ジェネリック家電は合法か?

最近、「ジェネリック家電」等と言う言葉を聞く。

価格10分の1の商品も。ジェネリック家電入門

プレジデント 4月21日(月)8時45分配信

 エコ意識が高まる昨今、一躍脚光を浴びた家電といえば扇風機だ。電力不足が心配された2011年の夏は、消費電力の少ない扇風機が飛ぶように売れた。今年もまだまだ注目を浴びるだろう。
 実はその扇風機の多くが、「ジェネリック家電」だ。ジェネリック(generic)とは、「一般的な」「総称的な」と訳され、ブランドにこだわらないことを意味する。医薬品で「ジェネリック」といえば、特許切れの新薬と同じ有効成分で作られた価格の安い後発品だが、ジェネリック家電とは、薬のそれとは若干異なり、近年に発売されている製品の技術も含めて利用しつつ、安価に提供している商品のこと。ブランド力のある大手電機メーカーの製品と同等の性能を備えているのに、低価格で手に入れられる商品だ。

ジェネリック家電が違法か合法かで言えば、結論、合法だと言わざるを得ない。……が、僕にはそれが良いことだとはどうしても言えないのである。


安くて良いものを手に入れたいという、一般庶民の願望は、僕も理解している。メーカー品で無くても、性能が良くて使い易ければ……。

そういえば、妻は無印良品の製品が好きだが、それって「無印良品」ブランドだよね?

 

結局のところ、商売ではデザインやコンセプト以外について回る、「信用」というヤツが重要である。

ところが、これを逆手にとって、売り出されるのがジェネリック家電である。

 大手電機メーカー各社は、毎年のように新しい機能を備えたテレビ、冷蔵庫、エアコンなどを発売している。そこで開発された技術や部品は十分に使えるものでも、少し古くなると市場価値が下がってしまう。ジェネリック家電は、特許を侵害しない形でそうした技術や部品を利用して作られている。国内の中小メーカーなどが手掛けており、研究開発費がかからず、大手家電メーカーのように莫大な広告費もかけないため、リーズナブルな価格で販売できるのだ。

この記事では、凄く良い事のように書かれているが、実はこれ、支那や韓国、台湾で売られる(最近、台湾メーカーは独自の良品を出して居るところも多いが)、コピー商品と考え方は一緒なのだ。

 

「特許を侵害しない形で」ということ自体、本来は開発が必要なのだ。

最新の商品は、商品が作られていく背景には、他社との競争をし、より利益を得るために、莫大な開発費が投入される。その結果、商品が生み出される訳だ。

そして、開発費を投入すれば、商品販売価格に上乗せせざるを得ないのは、自明の理であろう。だって、時間とお金がかかっているなら、それを回収しないことには企業として成り立たないからだ。

 

じゃあ、これをジェネリック家電と呼ばれる商品は、どのようにクリアしているのか?


記事では、搭載機能をシンプルにするという点で、コストダウンを図っているみたいなことが書かれているが、そういう面は表に出てきたほんの一部、氷山の一角に過ぎない。

 研究開発拠点は宮城県内の1カ所のみで、技術者の確保が難しかった。「大阪R&Dセンター」を開所し、開発能力に優れたベテランの技術者を採用。これをテコに13年度の家電売上高は前年度比8割増の300億円に拡大する計画だ。

 家電量販店でジェネリック家電を買う時代がやってきた。リーディングカンパニーを自称する日本の家電メーカーにとっては、ますます厳しい状況となりつつある。

http://biz-journal.jp/2013/07/post_2514.html

何のことは無い。

第一線を退いた技術者が、こうした企業に転職しているのだから、特許回避も容易となる。企業の都合で特許として出願されなかったアイデアも山ほど頭の中にインプットされていることだろう。

一線の技術者が持つ、しのぎを削っていた分野での知識は、他社の特許にも及ぶ。そうした技術者を確保すれば、開発などと大仰なことをしなくても、簡単に良質な製品を作れるわけだ。

部品だって、技術者が持っていたチャンネルから仕入れをすれば、品質に問題は無い。

 

脱法行為とまでは行かないが、ノウハウを一流メーカーからそっくり頂くわけだから、良いものを安く作り出せるのは寧ろ必然であろう。


問題は、このような商品と価格競争をしなければならなくなるメーカーの立場なのだ。

日本の家電業界は、今や転落の一途を辿っている。

世界一と呼ばれた技術力も、今や見る影も無い。いや、正確には技術力はあってもヒット商品を作り出す事が出来ないで居る。

 

色々な背景はあるだろうが、この話、かなり深刻である。

日本の家電メーカーは、様々な機能を付加価値として付け、販売する戦略を採ってきた。だが、多くの人はそんな多機能な製品など求めては無い。

基本性能がしっかりしていれば、シンプルなもので良く、寧ろ壊れにくく、使い易いモノが良いのである。

そうした部分にスポットを当てて、国産というネームバリューを使いつつ、低価格商品を提供するのが、ジェネリック家電を販売する業界。

だが、やっていることは支那や韓国と全く同じ。

単独で開発する技術力も資金力も無い。

 

こうして、ジェネリック家電製造メーカーは、一過性の利益を貪った上で、衰退する家電メーカーにトドメを刺し、業界全体のダメージを助長していく。衰退しきれば、そこで商売など出来ないだろうことも、十分理解はしているのだろう。


結局、この構図は、日本の産業界が抱える歪な構造を映し出しているに過ぎないのかも知れないのだが、日本全体で見たときに、この傾向は実に嘆かわしい結果を招くかもしれない。

 

多分、大手メーカーもジェネリック家電のような製品を作り出すことは容易に出来るだろう。

そして、価格自体も低価格化することは可能なはずだ。実際、そうした下位機能を搭載したラインナップも販売されているし、販売戦略としてはアリなのだろう。

が、それは自社製品を喰い合う諸刃の剣でもある。

メーカーはジレンマに陥り、それを乗り切れないメーカーは滅ぶしか無い訳だ。

家電メーカーは、もはや技術力では無く企画力でメシを喰っていく時代なのかも知れない。いや、昔から、そういう風潮はあったよね。

 

だったら、ジェネリック家電を買うな!と、そういう話になるのかというと、そうでは無い。

「ジェネリック家電は合法か?」なんて切り口で書き出した割には、よく分からない着地点に降りてしまったが、日本の家電メーカーは今一度自分の立ち位置を確認し直すべきで、その答えの一端がジェネリック家電にあると、そういう話なのであろう。

 

正直、商品のライフサイクルが早すぎることも問題なのだ。開発競争が過激になりすぎて、型落ちで変な機能が付いた商品が一杯出るという日本の家電業界の歪みそのものが、現状を生み出している。

 

「ジェネリック家電、安くて良いモノが多いぜ!買おうぜみんな!」みたいな風潮が、個人的に好きになれないので、このような話をさせて貰った。

まあ、技術屋の愚痴みたいなものである。

 

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