米朝首脳会談での妥協点はどこに行き着くのか

今回は、ちょっと予想めいた話になるので、話半分に聞いて欲しい。

トランプ氏「非核化に明るい兆し」来月開催

毎日新聞2018年5月11日 12時06分(最終更新 5月11日 12時15分)
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が6月12日、シンガポールで開催されることになった。
日程と場所が決定された米朝首脳会談だが、その前にめまぐるしい内容調整が行われるだろう。
トランプ氏
しかし、その前に安倍氏にハードルを上げられてしまった。これに焦っているのは支那と韓国だ。
南北首脳会談で勝手に決めた米朝首脳会談のゴールは、「朝鮮半島からの核の除去」であり、見せ札としての「豊渓里の核実験場の廃棄」であった。
そして、そのゴールは「段階的に」という枕詞が付くわけだが。
少なくとも、南北は「それで行ける」と考えた。見せ札はノーベル平和賞だったが。

南北首脳会談が1番人気 ブックメーカーのノーベル平和賞予想

2018.4.28 21:30
10月に発表される今年のノーベル平和賞受賞者を巡る英ブックメーカー(賭け屋)の予想で、歴史的な南北首脳会談を27日に行った韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の両首脳が、28日昼(日本時間同日夜)時点で1番人気となっている。

「トランプ氏にノーベル平和賞を」 米共和党の下院議員らが推薦状

2018.5.3 21:48
米下院の共和党議員ら18人は2日、トランプ大統領について「朝鮮戦争の終結と朝鮮半島の非核化」などへの貢献を評価し、2019年のノーベル平和賞の受賞者に推薦するとの書状をノーベル賞委員会(本部・オスロ)に送った。
そして、共和党議員が動いて推薦状を出す程に、割とトランプ氏もノーベル平和賞に喰い気味だったのだが……。

しかし、日本はこれを蹴っている。
これは事前にアメリカとの摺り合わせがあったのだろう。
それが「板門店」では無いという発言にも繋がるのである。前にも書いたが、これは、「安易な朝鮮戦争終結の演出をしない」という意味と、「韓国は口出しするな」という意味があるだろう。

韓国としては折角、南北首脳会談で仕掛けた「ゴール」が変わってしまった訳で、つまり韓国の外交的失敗が明らかになっちゃった。
ムン君が慌てたのも無理は無いのだが、もっと焦ったのは支那だろう。「俺、蚊帳の外じゃん」と、習近平氏は焦ったはずだ。

北朝鮮への一定のプレゼンスを持っていたと言われている支那だが、金正恩体制になって以降、その影響力は表面上、大きく低下している。このことは、支那の国内の問題にも大きな影響を与える。そう、北部戦区の問題である。

また、習近平氏が外交で連戦連敗である事も、彼の面子にかけて断じてあってはならぬ事で、国内の勢力基盤の安定を目指してある程度のところまで来ているにもかかわらず、その体制が弱まりかねない火種を作る事は、容認できないだろう。
このことが日中韓のサミットを東京で開催する運びになった事と関係していると思う。支那や韓国が主体的に動ける立場にあり、拉致問題を解決したい日本という立場であれば、わざわざ支那は日本に来ない。
しかし、習近平氏にとって、下準備も殆ど無しに日本に行くことは絶対に避けたい。少なくとも外交的勝利をもぎ取れない状況は避けたいはずで、それが既に政治力を失って久しい李克強氏の訪日に繋がったのだと思われる。そして、「歴史問題での合意ができなかったから」という、わざわざ本国に合意を取り付けるような醜態をさらしてしまった李克強氏の姿を見るに、支那にとっては今回のサミット、失敗だったのだろう。
習近平氏は、自国に留まり、頭を下げてきた北朝鮮の金正恩氏に対してご満悦で自国の兵器を自慢していながら、心穏やかでは無かったのかも知れない。

さて、ムン君の失敗は明らかだが、米韓首脳会談、どうするつもりなんだろうな。

22日に米韓首脳会談 米朝会談に向け最終調整か

2018.5.5 10:11
 【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領報道官室は4日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月22日に訪米し、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談すると発表した。
このニュースは、5月5日に最終決定ということを報じているが、4月の段階である程度はその日程が決まっていた。

米韓首脳が会談へ、「南北」後に「米朝」の成功目指し

2018.04.25 Wed posted at 18:06 JST
(CNN) 米国のトランプ大統領と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が近く会談する見通しとなった。
韓国政権高官がCNNに語ったところによると、文氏が米首都ワシントンを訪れ、27日に予定される南北首脳会談の結果をトランプ氏に報告する。

この段階では、というか最終調整の段階、5月4日の段階でも「板門店」が米朝首脳会談の最有力候補であったハズだ。
ところが、5月10日の段階で「板門店はねーよ」と発表した上で、なんと、フィリピンでやることに決まってしまった。そうなると、韓国がこの米朝首脳会談に首を突っ込むことは非常に困難になる。

