企業スパイ、東芝の企業秘密を韓国SKハイニックスに売りつける

デンソー事件以後、ヤマザキマザックやら新日鐵住金やらが相次いで被害を受けている。そして、東芝もまた、だ。

「大金手にした。一生遊べる」…逮捕の元技術者

読売新聞 3月14日(金)10時5分配信

 東芝の研究データ流出事件で、不正競争防止法違反(営業秘密開示)容疑で13日に警視庁に逮捕された元技術者の杉田吉隆容疑者(52)(北九州市門司区)が、転職先の韓国企業に在籍中、「大金を手にしたので、残りの人生は遊んで暮らす」などと周囲に話していたことが関係者などへの取材で分かった。

この手の企業スパイは、山ほどいるのだろうし、そのお陰で日本企業の凋落がある。自分さえ良ければ、で国を売る、嘆かわしい限りだな。


話を整理していこう。

日本を代表する企業、東芝だが、フラッシュメモリー関連技術に関しては世界第2位のシェアだ。ちなみに1位はサムスンである。

東洋経済は、ちょっと前にこんな記事を書いていた。

東芝が上方修正も、"がっかり"な理由

2013年10月31日

東芝は10月30日、今2014年3月期の業績予想の上方修正を発表した。売上高は前年同期比8・6%増の6兆3000億円(従来予想は6兆1000億円)、営業利益は同49・9%増の2900億円(同2600億円)になる見通しだ。

上方修正の牽引役は、旺盛なスマートフォン需要を受けて、絶好調が続くNANDフラッシュメモリ。数量のみならず、9月には韓国SKハイニクスのDRAMを生産する半導体工場が火災した影響で、メモリ価格が高水準を維持している。数量・価格ともに恵まれた環境の中、当社が世界シェア2位を誇るNANDフラッシュメモリは我が世の春を謳歌した格好だ。半導体とストレージを含む電子デバイス部門の4~9月期の部門営業利益は1137億円(前年同期は276億円)と過去最高を更新した。

まあ、東芝の企業体質的に「がっかりだ」というのがこの記事の趣旨なのだが、僕が指摘したいところはそこでは無く、SKハイニクスの名前が出ていることだ。

これは、NANDフラッシュメモリの分野で、SKハイニクスが東芝のライバル会社であることを示していると共に、SKハイニクスがNANDフラッシュメモリを安売りしていたお陰でシェア拡大していたことを意味する。

ちなみに、SKハイニックスは業界4位の企業だ。


韓国の不当廉売戦略を支えているのが日本の技術だ、と言うのが今回の事件から見えてくる話なのだ。韓国の安売り攻勢は今に始まったことでは無いが、それを支えているのが日本の技術とはどういうことか?

 この事件は、東芝とフラッシュメモリーの事業で提携していた半導体メーカーの社員だった杉田吉隆容疑者(52)が、2007年から翌年にかけて東芝の研究データをコピーし、その後、転職先の韓国の半導体企業「SKハイニックス」に不正に提供したとして逮捕されたものです。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140314-00000020-jnn-soci

政界的企業サムスンもお得意の、高額給与で引き抜き戦略をSKハイニックスもやっていた、という話。

そして、「手土産」を期待していた、という話。

どっかで似たような話を聞いたよね、先日。

日米韓参加酷会談をアメリカが提案するも、韓国が提案を蹴る

この記事の中で引用しているが、中央日報が「手土産を持たず」に、首脳会談をやってくれと訪韓した斎木氏を揶揄した話が出ていた。

 

SKハイニックスがやったことも全く同じなのだ。東芝のコア技術にアクセスできる権限をもった容疑者が、USBメモリにデータを不正にコピーして持ち出し、SKハイニックスに売り渡した。

まんま不正競争防止法の罰則規定(21条)に抵触する事案だ。


 杉田容疑者は、およそ3年間、SKハイニックスで勤務した後、退社していましたが、杉田容疑者がこの間に、以前勤務していた半導体メーカーの数倍の給与を得ていたことが、関係者への取材でわかりました。
 「(日本のメーカーだと)課長、部長のレベルで800万とか1000万だと思うんですけど、その人たちの2年分、3年分、2?3倍の報酬は軽く出ていると思います」(SKグループ幹部)
 警視庁は、杉田容疑者が情報を流出させる見返りに、SKハイニックスから成功報酬のほか、毎年、多額の給与を得ていたとみて、調べています。

