北朝鮮が炭疽菌ICBMの実験を始めるという噂

残念ながら、核兵器を開発するよりも実効性は高いだろうな、炭疽菌ICBMは。

北朝鮮、「炭疽菌ICBM」実験か 米韓に情報

12/20(水) 8:13配信
 北朝鮮が最近、生物兵器の炭疽(たんそ)菌を大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する実験を始めたと、ソウルの情報関係筋が明らかにした。米国も同様の情報を入手しており、18日に公表した「国家安全保障戦略」での「北朝鮮は核と生物化学兵器で米国を脅かしている」という記述につながったという。
北朝鮮が開発していると噂されているものの1つに電磁パルス攻撃というのがあった。
こちらの記事で少し紹介しているが、電磁パルス攻撃というのは、高高度で核爆発を起こすことで実現が可能なのだと言われている。

実のところ前回のミサイル発射においても、いくつかの問題点が指摘されていた。
高度4500kmにまで達するミサイル発射実験ではあったが、この時のミサイルは大気圏に突入後、3つに分かれて着水したといわれている。これは、弾頭が分かれるタイプのミサイルだったという話も出ていたが、どうやら再突入に耐えられずにバラバラになったのだ、という分析の方が優勢であった。

つまり、北朝鮮で開発されているミサイルは、小型化した核弾頭を搭載できるかどうか、という以前に、目標地点に核弾頭を届けることが困難な現状だということを示している。
北朝鮮は核実験も繰り返しており、最新の実験ではかなりの威力を出せる水爆のレベルに届きそうなシロモノまで実現しているわけだが、これが直ちに弾頭として、飛ばせるわけではない。
核爆弾をミサイルに積んで飛ばし、目的とする場所に着弾させてこそ、核兵器として完成するわけだが、
  1. 「核弾頭化」
  2. 「再突入できる構造」
  3. 「撃ち上げ精度」
などはまだ北朝鮮が実現出来ていないレベルの話である可能性はある。

そうなると、大気圏に再突入させなくても効果を発揮させることができる電磁パルス攻撃というのは、1番の技術がクリアされていれば可能となる。

ただまあ、電磁バルス攻撃そのものは、実はアメリカでも色々と研究されているものの、一人歩きしている情報のような、都市機能全滅みたいな効果が得られるかどうかは疑問視されている。
アメリカ軍がジョンストン島やアーガス作戦(1958年)で高高度核爆発実験では、実験地域の周辺で停電などの被害が発生したと伝えられている。だが、その規模や効果に関する詳細なデータは見たことが無いので、有効性に関してはハッキリとは分からない。

しかし冒頭のニュースは、それとはまたレベルがちょっと違う。

炭疽菌

炭疽菌というのは、割とドコにでもある土壌中にいる細菌なのだが、基本的には弱毒性である。それでも炭疽菌による病気の発症は、ヨーロッパなどでも知られていて、1881年にパスツールがワクチンを作り出すまでは、治療が困難だった。
そころが、炭疽菌の特性として、「短期間で致命的な感染症を引き起こす」「人から人に伝染しない」「有効な治療薬・ワクチンがある」という生物兵器に求められる要素を備えているため、これを兵器に転用しようということが考えられる。

有名なのがグリュナード島の実験(1942年)と言うヤツで、イギリス軍がグリュナード島で炭疽菌爆弾を使った撒布実験を行った。そして、島中に炭疽菌をばらまくことに成功したのだが、ばらまかれた炭疽菌の除去が困難であることがその後判明。萌芽芽胞の状態で土壌に残存すると、消毒液など用いても除菌が難しい事が分かったのである。
この萌芽芽胞が炭疽菌の厄介なところで、環境が悪化して萌芽芽胞が形成されると、熱や化学物質などに対して非常に高い耐久性を示すのである。

事件としてはこの他にも、スヴェルドロフスクの炭疽菌放出事故(1979年)や、ローデンシア(ジンバブエ)の炭疽流行(1979年~1980年)など、情報のハッキリしないところの事件も知られているが、アメリカでも、複数の場所に炭疽菌萌芽入りの郵便物が送りつけられる事件(2001年)が発生。最終的に皮膚炭疽12名、肺炭疽11名(死者5名、負傷者17名)の被害者を出した。このアメリカでの炭疽菌事件が、テロに対して炭疽菌の利用が有用であることを知らしめてしまった。
 北朝鮮はICBMの大気圏再突入時に発生する7千度以上の高温でも炭疽菌が死滅しないように、耐熱・耐圧装備などの実験を始めたという。一部には、こうした実験にすでに成功したとの未確認情報もある。
ある程度、高熱に耐性のある容器が完成すれば、ミサイルの弾頭に核爆弾を積むよりは軽くて済むだろうし、再突入に失敗しても炭疽菌をばらまける可能性があるわけだ。

正直、これがそんなに有効な手段なのかは僕は懐疑的なのだが、しかし、核弾頭を積んだICBMを完成させるよりはハードルが低い可能性がある。



日本は、最近になってようやく北朝鮮からのミサイル攻撃に対して、色々な手段を高じているようだ。

北朝鮮のミサイルに備え 住民避難の基本指針 改訂

12月19日 11時12分
政府は19日の閣議で、北朝鮮が弾道ミサイルの開発を進めていることを踏まえ、武力攻撃の際に住民を避難させる手順などを定めた基本指針を改訂することを決定し、都道府県に対し地下街や地下鉄の駅などを避難先として指定するよう求める内容を明記しました。
地下鉄の駅などを、避難先にするというアイデアは、それなりに意味があると思うし、避難訓練にも意味があるはずだ。

