年末から年明けにかけての半島情勢

さて、年明け最初の記事は半島情勢のおさらいである。

マティス長官、南北会談に懸念「偽りのない和平提案なのか」 米高官は「正恩の精神状態を懸念すべきだ」

2018.1.7
 韓国と北朝鮮の高官級会談が9日、板門店(パンムンジョム)で行われる。2月に韓国で開幕する平昌(ピョンチャン)冬季五輪への北朝鮮の参加など、南北関係改善について協議するが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が「核・ミサイル開発」を放棄する保証はない。米高官や専門家からは、正恩氏の精神状態や、突然の暴発を懸念する声が浮上している。
7日のニュースでは、アメリカの国防長官であるマティス氏が、「偽りの和平提案」の可能性を示唆し、ホワイトハウスの報道官、サンダース氏は金正恩氏の精神状態を懸念すべきだと指摘している。

去年の年末の状況を示すニュースがこちら。

国連事務総長、北朝鮮「対話による解決を」 幹部派遣で

2017/12/9 5:11
【ニューヨーク=高橋里奈】グテレス国連事務総長は8日、国連本部で日本経済新聞社などの取材に応じ、フェルトマン事務次長(政治局長)が北朝鮮を訪問したことについて「非核化を達成するための環境をつくり、事態が手に負えなくなる前に対話に基づく外交的、政治的解決を目指すものだ」と説明した。フェルトマン氏は平壌で李容浩(リ・ヨンホ)外相らと会談したが、金正恩(キム・ジョンウン)委員長との面会はなかったという。
「買収でもされているのか?」と疑わしい国連事務総長の発言ではあるが、「対話しろ」という発言をしている。
国連のフェルトマン事務次長が北朝鮮を訪問するなど、事態打開に向けた動きともとれる情報が出ているが、これはおそらく支那の影響を色濃く受けていたと予想される。国連に多額のチャイナマネーが流れていることは既に周知で、国連の動きそのものも支那の影響が懸念される。よって、年末のこのニュースも当然そうした視点で見るべきだろう。

北朝鮮、米トランプ政権との直接対話を要求=ラブロフ露外相

2017年12月8日(金)09時24分
ロシアのラブロフ外相は7日、北朝鮮が治安面での保証を引き出すため、米国との直接対話を要求していることを明らかにした。ロシアの複数の通信社が報じた。
それによると、ラブロフ外相は7日、ウィーンでティラーソン米国務長官と会談し、その際、北朝鮮側の意向をティラーソン氏に伝えた。

ここには、ロシアも陰に日向に影響力を行使していた。

そして、これに対してアメリカが出してきた回答がコレ。

対北朝鮮「最初の対話は前提条件なし」 米国務長官

2017/12/13 8:22 (2017/12/13 12:21更新)
【ワシントン=永沢毅】ティラーソン米国務長官は12日、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮との対話について「米国はいつでも対話する用意がある。最初の対話は前提条件なしでだ」と述べた。同時に、北朝鮮が弾道ミサイル発射などをせず「静かにする時間を持たないといけない」とも語り、一定期間は挑発行為を抑制する必要があるとの認識を示した。

対北朝鮮「無条件対話」否定 国務長官発言と隔たり

会員限定有料記事 毎日新聞2017年12月14日 09時44分(最終更新 12月14日 12時42分)
 米国務省のナウアート報道官は13日の記者会見で、ティラーソン国務長官が北朝鮮に前提条件なしの対話を呼び掛けたことに関し「新しい方針を打ち出したわけではない」と述べ、政策転換との見方を否定した。対話前に北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発を控える一定の期間が必要だとの認識を示した。
アメリカ側から「対話」の話が出ている訳だが、内容的にはかなりブレが見える。
複数の情報がアメリカに保たされた可能性が考えられる。ただ、国連の動きにアメリカが関与していない訳は無いので、この動きはアメリカも含めた意図が働いていると考えて間違いないだろう。

ともあれ、こうした流れを見て、日本のメディアも早速食い付いた。

安保理に対話ムード 「圧力維持」日米と温度差

会員限定有料記事 毎日新聞2017年12月17日 東京朝刊
 国連安全保障理事会は15日、北朝鮮問題に関する閣僚級会合を開催した。日米は北朝鮮への圧力継続での解決を主張するが、北朝鮮は核武装を「自衛」と正当化し、譲る姿勢は見せない。また、中国とロシアも圧力強化に反対しており、問題解決への糸口は見いだせないままだ。一方で、安保理理事国の中に北朝鮮との「対話」を前向きに捉える意見も出ており、日本との温度差も見え始めた。
流石、東京新聞で、北朝鮮側の立場を鮮明にした記事である。

