韓国海運行の最大手、韓進海運が破産

うぇぇ、これはオオゴトだな。

韓国最大手・韓進海運、会社更生法を申請

2016.9.1 07:30

【ソウル=藤本欣也】韓国海運最大手の韓進(ハンジン)海運が31日、日本の会社更生法に当たる法定管理をソウル中央地方裁判所に申請した。
安売りを武器に戦ってきた韓国の海運会社が破産した模様。日本に影響が無いかと言われれば、ある。日本の会社もこの海運会社を利用してきたからだ。


かねてより破産の噂はあった。もう2~3年前からの話だ。

147264623131_20160831

さらに、ちょっと前にはグループ内で赤字が抑えられないとか、銀行から金が借りられないとか、そんな話も出ていただけに秒読み段階だとは思っていた。
だが、それでも韓国財閥系グループをそうそう潰すことは無かろうと思っていたのだが……。
 債権団は、1兆ウォン(約920億円)規模の経営改善案を要求してきたが、5千億ウォンを提示する同社側と折り合わず、8月30日、追加資金支援を拒否することを決定していた。韓進海運は大韓航空などを傘下に収める韓国財閥、韓進グループの中核企業で世界7位の海運会社。長引く海運不況で経営難に陥っていた。
あっさり潰れちゃった。

そして、追加資金援助が拒否された結果……。

韓進海運船舶、外国港で仮差押さえと入港拒否が相次ぐ

登録 : 2016.08.31 23:03修正 : 2016.09.01 06:24

 韓進(ハンジン)海運が法定管理を申請した31日、海外では船舶の仮差押さえと入港拒否が相次いだ。

のっぴきならない状況に。


順番的には、こんな感じだ。
  1. 経営が悪化して、会社側が追加資金支援を要請
  2. 法廷管理(会社更生法にあたる)の申請
  3. 船舶仮押さえと入港拒否
これ、法廷管理の申請によって会社の建て直しを図ろうとしていた矢先に、今、搬送中の積み荷に影響が出ると言う結果になって、更なる損害を引き起こす状況になったという事を意味する。

つまり、文字通り「破産」したわけだが、再建どころかグループ内の他社にも大きな影響が出そうな事態になってきている。その額、1兆円規模と言うからなかなかのものである。
聯合ニュースによると、裁判所側は、債権者が韓進海運の資産を強制執行することを禁止する包括的禁止命令を出す方針という。
裁判所側は手を打つ積もりらしいが、早くも影響が出ていると言うこととなる。
同社が基盤としていた釜山港への影響も大きく、韓国政府は海洋水産省を中心に対策に乗り出す。
ついでに釜山もヤバイ。なにしろ、海運で成り立っている地方都市だからだ。



さて、各国の対応について言及しておこう。
 債権団の支援中断により法定管理の申請が既定の事実となった30日、シンガポールの裁判所は韓進海運所有の5308TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個)級のコンテナ船「韓進ローマ号」をシンガポールの港で仮差押さえした。
シンガポールではコンテナ船を仮差押さえしたようだが、簡単に言えば金を払わなければ返さないという状況になっている。金を払えばこれは解除されるだろうが、海運会社にはその金が無い。
ドイツの海運企業のリクモスが、韓進海運の傭船料が未払いになっているとしてこの船の仮差押さえを申請したという。
ドイツでも仮差押さえ申請が出されたが、決定が出る前の状態なので政治力で解決は可能かも知れない。
停泊地で船舶が仮差押さ処分を受ければ、差し押さえが解除されるまで埠頭への接岸や荷役作業は不可能になる。
ちなみに、「傭船料」というのは、船の貸し賃のようなもので、構図としては独リモスク社が保有する船を韓進海運がお金を払って借りることで運用し、利益を出すという形で事業を展開していたという事になる。
その「傭船料」が支払われないので、リクモスが差し押さえ申請しちゃったと。
 韓進海運が傭船していた他の船舶も相次いで運航を中断していることが分かった。韓進海運が傭船したコンテナ船「韓進メキシコ号」は31日に運航を中止した。船主のPILが傭船料の未払いを理由に運航の中断を要求し、直ちに貨物輸送に支障が生じることになった。現在、韓進海運所有のコンテナ船は37隻で、61隻は海外の船主から借りて使っている。
よっぽど金が無い状態のようだね。


