韓国のモノレール、運行すること無く全撤去

英断じゃないかな。

853億の血税浪費した「月尾銀河レール車両」撤去後、廃棄処分

発行 2016-08-12 09:22:27
853億ウォンの金属スクラップ塊に転落した仁川月尾銀河レール車両が一度も運行していないで解体される。88億ウォンに達する車両購入予算も一緒に廃棄予定だ。
だって、乗客にけが人は出なかったのだから。


さて、まずはじめに断っておくが、日本でもこの手のモノレールが廃線になる事例は珍しくない。世界ではどうか知らないが、誤解を覚悟で言うとモノレールという輸送手段はあまり経済効果が見込めない地域に、小規模な運送能力を期待されて導入されるケースが多い。故に、躓いてしまうと「廃線にしたほうがイイね」という結論になりがちなのである
だって、導入される沿線からの乗客はそれ程見込めないからモノレール方式が採用されるのであって、「開業したら取り戻せる」とか「営業努力でなんとかなる」という話になり辛いのだ

ところで世界初のモノレールは、パーマ式モノレールと言われる方式で、イギリスで1824年に導入されている。現在の日本ではアルヴェーグ式(1950年初導入)をベースに開発された日本跨座式(1968年初導入)と呼ばれるものが多く採用されているが、韓国に導入されようとしたのはアーバノートと呼ばれるアメリカで開発された跨座式のモノレールである。このアーバノートもアルヴェーグ式がベースになっているようだ。
どの方式がどんな形になっているか、ここでは詳しく説明しないが、何が言いたいかというと、モノレール自体は既に枯れた技術がベースになっているということだ。

ただし、韓国が採用したアーバノートは今のところ他に採用例がなく、このモノレールしか存在しない模様

ある意味最新式のモノレール技術であると言えるが、しかしそれにしたってアルヴェーグ式がベースになっていて、ベースとなった技術自体は世界でも採用例が多いのである。

……にもかかわらず何故、韓国は世界初にこだわり続けるのか。


さて、まずは韓国モノレールの悲惨な末路を紹介しておこう。
月尾銀河レールは、手抜き工事によって試験運行の過程で事故が頻繁に起こった。これにより、開業は度々遅延され、巨額の血税を使った展示性事業だと批判を受けた。
撤去作業は、仁川交通公社に施設の処分権限を引き継いだ民間の特殊目的法人仁川モノレール(株)が担当し​​た。
一度も運行せずに廃線というケースは珍しいが、どうやらレールを製造する段階で問題が発生していたらしい。
 
最新式の「アーバノート」を選択して、メジャーなアルヴェーグ式のモノレールの欠点を改善した素晴らしいものになるはずだったのだが、残念ながら実績にはならなかった。 このアーバノートを製作している会社にとっては大打撃だろう。


ちなみに、日本の会社もこの案件に絡んでいる。
日本鉄道システム輸送組合に加盟する日本信号株式会社というところが、2008年に信号システムを受注している。
……確実に、支払いはしてもらえ無さそうだな。

何が原因だったのかは非常に気になるところだが、案外、アメリカのアーバノート・モノレール・テクノロジー社の問題だったのかもしれない。何でもかんでも韓国の技術力のせいにすれば説明がつくという風潮はよろしくないよね。

……などと思って、色々調べたのだがWikipediaの「月尾銀河レール」という項目を見て、思わずお茶を吹きそうになった。

ちなみに、少し話は脱線するが、この路線が韓国初のモノレール路線だったらしいのだが、試運転時に構造物が落下するなどの事故が頻発したようだ。
列車は2両1編成で運行され、乗車定員は1両あたり立席21人座席14人の合計35人、1編成に70人となっていたらしい。
問題となったのは、韓信工営という阪神公営グループの子会社が施工した線路の方だと噂されている。阪神公営グループ韓信工営は、財閥系の組織らしいが、セイブジョンという組織に2002年に買収されているので、モノレールの施行業者が切り捨てられた可能性が高い。


2008年に着工して2009年には安全上の理由から開業延期が決定。2010年には試運転していた列車が、停車していたレール点検車両に追突する事故が発生。開業は延期。その後も延期が繰り返されて、2012年には経営上の理由から韓国鉄道技術研究院というところが試運転と安全性の検証を行っている。
そして、2013年に、「仁川交通公社社長が現状では運行が困難で、これ以上韓信工営に月尾銀河レールを任せておくことは出来ない」として、代替業者を探していたが、2015年に苦肉の策として民間のカラムスペース社と仁川交通公社が「仁川モノレール株式会社」を設立し、アーバノートの線路を撤去作業を開始。何故か8人乗りの小型モノレールを採用するに至る。


もう、なんとなく「韓信工営」が全て悪いような気がしてくるわけだが、Wikipediaで紹介されている事故実績を見ると納得できる。

ここでは簡単にまとめておこう。
  • 2009年3月4日 建設会社の勝手な設計変更により、橋脚橋桁ガイドレール間が固定ボルト → 溶接となっていることが発覚
  • 2009年3月6日 外国製モーターを利用する予定が、韓信工営が韓国内開発に切り替えて4ヶ月で設計と製作、テスト装着まで実施したことが発覚
  • 2009年3月9日 溶接箇所の部材を交換せずにボルト留めに変更したことが発覚
  • 2009年12月16日 一般的に10.5日工期がかかるところを、工法変更により1.5日に短縮。コレの影響で最大219mmの製作誤差の発生を確認
  • 2010年4月30日 試運転中に列車が停車していたレール点検車両に追突
  • 2010年8月17日 脱輪による部品落下事故発生
  • 2012年1月12日 建設を請け負った韓信工営、下請けの無免許事業者への施行支持疑惑発覚
  • 2012年1月31日 鉄製Y字型ガイドレールからアルミ製ガイドレールへの施工変更が疑惑発覚
  • 2012年2月7日 車庫建設に伴う工事費水増し疑惑発覚
  • 2012年5月4日 集電装置部品落下事故発生
  • 2012年10月5日 イベント用のアルミ構造物と試運転中の列車が接触事故を起こし、車両を破損
  • 2013年1月15日 仁川交通公社の検証中間報告によって、車両及び線路に多数の欠陥が発覚
  • 2013年4月24日 試運転をした際に、多数の自動運転システムのトラブルが発生
  • 2013年5月22日 仁川交通公社の検証最終報告によって、車両、軌道、土木、信号・通信すべての分野に問題があり、現状での無人自動運転は不可能とされる。
  • 2016年6月22日 仁川交通公社の社長、2号線開通や当路線開業を直前に突如辞任
コレを見ると、施工を担当した韓信工営だけでなく、車体製作を担当したロウィンという韓国の鉄道車両製造企業も問題を抱えている模様。

何というか、勝手に設計変更というのが相当に多いのだが……。


現在は、この路線、小型モノレールを走らせて観光用として利用される予定のようだ。
一方、裁判所は4月月尾銀河レールを不良施工した疑いで裁判に渡された施工会社阪神公営について不良が崩壊などの構造物の深刻な障害を与えるほどではなくて処罰することができないと無罪を宣告している。
こんな裁判も行われたが、問題の施工会社は無罪放免という結果に。
 
なんとも不可思議な国である。
しかし、何はともあれ、こんな状況で営業運転を開始せずに終わったことだけは評価したい。……というか、そこしか評価できるところが無いような気がする。
きっと気のせいだな。

 
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