ミサイル警報、地下道で壁一列に 福岡で大規模避難訓練

2017年12月1日12時17分
福岡市は1日午前、北朝鮮の弾道ミサイルが上空を通過すると想定し、市内全域の携帯電話に緊急速報メールを配信する訓練を実施した。市内の公園と小学校の2カ所では避難訓練があったほか、走行中の市営地下鉄が最寄りの駅まで進んでしばらく停止した。
本当ならば、東京や大阪、名古屋といった大都市でこそ真っ先にやらなければいけないんだけどね。

ただ、やはり、直接攻撃能力を手に入れるべきだ。

北朝鮮メディア「軍国主義狂信者らの無分別な妄動」…日本を糾弾

2017年12月21日
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は20日、日本が米国とノルウェーから「戦闘機装着用の長距離攻撃ミサイルを購入しようと画策している」と糾弾する署名入りの論評を掲載した。同日、朝鮮中央通信が伝えた。
……いやいや、「軍国主義狂信者」って、それ自己紹介なんじゃないの?

まあ、そんな突っ込みはともかく、長距離攻撃ミサイルの導入は北朝鮮にとって不利だと言う事をバラしているのと同じだ。
北朝鮮だって、直接攻撃はいやなのである。つまり、相手の嫌がることをやるべきで、是非とも敵基地攻撃手段を手に入れるべきなのである。


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コメント

  1. 炭疽菌は、迎撃しても被害が出て除染も大変ということで彼らにはうってつけなんですね。
    北は他国の国際空港でVXを使用するなど、カルト教団並みに見境の無い連中なので、これも使う気満々でしょうし日本が長距離対地攻撃能力を獲得する正当性が増しましたね。
    VXや炭疽菌のようなBC兵器の怖いところは、ICBMなど使わなくても今日本海にうじゃうじゃいる木造船でも日本に持ち込めることですよね。(ICBMに搭載可能にするのは米に対抗するためですかね)

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    1. テロ国家にとってはありがたい兵器なんでしょう。
      日本にとっては非常に脅威になると思います。天然痘などは実際に日本国内に持ち込む必要がありますが、炭疽菌は爆弾で投下すれば効果がある可能性がありますから。

      削除
  2. いつも興味深く拝見しています。
    炭疽菌について萌芽は正確には芽胞ですね。芽胞を形成する細菌は耐熱・対薬剤性を持つので、やっかいです。

    返信削除
    返信
    1. ご指摘感謝。
      お恥ずかしい。

      修正させて頂きました。

      削除
  3. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年12月23日 1:42

    生物兵器(B)化学兵器(C)に関しては、この記事の通りだと思います。
    そして、避難訓練を行うことも重要だと考えます。

    ただ、引用されている朝日新聞の記事には書かれていませんが、福岡の避難訓練について、反対と騒いでいる連中がいるんですよね...
    ソース)毎日新聞「ミサイル訓練 朝の列車、一時一斉停止」2017年12月1日
    >公園から地下通路に避難する訓練も実施されたが、会場では平和運動の市民団体が「戦争の
    >危機をあおるな」と抗議した。
    (中略)
    >市に3回中止を申し入れた市民グループの代表の脇義重さん(72)は「福岡市は、訓練に
    >よって北朝鮮に日本が臨戦態勢に入ったと思わせ、戦争の危機を高めてしまうことが分から
    >ないのか」と抗議した。
    ソース)産経新聞「鳴るアラートに緊張 北ミサイル想定で福岡市が初訓練 列車一時停止、地下へ避難」2017.12.2
    >「九条の会 福岡県連絡会」(代表世話人、石村善治福岡大学名誉教授)は11月27日、
    >市に対し、訓練中止を要請した。
    (中略)
    >北朝鮮への非難・批判は、一言もなかった。
    (中略)
    >石村氏は、安倍晋三内閣が制定を進めた安全保障関連法に反対し、その違憲性を問う訴訟の
    >原告の一員でもある。福岡地裁の口頭弁論では「戦争の発生・暴発を、日本国憲法の平和主義の
    >名の下、司法の力で止める」などと訴えた。

    北朝鮮の暴走を、日本国憲法や日本の司法が止められるなら、苦労しないよなあ...

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    1. 避難訓練を否定するというのは、理解しがたいですね。
      何なんでしょうかねぇ。

      ヤバイ市民グループは、いざとなったら支那に逃げるんでしょうかね。

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  4. サウジアラビアで起きた、イエメンのテロ組織からのミサイルが迎撃されたという報道は疑問視されているらしいですね。本当はサウジアラビアが撃ったアメリカ製の地対空ミサイルが標的を外し迎撃に失敗したという説が有力です。
    ミサイル迎撃というのはそれだけ難しい話であり、北朝鮮が本気で撃ってきたら日本はなすすべがないというのが怖いところですね

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    1. サウジアラビアの迎撃ミサイルに関しては、きちんとしたニュースが出てきませんねぇ。

      出てこないと言う事は、つまり「ダメだった」という事なのかも知れません。
      ですが、ダメだったことをニュースにすると、技術的な面に言及せざるを得ないので、都合が悪いのでしょう。とはいえ、パヨクは大喜びする話なので、メディアは一生懸命嗅ぎ回っている様に思いますけどね。

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  5. 関係の無いネタですが、SAABが何をとちくるったのかKF-XのAESA開発に技術協力するようです。

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    1. おお、情報ありがとうございます。
      これも折を見て記事にしたいです。

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