バイデン氏の発言にパンダハガーの米国浸食を見る

一部報道では、米国の副大統領バイデン氏の訪日の際の発言を持ち上げる感じになっているが、僕としては余り良い状況に無い様に思う。

バイデン米副大統領、「中国に懸念伝える」 アジア歴訪

2013.12.04 Wed posted at 14:46 JST

(CNN) アジア歴訪で来日したバイデン米副大統領は3日、安倍首相との共同記者会見で、次の訪問国となる中国では、同国が設定した防空識別圏に対する米国の懸念を伝えると言明した。

バイデン副大統領は、「東シナ海の現状を一方的に変更しようとする動きを米国は深く懸念している」「中国指導部との会談では、その懸念を具体的に直接表明する」と述べた。

結局、アメリカはオバマ政権路線から一歩も外れることは無い、ということだろう。そして、オバマ氏は外国のことに余り興味を示さない。


そして、僕の懸念はバイデン氏の支那での会談によってより一層補強される結果になった。

バイデン副大統領、習首席と会談 「深い懸念」伝達

2013.12.05 Thu posted at 09:39 JST

(CNN) アジア歴訪中のバイデン米副大統領は4日、北京で習近平(シーチンピン)国家主席と会談し、中国が東シナ海上空に独自に設定した防空識別圏に対する米国の「深い懸念」を伝えた。同行している米政府高官が代表取材で明らかにした。

米当局者によると、バイデン副大統領はさらに、米国は中国が設定した防空識別圏を認めないと強調した。これに対して習首席も中国側の主張を展開したという。「最終的に習首席は、副大統領が言ったことを理解した。あとは中国次第であり、今後数日から数週間の展開を見守りたい」と米当局者はコメントしている。

ただ、公の場では緊張関係をうかがわせる発言はなく、習首席はバイデン副大統領を「昔からの友人」と呼んで友好ムードを演出。「我々は双方が積極的に、二国間、地域、世界的なレベルで協調と協力の拡大に努めてきた」と述べた。

このような事態になっていることは、安倍氏を初めとする日本政府にはある程度理解されているようだし、昨日のアンカーで青山繁晴氏が解説していた内容も、そんな感じであったかと思う。


さて、何が言いたいのか、具体的に説明していこう。

> 「東シナ海の現状を一方的に変更しようとする動きを米国は深く懸念している」「中国指導部との会談では、その懸念を具体的に直接表明する」

この発言、支那が防空識別圏を拡大したことに懸念を表明しているように読める。が、多分、言葉通りの意味に捉えるべきだ、と僕は思う。

「東シナ海の現状を一方的に変更しようとする動きを米国は深く懸念している」とは、つまり、これまで日本と支那との間で棚上げ状態になっていた尖閣問題のことを指摘しており、日本側にも支那側にも、文句を付けている、と、その様に理解出来るのだ。

無論、和訳の際に色々な意図が入った可能性はあるので、英文をソースにすべきなのだろうが……。

 

> 中国が東シナ海上空に独自に設定した防空識別圏に対する米国の「深い懸念」を伝えた。

そして、バイデン氏は習近平氏と会談するにあたり、このような発言をしたわけだが、同時に支那側に対する配慮も見せたわけだ。

> 「我々は双方が積極的に、二国間、地域、世界的なレベルで協調と協力の拡大に努めてきた」と述べた。

事実、習近平氏はこのように発言し、バイデン氏との対立状態を生み出すことは無かったようだ。防空識別圏拡大についてはバイデン氏が注文を付けたようだが。


結局、アメリカにとって、日本と支那が揉めるのが嫌なのであって、最終的にアメリカと支那が敵対することを良しとしていないのである。

 

これは、アメリカ国務省がフライトプラン提出容認をしたという事態からも伺える。

米 中国への飛行計画書提出を「容認」

11月30日 18時59分

中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定し、飛行する航空機の飛行計画の通報などを求めていることについて、アメリカ政府はアメリカの航空各社が中国当局にフライトプラン=飛行計画書を提出することを容認する立場を明らかにしました。
一方で、「中国の要求を受け入れたことを意味するものではない」としています。

結局、この騒ぎは日本側から事実関係が確認された上で、フライトプランの提出は無しの方向で決着が付いたようだ。が、アメリカ国内も一枚岩では無いことを伺わせる話である。

つまり、アメリカ国内では支那のメンツをたてたいという、パンダハガーの一派が居ることで、支那の思惑通りに進めたいという力が作用している可能性が高いのだ。


更に、加えてこのような動きもあった。

日韓摩擦「米国は仲裁役しない」 米副大統領、対話促す

2013.12.5 13:19 [日韓関係

 日中韓歴訪中のバイデン米副大統領は5日付の韓国紙、朝鮮日報との書面インタビューで、日韓の歴史や領土をめぐる摩擦について「米国は仲裁役はしない」とした上で、「両国が対話を通じ問題解決に努力するのは米国にも大きな利益だ」と述べ、2国間での解決を促した。

個別の事案のようにも思えるが、実際の所、アメリカ政府がアジアの状況にタッチしたくないのがよく分かる。

アメリカ軍がB-52を出勤させた際にはアメリカの決断力と行動力に、羨望の眼差しすら向けた訳だが、よく考えてみればこれは国防総省の決断であって、アメリカ政府が追認した形に過ぎない。

オバマ政権は、日本も支那もたてるようにバランス取りに必死と言うわけだ。


そして、この一件で明らかになったことは、オバマ政権もバイデン氏も支那寄りの達位置に居ると言うことだ。

アメリカ軍部は、アジア防衛のためには日本との連携を、と考えていることは色々な状況から伺えるが、一方で、アメリカ政府の経済面を考えれば、支那との経済面での連携は続けていきたいと考えているようなのである。

日本でもこのような状況は見て取れるわけだが、安倍氏と安倍内閣の方向性は、支那との対決姿勢(戦争をするという意味では無い)というか対立姿勢を強めているのに対し、オバマ政権は、支那との協調路線を進めたがっているのだ。

 

青山氏によれば、アメリカ国内に勢力を持つパンダハガーと呼ばれる親支那派の政治家達の動きが活発なので、このような事態となる、と言う話に解釈されるらしいのだが、僕も、その解釈は納得できるように思う。

 

交戦規定を整備しろ

という昼間の記事にも書いたのだが、日本は支那が日本側に武力を持って対応してきた際に、抵抗する術を未だ持たない。

これは甚だ危険なことだ。

今回の特定秘密保護法の背景にあるものや、日本版NSCの設立など、日本政府が性急とも思えるような法整備を急いでいる理由に、韓国はもとよりアメリカの軍事力をあてにしていては、日本の国民を守れない事態に陥っている、ということを、政府与党の人間が強く認識しているというものがあるように感じる。


正直、僕としては戦争は勘弁願いたい。

だが、有事にすら備えられない日本の現状は、もっと勘弁して欲しい。

アメリカとて、どんな場合にも日本の味方という訳では無いのである。そして、そのことを安倍政権はバイデン氏によって突きつけられたということになる。

以前から分かっていたこととは言え、直接これを言われたという事実に、僕は動揺を隠せないわけだが。

 


日本防衛秘録

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