韓国専門家が指摘する北朝鮮のミサイルの恐怖

そうねぇ、確かにそういう危険性はある。

北の核ミサイル 発射後11分超でソウル着弾=韓国専門家

聯合ニュース 1月15日(水)19時22分配信

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が弾道ミサイル「ノドン」に核弾頭を搭載して韓国に発射すれば11分15秒後にソウルに着弾するとの分析が出た。しかし韓国軍の現在の防御システムでは北朝鮮の核ミサイルを迎撃することは事実上不可能で、「発射・上昇段階-中間段階-最終段階(上層/下層)」というミサイルの軌跡で多段階での迎撃能力を確保しなければならないという。韓南大のチェ・ボンワン教授(国防武器体系・M&S研究センター長)が15日、国会で開催されたセミナーで発表した。

ただ、昨日今日分かった話でも無いでしょうに。


この専門家を主張する韓国の教授は、要は韓国軍が現在計画している「キルチェーン」システムにTHAADシステムを導入しろ、と言う事が言いたいようだ。

この関係については、このブログでも以下のような記事を書いている。

韓国ミサイル防衛計画 (2013/10/14)
韓国、PAC-2の修理をする (2013/10/15)
韓国型MDが本格化 (2013/11/13)

全部読んで貰うのは手間なので、韓国のミサイル防衛構想の概略だけ説明しておこう。

  • 韓国軍、お金が無くてドイツから中古のPAC-2を購入
  • PAC-2は中・長距離ミサイル防衛用に配備するも、故障が続出
  • 中距離地対空ミサイルはロシアと共同開発の天馬IIを配備予定
  • 短距離空対空ミサイルは天馬と呼ばれる無資格業者が整備したという騒ぎのあるモノを配備している

これだけだとザックリしすぎているので、一応説明を。

 

元々、ミサイル防衛に関してはアメリカのシステムを導入する流れで、韓国軍はPAC-2などを導入していた。PAC-2は湾岸戦争でスカッドミサイル迎撃に使われて有名になった感があるが、弾道ミサイルなどを迎撃する能力を有している。

だが、韓国軍がこれを購入するにあたり、正規品をアメリカから購入する代金を用意出来なかったために、ドイツからPAC-2の中古品を購入するという決断をした。

アメリカは現状PAC-3のConfog.3形態を運用しており、韓国もPAC-2導入当時、本来なら韓国軍もPAC-3が欲しかった。だが、お金が調達できずに断念して中古品でお茶を濁す。このPAC-2も故障しても修理が出来ないとか4ヶ月故障したまま放置とか、アメリカに直して貰うとか散々である。

今後は、PAC-2からPAC-3にアップグレードする計画もあるようだが、11月の段階ではアメリカからPAC-2の最新版を112基買ってミサイル網を増強する予定らしい。

 

そして、このPAC-2は韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)と呼ばれる環境の構築の一環だと定義されている。

保有するPAC-2は主に長距離・高高度対応用としている。

中距離SAMは、韓国中距離地対空ミサイル(KMSAM)天馬IIと呼ばれるであろうシステムを開発中である。天馬IIはロシアのS-300対空ミサイルを元にした中距離SAMで、開発自体は2010年に終了していると言う噂なのだが配備されたという話を聞かない。

短距離SAMはトンマじゃなかった天馬と呼ばれる地対空ミサイルが担当する模様。

韓国陸軍、地対空ミサイルの整備を無資格業者が行う (2013/12/18)

最近、無資格業者が整備していることが発覚して騒ぎになってたけど。

 


雑になってしまったが、長距離がPAC-2で中距離が天馬II、短距離が天馬という多段防衛を構想しているのが「キルチェーン」システムで、韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)の一角を成すわけだ。

これに加えて、イージス艦などに配備されるSM-2を用いて陸と海からミサイルを防衛しようという考え方のようなのだが……、これだけでは足りないという話も出ている。

韓国、高高度防衛システムも検討 (2013/10/16)

高高度防衛(THAAD)システムは、アメリカが開発した大陸間弾道ミサイルなどを防衛するためのシステムで、大気圏外でのミサイル迎撃を担当する。

もともと、高高度、高度、中層、下層の多段で防衛する構想は、多種多様なミサイルに対応する為に考え出されたもので、撃ち漏らしを無くす為には多段迎撃は必要だと考えられている。

韓国、アメリカMDシステムへの不参加を表明 (2013/10/16)