ともあれ、ロシアが積極的に動いていた話は年末にも伝えられた。

ロシア大統領報道官「北朝鮮と米国の対話仲介する用意」

2017年12月27日(水)15時25分
ロシアのペスコフ大統領報道官は26日、米国と北朝鮮が望めば、ロシアには両国間の対話を仲介する用意があることを明らかにした。
ペスコフ報道官は記者団との電話会見で「ロシアに緊張緩和への道を開く用意があることは明白だ」と述べた。

そして、この機に、北朝鮮側も乗じてきた。

金正恩氏の「新年の辞」、対話攻勢で韓国揺さぶる北朝鮮

2018年1月4日
 北朝鮮の金正恩国務委員長は元日の「新年の辞」で、「米本土全域がわれわれの核攻撃の射程圏内にあり、核のボタンが私の執務室の机上に常に置かれている」と述べた。米国への敵対姿勢を示すものとして目を引きやすいポイントだったが、全体から読み取れる最大の特徴はむしろ韓国への対話攻勢だった。
北朝鮮の指導者は、年明けに「新年の辞」というのをやるのだが、金正恩氏は「核のボタン」の話をしつつ、対話の姿勢もちらつかせた。
 最も注目すべきは、韓国の平昌で2月9日から開催される冬季五輪について金正恩委員長自ら言及したことだ。金正恩委員長は「民族の地位を誇示する好ましい契機になる」として「代表団の派遣を含めて必要な措置を講じる用意」があり、「成功裏に開催されることを心から願っています」と述べた。
平昌五輪を契機に事態の転換を図ろうとする意思が見える訳だが、こうした動きは、北朝鮮が苦境に立った場合には必ず出てくる話。そして、状況が変われば直ぐにでも姿勢を転換する。
結局、ムービングゴールポストは韓国の十八番というわけでは無く、北朝鮮も同様に姿勢をコロコロと変える。国際社会はコレに何度も欺されてきたのである。

ICBM実戦配備を宣言=五輪で南北対話も-金正恩氏が新年演説・北朝鮮

2018/01/02-16:05
 【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は1日、「新年の辞」を発表し、「米本土全域が核攻撃射程圏内にあり、核のボタンが事務室の机の上にいつもある」と述べ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備を事実上宣言した。さらに、核弾頭やICBMなどの「大量生産、実戦配備に拍車を掛けなければならない」と強調した。
実際に、同じ「新年の辞」のニュースでも、別の切り口から見ると、ICBM実戦配備の事実上の宣言をしたという解釈もできるので、アメリカとの全面対決を示したとも言える。

そして、北朝鮮の動きに一番喜んじゃったのは、韓国のムン君だ。

対話姿勢を歓迎=金正恩氏演説で韓国

2018/01/01-17:21
【ソウル時事】韓国大統領府報道官は1日、声明を発表し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が平昌冬季五輪を契機とした南北対話の用意を表明したことについて、「歓迎する」と述べた。
自分の国が一番ヤバイ立場にあると言う認識に無いムン君は、尻尾を千切れんばかりに振る犬の如くである。

珍島犬

そして、ムン君の初仕事はこちら。

文在寅大統領、元慰安婦と昼食会 日韓合意の新方針策定前に意見聴取

2018.1.4 11:52
韓国の文在寅大統領は4日、元従軍慰安婦の女性らを大統領府に招き、非公開の昼食会を開く。文氏は昨年末、慰安婦問題は2015年の日韓合意では解決できないと表明。近く政府の新方針を策定するのに先立ち、元慰安婦らの意見を聞く。大統領府関係者が明らかにした。
「1mmも動かさない」という日本側の姿勢に対して、ムン君は日韓合意を破棄する方向に舵を切っている。恐らく、三一節となる3月1日にはこれを破棄すると予想され、再びムン君の支持率は爆上げだろう。

アメリカも対話の姿勢を見せている中で、日本だけを切り離そうという動きが現在の国際情勢であるように思われる。

トランプ大統領、南北対話「うまくいくこと望む」

1月7日(日)7時4分
 アメリカのトランプ大統領は北朝鮮と韓国の対話の再開について、「うまくいくことを望んでいる」としたうえで、北朝鮮に対する圧力を最大限に強める自らの政策の成果だと強調しました。
 「うまくいくことを望んでいるし、両国の間でそうなることを見てみたいと思う。まずは五輪の話をし、そこから始まるかもしれない。私は100%応援している」(アメリカ トランプ大統領)

トランプ米大統領、北朝鮮との対話に意欲 南北対話にも期待

2018.01.07 Sun posted at 14:07 JST
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は6日、記者団との会見で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と対話することに抵抗はないと話し、韓国と北朝鮮が予定している会談の成果にも期待を示した。
もとより、アメリカは半島情勢に関与する立場にはあるが、積極的に動き出したいという意向は強くない。現在の動きが鎮火してくれれば、それに越した事は無いという意図は鮮明である。