やり方があくどいが、これが今日本企業の抱えている企業リスクの一環でもある。

支那人や韓国人を雇わなくても、技術流出するリスクがある。それも、年齢が高く、今まで企業を支えてきた人材が、突如として国家を揺るがすような情報漏洩をやってしまうのである。

 

そして、情報だけ得れば、韓国企業はその技術者を必要としないので、ポイだ。事実、この容疑者も東芝の提携先である米サンディスク日本法人に勤めていながら情報を盗み出した上で退社、その後直ぐにSKハイニックスに入社。

ところが3年でそのSKハイニックスを退社している。

2007年~2008年に不正にデータを取得、2008年7月に転職、3年後の2011年に退社か。52歳ということなので、46歳くらいの時の犯行ということだな。


東芝は、この件でSKハイニックスを訴えているようだ。

 一方、今回の事件で、情報を受け取り、東芝などから損害賠償請求の訴えを起こされている韓国のSKハイニックスは、情報流出事件について「日本の警察や東芝から連絡を受けていない」として、「現在、内部的に事実関係を確認中」と説明しました。訴訟については「法的に対応しなければならない場合には、検討後、会社の立場を発表する」としています。

損害は発生しているのだから、損害賠償請求(民709条)は認められる。が、この場合は、それを立証する必要がある為に勝訴するにはかなり困難なルートだろう。

そして、東芝はこれの他に不正競争防止法における罰則規定(22条)の適用も検討しているハズだ。影響秘密の売り渡しは、企業にも責任を負わせることが出来る規定になっている。3億円以下の罰金、という程度で、とても損害額に満たない話だが、損害賠償請求の要件を満たすのが難しい以上は、こちらからのアプローチも考えざるを得ない。


このように、不正競争防止法の適用範囲内の事案であれば、まだましだと言えるが、残念ながら人材の引き抜きに関して言えば、そうした法律では縛れない。

つまり、例えば日本の家電業界が危機に瀕している状況で、技術者が海外に流出する現状は、不正競争防止法の取り締まり対象にはならない。

優れた技術者が、ライバル会社に引き抜かれて、そこで山のように特許を出願する。これが日本企業が置かれているシビアな現状なのである。

 

日本の技術は、日本が守るべき分野であるにもかかわらず、こうした話がどんどん出てくることは、ある意味政府の怠慢が原因とも言える。

民主党政権時代の暗黒の3年間はこの状況を加速させたが、自民党政権にだって責任はあるのだ。

安倍政権には、是非ともこのような状況を打開するための対策を立てて欲しい。喫緊の課題である経済対策こそ、日本の技術を守る為の試金石となるはずだ。

 

追記

情報漏洩は日本側の問題ではあるが、SKハイニックス側はあまりに強引なやり方が裏目に出ているようだ。

米サンディスクもハイニックス提訴 情報漏洩巡り

2014/3/14 12:03

 東芝の半導体メモリーを巡る研究データ漏洩事件で、米半導体メーカー「サンディスク」は14日、同社元社員が半導体メモリーに関する営業秘密を持ち込んだとされる韓国のSKハイニックスなどに対し、損害賠償や製品の販売差し止めなどを求める訴訟を米カリフォルニア州の裁判所に起こしたと発表した。

はい、容疑者が勤めていたサンディスクもキレたようである。

ここでポイントなのは、米カリフォルニア州の裁判所に提訴したこと。つまり、アメリカの法律で裁こうという話だ。

この手の損害賠償請求に関しては、アメリカの法律の方が日本よりよっぽど厳しい。日本では東芝が訴訟で苦戦するかも知れないが、サンディスクはアメリカで楽勝で勝てると思われる。何しろ、容疑者が容疑を認めちゃっているのだから。侵害の事実認定はOk、損害の有無の判断はアメリカ流だろうし、損害額に関してもかなり厳しい。

となると、厳しいのはSKハイニックスだな。

 


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