揺れる韓国兵器産業、KAI存続の危機

韓国航空宇宙産業(KAI)、このブログでは言わずと知れた韓国切っての国策企業だ。……老舗企業と書こうとしたけど、この会社、社歴は浅いのよね。
なにしろ、1999年に韓国3財閥が解体されるのに伴い、再編された合弁企業だ。現代宇宙航空、サムスン航空産業、大宇重工業、何れも韓国財閥の上位を独占するグループの名前が付いているが、その当時の経営状況は何れの企業も悲惨だったようだ。

韓国の国産練習機KT-1は、大宇重工業が試作し1991年に初飛行しているが、1999年からKAIにて量産が始まっている。
また、韓国の国産高等練習機T-50の試作機の初飛行は2002年。開発開始が1992年でサムスン航空産業が請け負っていた。
これがの事実を考えれば、KAIがどういう立ち位置だったのかは何となく理解出来よう。ちなみに1999年といえば、韓国の財閥グループ第2位だった大宇財閥が破綻した年でもある。サムスンは未だに韓国財閥企業として名を連ね、現代は分裂してなお財閥企業として存続してているけれど。

荒廃するKAI・・・17兆の米訓練機輸出も揺れる

2017.10.16 20:08 朝鮮日報朝鮮語版
韓国航空宇宙産業(KAI)が、アルゼンチンに高等訓練機T-50の輸出を置いて盛んに交渉をしていた今年7月。在アルゼンチン大使がKAIマーケティング部門に電話をかけてきた。彼は「会社が今後存続できるか」と尋ねたという。T-50の購入のための交渉は、現在中断された状態だ。
そして、そのKAIもそろそろ存続を危ぶまれている。
アルゼンチン大使は、検察が昨年7月14日KAI本社などを電撃押収捜索したことを報告し電話をした。検察が11日ハソンヨン前社長を拘束起訴し、捜査を終えるまでかかった3ヶ月間、KAIは輸出交渉が止まり、融資取引は切断されており、株式取引は停止された。
この記事ではちらりとしか触れられていないが、日本でもこのニュースは報じられた。

韓国航空宇宙産業の元CEOを汚職で起訴

2017/10/13 23:00
■韓国航空宇宙産業(KAI) ソウル中央地方検察庁は11日、韓国航空宇宙産業(KAI)の元最高経営責任者(CEO)、河成龍(65)氏を不正会計や贈収賄などの罪で起訴したことを明かした。
この手のニュースは韓国では日常茶飯事なので気にもとめていなかったが、色々と海外の関連する人々には弊害があるのかもしれない。例えば、KF-Xに出資を約束しているインドネシアの関連閣僚あたりは、今頃、青くなっているのかも。



ポッケナイナイは韓国のお家芸であるが、今回のケースも割と日常的に行われていたようだね。
 2013年から17年の第1四半期までにKAIの売上高を5358億ウォン(約530億円)、利益を465億ウォン水増しした可能性が指摘されている。河氏は検察の捜査が同氏にまで及び、同氏のオフィスや車が強制捜査される中で7月に辞職。9月に逮捕され、これらの容疑で裁判に臨む。
 検察は同社の現職と元幹部9人を横領と詐欺の罪で起訴した。この9人は社内の外貨の為替レートを捏造(ねつぞう)して、ボーナス73億ウォンを流用したほか、10億ウォンを着服した疑いがもたれている。
国策企業であるKAIなので、多少の不正をやっても潰れないと考えたからなのか、何とも情けない話である。
実際、ちょっとやり過ぎたようだよ。
 この発表の数時間前には韓国取引所がKAIの株式や先物、オプションの取引を停止し、状況の説明を求めていた。同社はこの件に関して何も声明を発表していない。
実際に、割と大きな影響があったようだ。

冒頭のニュースはこうした話を背景に、取引先及び交渉相手から心配の電話があったという話なのである。

T-50

KAIが作り、海外の売ろうとしている製品は、このブログでもお馴染みの高等練習機T-50シリーズ、FA-50も買い手がつきそうな話が出ていたが、初頭練習用のKT-1も中南米辺りに納入していたはず。
そして、最近の作品では汎用ヘリであるKUH-1「スリオン」と、鋭意開発中であった軽武装ヘリコプターLAHもちょっと怪しいような話が出ていたが、まともに作れればそれなりに買い手がある美味しい市場ではある。多分、薄利多売になるのだろうけれど。

実際に、紹介されているT-50シリーズはそれなりに人気がある。何しろ、設計はロッキード・マーティン社だからね。
KAIは、アルゼンチンのほか、ペルー、ボツワナなどにもT-50の輸出を打診していた。しかし、現在では、このような営業活動が事実上すべて停止状態だ。T-50を8対より購入すると契約した、タイも「適切に作成さ納品できるのか」とKAI側に求めた。インドネシア韓国型ヘリコプターのスリオンを輸出しようと計画も中断した。
こうした事例も、UAEに原発を売りつけたときのような無茶なオプション設定があった可能性は否定できないが、T-50が海外にも売れれば継続的に部品やメンテナンスの話が舞い込む可能性はある。パイの小さい軍事産業ではあるが、売れれば継続性は期待できる。



