ドイツとフランスの哨戒機共同開発に日本が参画検討

受注は無理だとは思うんだけど、こうしたセールスは必要なんだと思うよ。

ドイツとフランスの哨戒機共同開発、日本が参画検討=関係者

2018年4月25日 / 12:16 / 1日前
[東京/ベルリン 25日 ロイター] - ドイツとフランスが計画する哨戒機の共同開発に、日本の防衛省が参画を目指して両国国防当局と接触していることが分かった。複数の政府関係者によると、海上自衛隊の対潜哨戒機「P1」を土台にした開発を提案している。日本は英国にP1を、オーストラリアに潜水艦を売り込むことに失敗しており、国産武器初の輸出を早期に実現したい考え。
話は、ドイツとフランスが計画している哨戒機の共同開発の話である。
ドイツとフランスは現在、米ロッキード・マーチン(LMT.N)の「P3C」と仏ダッソー・アビアシオン(AVMD.PA)の「アトランティック」をそれぞれ運用している。
それぞれ運用している対潜哨戒機はこちら。
独P3C仏アトランティック
ドイツの使っているP3Cは、日本の自衛隊も使っているヤツだ。フランスの使っているアトランティックは、ダッソー社の作るアトランティック2というヤツで、実はアトランティック2はドイツも運用しているようだ。ドイツやオランダ、イタリアなどではアトランティック2ではなくアトランティックを運用しているようである。

さて、アトランティックはアトランティック3が提案されたものの、開発が中止されてしまった。P-3Cも老朽化が著しい。
そんな訳で両国とも後継機探しに躍起のようだ。

日本も、未だにP-3Cを運用はしているが、後継機としてP-1を開発して導入しはじめている。
日P-1
P-3Cを正当進化させたP-1は対潜哨戒機としては、なかなかの実力を有しているとは思うので、これを提案する日本側の感覚は分かる。分かるのだが……、高いんだよねぇ。調達価格は概ね1機200億円(まとめて調達することで160億円程度まで圧縮できているようだが)である。P-3Cの調達価格は130億円程度なので、価格差を考えるとなかなか悩ましい。
しかしそれ以上の悩ましいのは、エンジンがIHI製のF7ターボファンを採用している点で、ドイツやフランスにとってはエンジンの調達が難しいという辺りだろう。

なお、イギリスにもニムロットの後継機として売り込みをかけていて、アメリカのP-8に敗れている。

英、核戦力更新に6兆円 テロ対応で2旅団1万人規模も創設

2015.11.24 08:46
~~略~~
 今後10年間の防衛装備関連支出は1780億ポンドに増額すると発表。空軍に米ボーイング社のP8哨戒機を9機導入するとした。日本が売り込みを図っていた川崎重工業のP1哨戒機には触れなかった。
アメリカもP-3Cの後継機を模索して、P-8「ポセイドン」を導入している。これをイギリスも選択したというわけだ。
米P-8A
調達価格は120億円程度なので、コストはP-1と比べるとお安いのも魅力的である。

で、この記事でも言及があるのだが、P-1の競合相手は既に幾つか名前が挙がっている。
しかし、この案件には欧米企業との激しい競争が予想される。仏エアバス(AIR.PA)は、旅客機「A320neo」を哨戒機など軍用機に転用することを計画。複数の関係者によると、ダッソーはビジネスジェット「ファルコン8X」を哨戒機として活用することを考えている。米ボーイング(BA.N)は哨戒機「P8」を提案してくるとみられる。
ただ、エアバスのA320neoの軍事転用版やダッソー社のファルコン8Xは、未だベース機があるだけの状態で、軍事転用は未だこれからである。
関係者の1人によると、防衛省は日本がP1の機体を提供し、全体の取りまとめ役や搭載するシステム、電子機器の開発はダッソーやタレス(TCFP.PA)といった現地企業が手がける構想を描いている。3カ国の企業もすでに情報交換をしているという。
既に自衛隊で運用実績のあるP-1の方が、この2つよりは先んじているワケだが……、P-8は外国での運用実績もあるので、かなりの強敵だと言えよう。
オーストラリアに続いてニュージーランドでもP-1はP-8にセールスで負けているからね。

