アメリカ、シリア攻撃に踏み切る

米英仏の3カ国でシリア攻撃が行われた。

トランプ大統領、シリア攻撃で「任務完了」-ロシアは侵略行為と非難

2018年4月14日 10:53 JST 更新日時 2018年4月15日 9:15 JST
米国防総省は14日、シリア攻撃について、シリア軍やロシアからの本格的な反撃もなく、アサド政権が化学兵器を再度使用する能力を後退させたと発表した。
トランプ大統領は攻撃の成果に関して「任務は完了した」とツイート。攻撃が「完璧に実行された」と述べた。

一旦はやらないのでは?という空気が流れたが、アレはどうやら仕込みだったようで。

シリア

夜景に生える一筋の光、されどそれは破壊をもたらすミサイル。

ミサイル攻撃

いやはや、105発のミサイルをぶち込んだというのだけれど、当然ながらシリアには一般市民も住んでいるわけで、この空爆によって人生がぶち壊しになった人もいるのかも知れない。まあ、シリア政府によって先に壊されていたのかも知れないけれど。

空爆

ともあれ、ミサイル攻撃が行われた事そのものは不幸なことではある。



アメリカなどは、衛星写真などを公開してピンポイント攻撃ができたというようなアピールをしているようだが、まあ、その結果は推して知るべし。

科学兵器工場(攻撃前)

空から見ただけで、その施設の中身を判断するのはなかなか難しいだろう。誤爆もそりゃ含まれるだろうと思う。
トランプ大統領は攻撃の成果に関して「任務は完了した」とツイート。攻撃が「完璧に実行された」と述べた。
~~略~~
米国防総省によると、シリア攻撃では3つの標的に105発のミサイルが発射され、アサド政権の化学兵器使用の能力が大幅に低下した。

トランプ氏は任務完了と言って胸を張っていたけれど、果たしてどうなるのやら。

英仏、米との結束前面 露へ対抗軸

毎日新聞2018年4月16日 08時00分(最終更新 4月16日 08時00分)
英仏両国は米国主導のシリア政府の化学兵器関連施設への空爆参加で、米国との結束を印象づけた。両国には、トランプ米大統領の差別的な発言や国際的な気候変動の枠組みに反対する姿勢などへの反発も残るが、シリアのアサド政権を支援するロシアに対抗する強いメッセージを発することで一致した。
結局この記事にあるように、今回の空爆はほぼ「見せしめ」だったと言うことだと思う。もちろん、化学兵器関連施設を破壊したということは多分事実なのだろうと思う。だが、それで問題が解決するかといえば、そうでは無いだろう。

しかし、これはシリアが化学兵器を使ったという前提で成り立つ話。

残念ながらその証拠は、今のところ出てきていない。

シリア毒ガス攻撃は英国が指示 ロシアが主張

2018年4月14日 5:49 発信地:モスクワ/ロシア
シリアの首都ダマスカス近郊にある東グータ(Eastern Ghouta)地区で化学兵器が使われたとされる問題で、ロシア国防省は13日、この攻撃が英政府の指示により捏造(ねつぞう)されたことを示す証拠があると主張した。英国はこの主張を「見えすいたうそ」だと否定している。
イギリス側から証拠らしき映像が出てきたという報道があった。

治療中

写真も出ていたが、このソースはどうやら某人道団体らしく、報道機関が情報提供を受けて報じたという事になっているようだ。これにロシアは、事実無根だと反撃している。

いったい何のため?シリアの子供たちを化学兵器で攻撃

2018年4月9日(月)18時30分
シリアの東グータ地区ドウマで化学兵器を使った攻撃が行われ、多数の死者が出ていると人道団体が4月7日夜、明らかにした。
シリア政府は反政府勢力に対して徹底的な弾圧を行っているのは有名な話。そして、毒ガス製造工場も存在するという話はあって事実らしいのだが、現時点で使うメリットは、実は無いのだ。
この攻撃が始まるまでは、シリア政府軍が概ね大局を支配する状況が作られていた。その段階で毒ガス兵器を使うメリットが薄かったと言われているのだ。