てだ、惜しむらくはT-50の部品の大半はアメリカからの供給に頼らざるを得ないことと、T-50販売に絡んでアメリカ議会の判断が影響すること、そして、T-50はロッキード・マーティン社が開発したものなので、販売するとその利益の半分くらいはロッキード・マーティン社に渡ってしまう等という事情があることかな。だから、「美味しい」とはいいつつも、どうあっても薄利商売にならざるを得ないんだよね。

ちなみに、KUH-1「スリオン」やLAHなんかも、同じ状況だと思われる。詳しい話は今のところ掴んでいないけどさ。

……あれ?なんか、碌な話じゃ無いな(笑)そう言えば、スマホ産業も液晶産業も似たような状況か。

さておき、順調に売れればそれなりの利益は上げることが期待できたであろう状況ではあったけれども、色々な問題が発覚してそれすら頓挫の危機にあるという話なんだな。
KAI側は「完成航空機輸出に関する今年上半期の売上高は、1305億ウォンだが、年末までに大幅に増えは難しいようだ」と話した。昨年完成航空機の売上高が6950億ウォンだったので、今年は5分の1の水準になることもあるということだ。
何よりも衝撃的なのは、今年末決定される米国の次期高等訓練機(APT)事業の受注が不透明になったという点である。米国は、既存の老朽化訓練機350台を交換する予定だが、事業規模だけ総17兆ウォンに達する。
なお、この引用部分後段にある米国のAPT事業の受注は最初から不透明どころか殆ど目の無い話である。

よって、KAIの現状を正確に把握できるのであれば、融資など望めない。
検察の捜査が始まって以来、金融圏の融資が正しく行われず、流動性にもいくつかの問題が生じた。KAIは協力会社に現金でいた代金の支払いを手形に変えた状態だ。10月に600億ウォンなど、今年末までに計2900億ウォンの企業手形満期も戻ってくるが、満期延長するかどうかは、まだ不透明だ。資金確保のためにKAIは満期1年未満で発行する電子短期債券を2000億ウォンを目指し発行している。
検察の捜査のせいにしているが、韓国政府の後押し、後ろ盾があったにせよ、もはや商売を続けられるような状況じゃ無いのだ。技術がそれ程あるわけじゃ無いのに手を広げすぎ、更に汚職でやらかしている。
 某防衛産業業界関係者は、「当初検察が自信を持っていた大規模不正は見付からず、見付かったのは粉食会計など経営不正だけ。不正清算もいいが、防衛産業不正を口実に会社を叩き、経営危機を招くのはやり過ぎ」と話した。
記事では「やり過ぎだ」みたいなことが書かれているが、韓国政府としては既に擁護しきれない状況にあると思う。

そもそも、現職韓国大統領のムン君は、前大統領のクネクネやその前の大統領であるアキヒロ君に対して近い企業であるKAIが邪魔な存在に映っている。
よって、KAIが救われる目はかなり薄いと見て良いだろう。

これによって影響を受ける可能性が高いのが、このブログでも希望の星()として取り扱っているKF-Xだな。もちろん、LAHにも影響はあるだろう。

うーん、韓国軍の事情はこれからも目が離せないね!



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コメント

  1. 木霊さん、あらためてこの胡散臭い国策企業の生い立ち~悲惨な運営状況~近未来の断末魔まで、まとめていただき判りやすくって感謝です。

    この顛末がどうなるかワクワクですね~。(笑)
        ↓
    >これによって影響を受ける可能性が高いのが、このブログでも希望の星()として取り扱っているKF-Xだな。もちろん、LAHにも影響はあるだろう。
    >うーん、韓国軍の事情はこれからも目が離せないね!

    汚職体質撲滅とか国軍強化・近代化なんて文トラが張り切ってますから、解体してゾンビみたいに生き返らせ手柄にしようと企んでるんじゃないでしょうかね~?

    そしてまた同じ事が繰り返される・・・、でもその前に南朝鮮が国家として存続しているか判りませんけどね。

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    1. ムン君の政策が、今後どうなっていくかはよく分かりませんが、この状況で未だに親北路線を突っ走っているのはどうしても理解できません。

      ハッキリ言って、北朝鮮とだけの関係であれば韓国の軍備はもっとグレードを落として稼働率を上げていくべきなんですよね。徴兵制も効果が薄いし、止めてしまうと言う決定をして良いと思います。
      支那やロシア、日本を敵国として軍備を整えるには、韓国は国力が低いので、欲をかきすぎるのは良くないハズなんですけど、未だにそうじゃ無いんですよね……。

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