更に、現金を要求するところもある模様。
 韓進海運の船舶に対して現金での支払いを要求し、事実上の入港拒否をする所も相次いで現れている。31日こうした方針を知らせてきたところは、中国の廈門と星港、スペインのバレンシア、米国のサバンナ、カナダのプリンスルパート、シンガポールの港だ。船舶が入港すれば港湾への接岸と貨物の荷役作業を行うが、ここに入る費用を現金で払わない限り入港を許可しないと通知したのだ。
こちらも現金が無ければ解決にならない。

……つまり、何処かから金を引っ張ってこない限り、積み荷に関する損害賠償請求も積み上がっていって更なる損害を発生する事になる訳だ。韓進海運は詰んだな。

食品を積んでいたら目も当てられない。



さて、この様に韓進海運は破産し、立て直しも絶望的だという状況で、韓進グループも大打撃を受けることは避けられない情勢なのだが……、問題はそれだけでは済まない。

積み荷の損害賠償請求をしたところで、請求先が破産してしまっては金を取るところも無い。どんなモノを運んで貰っていたかは知らないが、韓国企業の多くもこの海運会社で荷物を運んで貰っていただろうから、積み荷が下ろせない状況は悲惨な結果を招くだろう。

韓進海運の問題だけで無く、積み荷の運送を依頼していた韓国企業などにも損害が発生する事態になっている。
 一方、この日韓国国際物流協会、釜山港湾運送労組、韓国船主協会など20以上の団体が釜山港国際旅客ターミナルで「韓進海運の再生のための汎市民決起大会」を開き、韓進海運が必要とする3000億ウォン(約278億円)の調達方案の摸索などを要求した。
釜山が潤っていたのも、この海運会社が落とすお金によるところが大きかっただろうから、これが潰れれば釜山経済も破綻寸前まで追い込まれる可能性が高い。


一応、韓進海運を買収する動きもあるようだが……。

韓国政府、韓進海運対策は清算の可能性に重点

登録 : 2016.08.31 23:01修正 : 2016.09.01 06:25
 韓国政府が、韓進(ハンジン)海運の優良資産を現代商船が買収する方案を推進すると明らかにした。韓進海運が清算に至る可能性が大きいとみて、その過程で会社の資産の一部を買収するように対策を進めるという意味だ。結局、1977年にスタートした韓進海運は、歴史の裏側に消え、役職員と協力企業の職員約2千人は失業の危機を迎えた。
買収が上手く行けば未だ救いはあるかも知れないな。
 韓進グループの系列会社である(株)韓進は、すでに韓進海運の「最重要な営業資産」の相当部分を買収しており、韓進海運の再生可能性は下がっている状態だ。
しかし、現実的にはグループの系列会社が既に重要な資産を持って行ってしまった後なので、買収した企業にどれ程の旨味があるのかという状況である。つまり、まともな所が買収するという期待は薄い。

韓国政府も存続はもはや望み薄と考えているようだが、他の海運会社に良いところだけ買い取らせる方向に舵を切るつもりと噂されている。だとしても、果たして韓国の海運会社そのものの信頼を落とす様な事態だけに、どれ程メリットがあるのやら……。
追記1
まずは、入港拒否拡大のニュース。

韓経:世界40~50国で船舶抑留・入港拒否…韓進海運、出港「全面中断」


2016年09月01日10時44分 [ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版] comment38 sharemixi 韓進(ハンジン)海運が法定管理(企業再生手続き)を申請しながら憂慮していた物流大乱が現実化している。世界各地で韓進海運マークをつけた船舶に対する仮差押さえや入港拒否などが同時多発的に広がっている。海上運賃も上昇している。海洋水産部は韓進海運発の物流大乱が少なくとも2~3カ月以上続くと憂慮した。
被害は深刻だな。