シリア事情=原油・石油製品が不足、経済制裁とIS侵攻で―EIA報告

2015/07/07 07:26
 米エネルギー情報局(EIA)は6月24日、中東シリアの国別レポートを更新、発表した。2011年に始まった内戦を契機に、欧米諸国による経済制裁の発動と、過激派組織ISの侵攻などで、シリア経済は壊滅的な打撃を受けている。こうした状況下、エネルギー分野でも石油・天然ガス生産量が激減しているのが実情だ。
 チュニジアなど北アフリカの民主化運動「アラブの春」は、シリアにも伝播した。シリアではその後、治安が安定するどころか、かえって混乱をもたらし、現在に至る。その影響はシリア国内に留まらず、中東全体の地政学リスクの増幅につながっている。民主化の動きに、バッシャール・アル・アサド政権が強権を発動、反政府勢力の蜂起や欧米諸国による経済制裁に加え、シリアからイラクに跨り、勢力を拡張する過激派組織ISの侵攻で、シリアはいま、国家的危機に直面している。
 EIAによると、シリアにおける原油の確認埋蔵量は25億バレル(2015年1月現在)。原油生産量は2008年~10年の日量約40万バレルから2015年5月には同2万5,000バレルまで激減したという。原油の輸出量は2010年時点で日量15万バレル程度あったが、現在は「実質ゼロ」の厳しい状況だ。


無論、シリア政府軍も財政状況はかなり厳しい。
かつてはある程度纏まった量の石油を産出できる国だったのだが、今や実質ゼロ。もともと、裕福な国では無く、2010年頃のGDPは600億ドル程度(世界第三位の日本は5兆ドル弱、20位のサウジアラビアが6500億ドル程度、75位のコスタリカで580億ドル程度)で、中東では貧しい部類に入る。
現在はその半分程度にまで縮小しているそうだ。
だが、シリアの石油埋蔵量は、統計上の資料ではまだ国際競争力を持ち得る程度にはある事になっている。



この石油埋蔵量の話が事実であれば、アサド政権としては、ロシアのバックアップを受けているとはいえ、今後、国際社会に地下資源を売っていかねばならぬ立場であり、そういう意味でも心証が悪くなるような毒ガス使用を行うというのは考えにくい話。

真相は分からないが、隣国であるイラクは石油絡みの問題でアメリカ軍の攻撃を受けてサダム・フセイン政権が崩壊した。今回の話も欧米の石油メジャーが裏で糸を引いている話だとしたら、その構図は同じであると言えよう。

いずれにせよ、シリア問題は今後もそう簡単に解決する話では無いのだが、米英仏が本当に正義側に立っているのかは、僕は怪しいんじゃ無いかとそう思っている。


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コメント

  1. >>米英仏が本当に正義側に立っているのかは、僕は怪しいんじゃ無いかとそう思っている

    国家の行動に正義うんぬんとは面白いことを言われますね
    あなたの文章を読む限り、とても頭の良い方と見えました
    大手メディアのような視点は、まあ皮肉もあるのかもしれませんが、やはり成年を超えた大人の視点としてはあまり意味のあることとは思えません

    頭の良い人には、無駄な論説で消耗するより、「なぜ行動したのか、行動によって何が生まれるのか」という信念ではなく事実の方を追いかけて欲しいものです。勿論、これは私の勝手な願いではあるのですが

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    1. 頭のデキに自身はありません。
      故にあまり過大な期待をされても、ご期待に添えないので申し訳無く思うわけですが、「正義」の名の下に戦争が行われて、それが本当に正義だったという話は寡聞にして知りませんし、「国家の行動に正義云々」が荒唐無稽であるとのご指摘は、当たっていると思いますよ。

      善処したいと思います。

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  2. その私はプーチンのファンなんですけど。やはり、独裁の強味でないですかね?
    そこに行くと西側は強引な事は出来ませんから。ある程度は英国の言い分も……。
    しかし独裁だから、かなり経済面では強行突破できる。
    民主主義国より独裁国家の方が打たれ強い(笑)
    こういう展開は冷戦崩壊をリアルに観た世代としては予想しませんでした。

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    1. 日本には結構プーチンファンが多いと思います。
      僕も例に漏れず、ファンですな。

      ただ、日本がロシアを信用できるかというとこれまた難しい話でして、少なくとも信用すべきでは無いと思っています。プーチン氏も国益第一でしょうし、そういう意味では注意深く付き合うべき相手ですよね。

      話ができるだけマシな相手とも言えますが。

      まあ、そんな感じで、最近の国際情勢はかなり緊迫の度合いを深めていますが、国会で何をやっているかというと……。

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