辺野古を巡る沖縄の騒動

普天間基地移設が検討される辺野古など3地区に、政府は財政支援を検討するという。

政府 辺野古など3地区に直接の財政支援検討

10月23日 12時07分
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、移設先となる名護市辺野古地区と周辺の2つの地区に対して、地区の要望を聞いたうえで、政府が直接、財政支援を行うことを検討する考えを示しました。
しかし、「新たな基地負担に対する補償」というのは、少々語弊があるようだ。


NHKのこのニュースは少々恣意的に過ぎる。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先となる名護市の辺野古をはじめ、豊原と久志の3つの地区は、これまで政府に対し、新たな基地負担に対する補償や経済振興策を求めています。
この記事を読むとあたかも政府が札束で地方を従わせるというような印象を受けるのだが、構図としてはもう少し複雑だ。

辺野古地区に直接支援=政府検討、名護市通さず


政府は25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、同市を通さず移設先の辺野古地区などに直接、財政支援を行う検討に入った。地域振興を条件に移設を容認する地元自治会との関係を緊密化することで、県民世論にくさびを打ち込む狙いがあり、移設反対の翁長雄志知事や名護市の稲嶺進市長が反発するのは必至だ。 
時事通信はもう少し突っ込んだ書き方をしているが、政府の狙いは「名護市を通さない」ことが目的では無いので、これも偏向した記事と言えるだろう。3地区に支援、これが目的だ。


あっさり風味のニュースだったNHKと違って、時事通信の記事はもう少し詳しく書かれている。
 政府は米軍再編推進法に基づき、米軍施設が移転して基地負担が増す市町村に再編交付金を支給している。しかし、稲嶺市長の下で名護市は交付金を受け取っておらず、「辺野古住民から『道路整備などの支援を受けられない』と不満が出ていた」(防衛省関係者)という。
実は、基地移設反対を訴えて当選した名護市長の稲嶺氏、基地施設が存在することで負担の軽減を目的として交付される「再交付金」を受け取っていない

稲嶺氏曰く、「基地マネーに頼らない財政」と言うことらしいのだが、この発言には大きな誤解、というか誤魔化しがある。
名護市には4つの米軍関連施設、キャンプハンセン、キャンプシュワブ、辺野古弾薬庫、八重岳通信所という施設がある。

そして、それぞれの敷地は私有地が含まれるので、キャンプシュワブで26億3900万円、辺野古弾薬庫で1億8200万円、八重岳通信所で400万円、キャンプハンセンは複数地区に跨がるので、全体で75億8300万円で比率から言って数億円程度が土地所有者に支払われている。
もちろん、そのお金の一部は税金として徴収され、名護市の歳入にも入ってきている。その点だけでも基地マネーに頼らないとは言い切れない。

加えて、名護市の25年度歳入がこちら。
名護市歳入
6割が国又は県からの交付金と言う事になっている。
名護市歳入年次
しかし、推移を見てみると、国又は県からの交付金は全体に対する割合はほとんど変化しておらず、稲嶺氏当選後県からの交付金が増え、国からの交付金が減っている。歳入総額は減少傾向にあるところは、他の地域と変わらないが。


沖縄県は国から多額の財政支援が行われているのはご存じの通り。

つまり、稲嶺氏は翁長氏とタッグを組んで「基地マネーに頼らない財政」を演出するために県からの予算を多く貰っている状況になっている、そう解釈が出来るのだ。

「いやいや、どこからお金が入ろうが、それが各地域に分配されるのだから」という方もいると思う。

しかし、「再編交付金」は地域毎に負担に応じて割り当てられるお金で、名護市を介して各地域に支払われる。
これが名護市に入らなくなったと言うことは、辺野古・豊原・久志といった基地移設に賛成する地区には相対的に分配される金額が減る事を意味する。
単純に考えてそうなる。無論、その配分比率がどのように采配されているかは良く分からないが、3地区が不満を言う程度には問題があるのだろう。
実際に、3地区はかつてあった歓楽街も今は寂れて収入源を絶たれている。事態は深刻なんだと思う。



「再編交付金」が受け取られないという決定がされたとき、「国の兵糧攻めだ!」と騒いだメディアがあった。

移設反対理由に名護への交付金停止へ 米軍再編17億円

2010年12月24日3時3分
防衛省は沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先として日米合意した同県名護市への米軍再編交付金の交付を取りやめる。2009年度分と10年度分の計約17億円で、24日に同市に通告する。同市が移設受け入れに反対しているため、交付できないと判断した。再編交付金のとりやめは全国で初めて。
しかし、現実は名護市側が断っていたのである。



稲嶺氏にしてみれば、基地移設反対で当選したのだから再編交付金を受け取らないのは自然なのだろうが、結果的に歳入が減る地区にしてみれば、死活問題である。

これを国に訴えるというのはある意味自然だろう。
政府が名護市を通さずにこの3地区に支援すると言う方向性を決めたのは、そうした背景があることはハッキリしておきたいところ。

そうそう、忘れていたがこのニュース、9月にもあった。
このブログでも、その内容について言及している。
そこで政府が検討しているのは、移設先の米軍キャンプ・シュワブに近い辺野古、豊原、久志の3地区の自治会組織による住民集会所改修工事、米軍との交流行事などへの直接支援だ。道路整備などと違い、集会場改修などへの財政支援は市を介さずに自治会の判断で受け入れ可能とみており、近く開催する地元住民との協議会で支援の具体的内容を伝える方針だ。
名護市を通して支援できないから直接支援、というのが今回の話で、道路整備や集会場改修などといった点を重点的に行うとのこと。
詳細は追々分かるだろう。



無論、国からの支援に頼らずに財政運営をすると言うこと自体は素晴らしい事だし、地方はそうあるべきだと思うのだが、名護市の場合は誤魔化しているだけで国からの支援に頼っている現実は変わっていない

その上で該当地区が割を食っているとすれば、そりゃ、文句の一つも言いたくなるだろう。
無論、現状では詳しい内情は分からないので、「だからダメ」と決めつけられないし、国の方針が正しいとも言い切れない。
が……。少なくとも報道姿勢は政府批判の論調になっているし、その根拠に嘘が含まれていることを考えると、素直に受け取るべき情報とは言えないだろう。




そして、報道機関もそうだが、沖縄がというより翁長氏がこうした誤魔化しの手法を採ることは割と有名だ。

翁長知事の国連演説「いちいちしゃくに障った。差別、先住民論」

2015.10.22 20:41
--(基地問題の)総合的な対策に「オール沖縄」で取り組む必要があるという考えは
「『オール沖縄』という言葉は(翁長氏の)選挙のプロパガンダに使われたから、僕は絶対その言葉を使う気はない。オールでもないのに」
翁長氏の「オール沖縄」の主張は、欺瞞である事は前知事の仲井真氏もハッキリ指摘している。
オール沖縄でないのはこの前の記事でも明らかだ。

あってはいけないことなのだが、沖縄県では知事の方針と県民の望みはかみ合っていないどころか正反対の方向を向いているのである。

辺野古を巡る騒ぎは今後も続きそうだが、沖縄県に在住する国民はもとより、他県に住む国民も、国防に関する重要な話であるので、注視していくべきは無しだと思う。
国賊の鳩に引っかき回されて以降、沖縄県民の受難は今も続いている。



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コメント

  1. 広告が鳩避けなのはやっぱりアレなのか……

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  2. 「辺野古移設問題で、沖縄県が提訴される(2015/10/21)」のリンク先がまちがってますよ

    返信削除

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