更に厄介なことに、アメリカは韓国からも手を引きたがっている。ロシアや支那は米韓離間作戦を展開している。ロシアや支那にとっては、北朝鮮からの労働力は経済発展には欠かせず、北朝鮮への圧力には消極的な状況は変わらない。



アメリカと韓国との関係が今後どうなるかはよく分からないが、本格的にアメリカが韓国から手を引くことを考えた場合には、日韓合意などを含めて前提が瓦解する可能性が高そうだ。

アメリカとしても北朝鮮が白旗を揚げるとは考えておらず、対話路線は既に諦めた道であった。だから、「いつやるのか」だけの話だったはずなのだが、見事にロシアと支那が演出した北朝鮮の変化球にアメリカが揺さぶられている感じの現状である。「もしかしたら対話で解決できるのかも?」とアメリカに思わせることで、北朝鮮が時間稼ぎをするのは明白なのだが、アメリカはそもそも乗り気じゃ無いので、ここは矛を収める可能性もある。

問題は、そうなった場合の日本の対応なのだが……、日本としては韓国との間に日韓合意があり、北朝鮮との間には未だ解決されない拉致被害者問題が横たわっていて、朝鮮半島との関係改善の前にはこれらを解決しないことにはどうしようも無い。つまり、1mmも前に進めない状況ではある。

このお陰で日本が流れに取り残される可能性も指摘されているが、何が日本の国益となるのか?を考えると、静観するのが良いと思われる。


北朝鮮にしても韓国にしても、毎度お馴染みの動きなのだ。
だから、結果も同じであると考えられる。朝鮮半島の基本は欺きの動きをすること。それに対応すべき日本は断固とした姿勢を貫くことを示し、その上で憲法を改正して自衛隊を軍に昇格させ、「いつでも動けるぞ」という姿勢を示せる状態を構築すべきなのだ。一見、国際的な流れとは違うとも思えるけれども、それが日本の国益を損ねることになるとは思わない。


それをやらなければ、基本的に半島問題はいつまで経っても解決はしないのだから。ただ、情報戦に負けては話にならないので、国際的な流れをしっかりと中止して欲しい。



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コメント

  1. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年1月9日 2:57

    本年もよろしくお願いします。

    さて、早速ですが、
    >アメリカは韓国からも手を引きたがっている。ロシアや支那は米韓離間作戦を展開している。
    中ロが離間策を取っているのは、自分も感じます。
    ただ、米国も手を引きたがっている(戦線を縮小したいと考えている)以上、米国にとって大きなダメージにはならない感じがします。
    (米国が韓国を捨てた形であれば、米国にダメージが残ると思いますが...)

    米韓が離間した場合の日本への影響ですが、
    >アメリカが韓国から手を引くことを考えた場合には、日韓合意などを含めて前提が瓦解する
    >可能性が高そうだ。
    日韓合意どころか、日韓基本条約レベルまで前提が瓦解する可能性があると考えます。
    さすがに、北朝鮮と同様の「ほぼ国交断絶」状況にはならないと思いますが、友好国で無くなる可能性は十分にありうると考えます。
    国内問題(在日韓国人問題)は別として、大勢に影響はないと考えます。

    以前、このブログのコメントに書いた気がするのですが...

    米軍が朝鮮半島から撤退し、米韓相互防衛条約が消滅した場合、北朝鮮は日米に核を打ち込む大義を失います。実は、短期的には米韓相互防衛条約の破棄が、日米の防衛に効果的なのかもしれません。

    そう考えると、中ロによる米韓の離間策は、ある意味、歓迎すべきなのではないかと考えます。

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    1. 本年も宜しくお願いします。

      日韓基本条約はもうずいぶん前から怪しい気がします。
      条約破棄をやらかすことはないでしょうが、実質的に守られていないのかと。内容にも不備がありますしね。

      さておき、米韓分断工作が進んだとして、どうなりますやら。
      韓国が明確にレッドチーム宣言した段階に既にあるわけで、ここから在韓米軍撤退がすすむとなると、韓国軍内にあるアメリカ製の兵器に関するノウハウを、アメリカが放置するとも思えません。南北仲良く焼け野原的な展開まで予想すべきでしょうかね。

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  2. 事態の転換をと言うより、延命、引き伸ばしの意図を感じます。
    まぁ、与えられた五輪カード(しかも期限切れ)を当事者のISUやIOCでなく韓国に切るあたりは「上手いなぁ」と言う感じではありますが。
    非常に綱渡りですが外交巧者という意味では、南より遥かに手ごわいですね。

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    1. 五輪カードですが、凄い切り方をしてきましたね。
      この辺りは記事にしたいと思います。

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