ただ、どちらにしてもこうしたセールスを行い、チャレンジをしていくことは、防衛省や自衛隊が国際感覚を身につける上でも必要な事だろう。




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コメント

  1. チャレンジする事に意味がありますね。
    それに売れば売る程、作れば作るほど安くなりますからね。
    アメリカの兵器が(比較として、ある程度)安いのも同盟国相手に売りまくれるってのもあるでしょうしね。
    ボーイングが手強いのは間違いないですが。

    あと関係ない話ですが、韓国が「初の韓国型ロケット」の名称を公募するらしいですよ(笑)
    初って。ロシアに打ち上げてもらったのとか韓国型って言ってませんでした?
    日本が打ち上げたのもこっそり国旗貼り替えてたし。
    ソースは中央日報です。
    http://japanese.joins.com/article/909/240909.html

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    返信
    1. オーストライアの潜水艦の時は反対しましたが、航空機に関してはもっと積極的にやって欲しいと思っていますよ。
      もちろん、相手は選ばねばなりませんけれど。

      インド相手にUS2を売り込む話はどうなったのやら。覚え書きを交わすところまでは言ったような話がありましたけれど。

      削除
    2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年4月30日 23:37

      哨戒機に関しては、別コメントにします。

      インドへのUS2の供給?の話ですが、交渉中みたいですね。
      こんな記事がありました。
      ソース)神戸新聞「新明和工業 飛行艇でインド企業と覚書」2018/04/19
      >海上自衛隊の救難飛行艇「US-2」について、製造元の新明和工業は18日、
      >部品製造や組み立て、保守点検で協業できるか検討するため、同国企業と覚書を
      >交わしたことを明らかにした。両国政府が合意した場合に備える。

      削除
    3. US2のこの覚書なのですが、民間企業同士の合意なので、僕はこの事で何かが進展したという風には捉えていません。
      政治的な下地になる可能性はありますが……。

      次に繋がるといいですね。

      削除
  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年5月1日 0:06

    まず、
    >実はアトランティック2はドイツも運用しているようだ。
    これは、誤りです。ドイツは、アトランティック2を保有・運用していません。
    アトランティックは、アトランティック(アトランティック1)とアトランティック2があります。
    アトランティック2は、アトランティック1の改良型で、フランスのみが導入しました。
    なので、正しくは「実はアトランティックはドイツも運用しているようだ」という感じでしょうか。
    (現在、対潜哨戒任務は、P-3Cが担当しているようです)

    P-8は、旅客機(737)ベースの双発ターボファン機なので、低空におけるバードストライクの可能性が、P-1より高いと考えます。あとは、高機動ができるのか疑問です。
    (P-1も、何処までの高機動ができるかわかりませんが)

    エンジンについては、仕方ないですね...
    ちょうど良いサイズのターボファンが少ないということもあります。
    逆に言えば、派生型?を販売すれば?という気もします。

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    返信
    1. 調査が不十分でして申し訳ありません。
      確かにアトランティック2はフランスのみ採用しているということになっていますね。訂正させていただきます。

      P-8はあくまで廉価版だ、という話を聞いたことがありますが、昨日は結構オミットされているようですね。その辺りをどう評価するか?なのでしょうが、ドイツやフランスが何を選ぶのかは、政治的な影響が強いと思いますので、可能性はやっぱり低いと思いますよ。

      削除
    2. P-8は従来の対潜哨戒機とは違い母機であるP-8はより高い高度を飛翔し従来の低空領域は
      ドローンでカバーするスタイルだと記憶してます。
      哨戒任務を重視すればこのスタイルも分かりますが対潜哨戒任務はドローンにお任せで
      下手すると従来型の対潜哨戒機よりも運用コストは高くなると推測します。
      米国に軍民合わせて適当な4発機が無かった事と、1からの開発だど議会に開発コスト
      で突っ込まれる事を少しでも避けるために民間の双発機をベースするしか無かったので
      ないでしょうか?

      双発機だから低空に降りるリスクは最小にしてドローンでカバー、この様な運用スタ
      イルだと運用コストは高めになるでしょう。


      削除
    3. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年5月3日 2:39

      匿名様
      米軍のP-8の運用スタイルは、仰るとおり、P-3Cより高い高度を巡航するスタイルとのことです。そのため(低空飛行を必要とする)MAD(磁気探知機)は装備していません。
      一方、インドへ輸出されたP-8は、MADを装備しています。つまり、インドは従来の運用スタイル(=低空に降りるリスクがある)のままであろうと考えます。

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    4. なるほど、勉強になりました。
      みなさま、ありがとうございます。

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