そして、海路のコストも増えている模様。まあ、大手が麻痺しているのだから、需要と供給のバランスがとれなくなり、値上がりは仕方が無いだろう。
企業の動きも慌ただしくなった。特にコンテナ船の運送割合が高いテレビ、家電業界は尻に火がついた状況だ。サムスン電子は韓国から北米に輸出する家電物量の40%、LGエレクトロニクスは20%ほどを韓進海運に任せている。サムスンとLGいずれも韓進海運に代わる海運会社探しを始めたという。
そして、サムスンはともかくLGは死活問題だろうな。
追記2
もちろん労働者にも影響がでる。これも上で指摘したと通りだ。

「韓進海運つぶれれば釜山で2300人が職失う」

2016年09月01日09時22分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment4 sharemixi 31日午後、釜山(プサン)新港湾コンテナターミナル。コンテナを積んだトラックが休む暇もなく行き交う。クレーンでコンテナを載せたり降ろしたりする姿も見えた。ここには韓進(ハンジン)海運のコンテナを処理する韓進子会社の韓進海運新港湾がある。自社保有ターミナルだけで横1.1キロメートル、幅600メートル、面積69万4200平方メートルに達する。ターミナルにあるコンテナだけで3万個余りだ。
釜山の地方経済麻痺待ったなしだな。
韓進海運は昨年基準で釜山港の全貨物取扱量の9%ほどを占める。これら団体は韓進海運経営正常化の対案として趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長の果敢な私財提供、産業銀行子会社への編入などを提案した。釜山市の徐秉洙(ソ・ビョンス)市長もこの日緊急記者会見を開き、「韓進海運正常化対策をまとめ海運・港湾関連産業の雇用不安定と営業への影響が最小化するよう政府レベルの対策と金融支援・失業対策を推進してほしい」と促した。釜山市は「釜山港海運・港湾・物流非常対応班」の運営に入った。
悲惨な状況を説明しているようだが……、この話は既に何処の企業も織り込み済みだったはず。それ程までに前々から「悪い」と言われていたのだから。

連鎖倒産は当然ありうるだろう。その連鎖、一体何処まで続くのだろうか?



ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

コメント

  1. あるけむ(R.K.M) @fwbc19652016年9月1日 21:27

    この件と関連しているのが、このブログの記事「オリンピック組織院長辞任!平昌は大丈夫?」ですね。

    韓進グループは、空輸部門(大韓航空・ジンエアー)もあります。
    大韓航空も「ナッツリターン事件」以降、色々トラブル起こしている関係と為替の影響で、最終利益(当期純利益)が赤のようです。
    (伊勢志摩サミット中に羽田でエンジン出火事故を起こしたのは記憶に新しいです)
    韓進海運だけじゃなく、大韓航空を含めた韓進グループ全体が危険な状態なのかもしれません。

    返信削除
    返信
    1. 韓進グループそのものについては、まだまだ大丈夫だと思いますよ。
      寧ろ、既に救済不可能な状況の韓進海運を切り捨てたくらいの話で、大韓航空の方も色々マズい経営をやっているようですが破産まで行くレベルでは無さそうです。
      韓国の財閥系企業は子会社に負債を飛ばして切り捨てるという、日本でも見られる光景ですが、そうした技をよく使っているらしく、内情はそれはそれは酷いものらしいです。いつまでも逃げ切れるものではないのでしょうが。
      ただ、輸出産業がダメージを受けている現状で、真っ先に影響するのが海運系だと。そこに誤魔化しが効かなくなるレベルが今の韓国経済の実態なのでしょう。

      まあ、ご指摘の通り平昌五輪の方は分かり易く赤信号が点灯している状態で、韓進グループから出資を募るのもかなり難しい情勢になっています。辞任劇再びと言う展開はありかもしれませんね。

      削除

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。