そして、アメリカはMD構想の一環として同盟国である韓国にもTHAADを導入させて、支那からのミサイルがアメリカに届く前に迎撃させようという考えを持っていたのだが……、韓国はこれを拒否。韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)という別の体系のミサイル防衛を構築する予定なんだそうで。

ちなみに、日本はアメリカにMD構想の一環としてデータ提供などを予定しているらしい。THAADシステムも導入検討しているらしいが、現状では「その事実は無い」と発表している。

まあ、その代わりにXバンドレーダーなんかが日本に配備されているわけだが。

Xバンドレーダーに反対する人々 (2013/12/16)

日本にも反対派は居るが、概ね問題無く配備は出来ている。


長くなってしまったが、このような韓国のミサイル防衛構想があり、この教授はTHAADやSM3も配備しろ、と主張するわけだ。

ソウルへ向けられた北朝鮮の核ミサイルを迎撃できる時間は極めて短かった。地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による迎撃は高度12~15キロで1秒間可能だった。韓国軍は現在PAC2を保有していて、PAC3に改良する事業を推進している。中・高度防衛ミサイルのTHAADによる迎撃は高度40~150キロで45秒間可能で、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)は高度70~500キロで288秒間迎撃が可能だと分析された。

そりゃまあ、あれば良いんだろうけど。

でも、THAADシステムやSM3については、韓国国防部の長官が購入計画の存在をどころか、検討した事も無いと否定している。

しかし同セミナーを主催した劉承ミン(ユ・スンミン)国防委員長は、「(韓国軍が保有する)パトリオットは対空防御は可能だが核ミサイルの迎撃はほとんど不可能だ」とした上で、KAMDとキル・チェーンにととまらず、防衛体制をさらに向上させるべきだと主張した。また、「ミサイル防御システムの構想を根底から組み立てなおさなければならない。THAADとSM3を配備しなければ韓国全域は北朝鮮の核ミサイルによって破壊されてしまう」として、THAADとSM3の導入を求めた。

国防委員長は欲しいって言ってるね(苦笑)


さて、ここまで説明しておいて何だが、このKAMDは殆ど意味が無い、ということは、前回の記事でも指摘している。

韓国ミサイル防衛計画 (2013/10/14)

そもそも、韓国の相手は北朝鮮であり、北朝鮮が韓国に向けて核ミサイルを撃ち込むなんて事は、かなり可能性が低い。

対費用効果が悪いからだ。

北朝鮮の核ミサイルが完成しているかは知らないが、アレは中等などのお客様向けのアピールで、韓国に向けてぶち込むなんて事を想定はしていない。支那にぶち込む可能性はあるだろうが。

 

北朝鮮が韓国を攻めるとすれば、ソウルを火砲で火の海にするか、水攻めにするだけで事足りると噂されている。

北朝鮮には、「金剛山ダム」という北漢江や「黄江ダム」という臨津江に作られた巨大ダムがある。これらのダムが決壊すれば、ソウルはあっという間に水浸しだと言われている。実際、臨津江では晴天時に増水による水難事故が発生しており、「黄江ダム」の影響だと言われている。

一応、韓国側にも平和のダムと呼ばれるへ常時には水を堰き止めない乾留ダムが用意されており、貯水量が26億3000万トンもある。これは、「金剛山ダム」の貯水量に匹敵する貯水量なのだが……、緊急時に対応できないとも言われており、これで十分かは些か疑問だ。

 

一方の火砲については、北朝鮮国境からソウルまで50km程度しかなく、北朝鮮側から一方的に撃ち込むことでソウルを半壊させられると言われている。

ソウルが火の海になれば、韓国の機能はほぼ停止する。無論、韓国軍は釜山辺りまで逃げてきて体勢を立て直すことは出来る(朝鮮戦争がまさにそういう構図だった)だろうが、経済的には死ぬだろう。

実際、北朝鮮と韓国の国境には火砲が多数装備されソウルを攻撃するに十分な量が揃っていると言われており、こちらは深刻な問題である。

 

……まあ、核ミサイルが撃ち込まれるかはともかく、通常弾頭のスカッドB、Cやノドン辺りなら撃ち込んでくる可能性はある。

それを撃ち落とす意味ではKAMDも意味はあるかも知れない。

でも、THAADシステムなんかはやっぱり不要だと思うよ?

だって、THAADシステムは韓国にとって対費用効果が悪い。

ニュースに出てきた教授が何を考えているかはよく分からないが、こんなのに振り回されるんじゃ、韓国軍も大変だな。


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