけでは無いが。

米軍跡地で土壌汚染/沖縄、浄化は請求できず/根本は日米地位協定

 日本側に返還された米軍のキャンプ桑江(沖縄県北谷町)跡地で、米軍の燃料とみられる油による土壌汚染が見つかったことが22日、分かった。共同通信が入手した防衛省沖縄防衛局の今年の調査報告書で判明した。ベンゼンや鉛といった他の有害物質の汚染や、調査範囲を超えた汚染の広がりがある恐れが強く、沖縄防衛局は「さらに調査する」としている。

この汚染、日米地位協定のお陰で日本側が手を打たねばならない。

 同キャンプを含め沖縄の米軍基地跡地では過去にも汚染が発覚しており、基地が返還後も問題をもたらす実態が今回あらためて浮き彫りになった。日米地位協定では米軍に汚染浄化や補償の義務がなく、土壌は日本の負担で処理される見通し。

更に、汚染の度合いも多い。

 複数の分析担当者が臭いの強さを評価した結果、20地点のうち19地点で基準を超えた。揮発しやすいジェット燃料やガソリンによる汚染の可能性が高く、報告書は「地下水とともに移動して広範囲で汚染が確認された」との見方を示した。ジェット燃料やガソリンはベンゼンや鉛を含むため、こうした物質による汚染の恐れもある。

これで、アメリカ側が回復責任を負わないときているから、質が悪い。

  • キャンプ桑江:全面返還。
  • キャンプ瑞慶覧:部分返還及び残りの施設とインフラの可能な限りの統合。
  • 普天間飛行場:全面返還(上記の普天間飛行場代替施設の項を参照)。
  • 牧港補給地区:全面返還。
  • 那覇港湾施設:全面返還(浦添に建設される新たな施設(追加的な集積場を含む。)に移設)。
  • 陸軍貯油施設第1桑江タンク・ファーム:全面返還。

http://www.mod.go.jp/j/press/youjin/2006/05/0501-j02.html

返還計画に含まれる土地は、かなりの部分で汚染が予想され、返還が進めば更に色々分かってくることもあるだろう。


僕はこのブログで色々書いてきた通り、沖縄にある米軍基地に関して、現状必要であるという点で異論は無い。

しかし、将来的に必要かと言われれば、日本がその機能を肩代わりできれば不要であると考えても居る。これは石破理論をベースにしている部分もあるので、偉そうな事は言えないのだが。

ともあれ、日本政府がこのような状況を受け容れざるを得ないのは、偏に防衛力をアメリカに頼っているからに他ならない。

他国の軍隊を自国に駐留させると言うことは、駐留している相手国の軍隊を完全に信用しかつその力に依存することを意味する。不祥事が出てこれば揉み消すような話も出てくるだろう。

何しろ、その他国の軍隊を、国内に駐留させていることで、その軍隊が政府と敵対するようなことがあれば、致命的な結果を招きかねない。

 

戦後レジームの脱却、などと小難しい事を言っていた安倍氏は、以前総理であった時もそのようなことは念頭に置いていたのだろう。が、直接アメリカに楯突くようなスタンスになった結果、見事に政権は潰えてしまった。

今回は、自国防衛という点に力点を置いているが、やろうとしていること自体は同じである。寧ろ、狡猾になった、或いは老獪になったと言っても良い。

支那や韓国に対してもそうだが、アメリカに対してもしっかりとモノが言える、そういう政府であって欲しい、と、心から思うので、安倍政権を応援している次第だ。


本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド

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