中国、北朝鮮の“後ろ盾”立場鮮明に

9日13時58分
 米朝首脳会談を前に、中国は北朝鮮の後ろ盾としての立場を鮮明にしています。
 中国共産党系の国際紙「環球時報」は9日、「中朝首脳会談が朝鮮半島の平和に強い推進力を与えた」と題する社説を掲載しました。7日から8日にかけて行われた習近平国家主席と金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の2度目の会談で、両国の政治的な信頼関係がさらに強化され、「中国は、政治的にも安全保障の面でも北朝鮮の大きな後ろ盾になれる」としています。

支那は北朝鮮の後ろだてという立場をもぎ取った。その上で、米朝首脳会談にも首を突っ込む勢いである。

米朝首脳会談シンガポールに中国は──習近平参加の可能性も

2018年5月11日(金)14時00分
米朝首脳会談場所がシンガポールになったことに関し、中国は公式には歓迎の意を表しているが、本音では中国外しの一環であると解釈し、習近平がシンガポールに行く可能性もある。大連への電撃訪問は試験飛行だとも。中国政府関係者を取材した。
保護者付きかよ!!!

まあ、アメリカはこの支那の希望を一笑に付す可能性は高いが、どう転ぶかはまだ分からない。
 支持者を前にしたインディアナでの集会で、トランプ氏は「(北朝鮮との)関係は良好だ。会談は大きな成功になるだろう」と自信を示した。また、米ABCテレビに出演したペンス副大統領によると、トランプ氏は「金正恩氏が完全な非核化を受け入れる用意があるとの明るい兆しを目にしている」と語ったという。
https://mainichi.jp/articles/20180511/k00/00e/030/271000c
トランプ氏は、逐一、圧力を掛けているみたいだけどね、イラン核合意の話と言い、かなり露骨に。



ここに来て、北朝鮮は慌ててミサイルの話も切り出した。

北朝鮮、予告なしミサイル発射自制約束

2018/5/11 6:49
【ニューヨーク=高橋里奈】国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)は10日、北朝鮮が予告なしにミサイルの発射や民間航空機に危険を及ぼす行動をとらないと約束したと明らかにした。
こんなの意味無いのに……。

さて、この話はどの辺りにゴールポストが置かれるのか?というのが非常に興味深く、ここからは単なる予想というか、願望が混じるわけだが。

日本が上げたハードルは、非核化ではなく、核を含む大量破壊兵器の廃棄と、拉致被害者の救出、そして、ミサイルの廃棄である。これについて、アメリカは拉致とミサイルの限定的放棄までは行けると踏んでいるようだ。しかし、核を含む大量破壊兵器に関しては、核兵器はともかく化学兵器・細菌兵器まで放棄させる所までは難しいんじゃ無いかと思う。

ただ、米朝首脳会談開催前までに、アメリカの脅しがもう1発入ると予想。

その上で、北朝鮮は米朝首脳会談を蹴るという決断がもはやできないので、何処か妥協点を見出して米朝首脳会談をするだろうと思う。もし、この首脳会談が行われない場合は、アメリカ側から一方的にキャンセルされる場合だ。事前協議が不調に終わり、条件設定が上手く行かない場合にはそうした事もあるだろう。
が、その可能性はかなり薄いとは思う。既に、場所と日程が開示されたからね。

となると、そのゴールは何処か?という点が問題になる訳だが、多分、これ、核兵器のCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な解体)の一歩手前で落ち着くのでは無いかと思う。北朝鮮の査察受け入れはあるんじゃないかと。「段階的に」は拒否しても「期限を切った一括廃棄」というのはやると思う。

ただ、そうだとすると神格化した先代と先々代の扱いをどうするか?神格化してしまった「先軍政治」の推進という矛盾をどこで解消するのか?は、未だに答えが出ていないので、そこをどう解消するのかは見物ではあるな。

案外、北朝鮮はアメリカ軍の受け入れとか思い切った所に行くんじゃ無いかな?ただ、拉致は、「人権問題」という非常にヤバい問題を含むが故に、果たしてどこまでやれるか……。先代は拉致を認めたけれど、「解決済み」と言っていたから、今さら蒸し返す可能性は低いと思う。でも、金正恩氏の宗旨変えが可能なら、可能になるのかもね。



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コメント

  1. しかしトランプ氏にノーベル平和賞となると、ムン君も?
    すると前に北には与えなかった歴史があるもんで、カリアゲだけあげない訳にはゆかない。
    カリアゲにノーベル平和賞?
    筒井康隆の小説であるまいし。
    冗談にもほどがある。
    実際、会談どうなるんですかね。カリアゲも国際的に認知されて体制保証するラストチャンスぽいから必死!
    でもねぇ、戦車で飢えた民の抗議を引き殺す国ですからねぇ。
    それを体制保証するなら、戦後の民主主義の理念って何なの?
    どー考えても東京裁判の我が国より非道なテロ国家ですよ。
    国連(英語で連合国)とか、もう
    いらないんでないすか?
    シナの金の前にはヘイコラなのかよ?

    返信削除
    返信
    1. ムン君とカリアゲ君がダブル受賞!みたいなジョークがあって、「いやいや、ノーベル平和賞はトランプ氏こそが貰うべきだ。我々は平和を享受できれば良い」と、ムン君が言っちゃったという笑い話がありましたね。

      さておき、僕個人の考えだけですが、北朝鮮は折れないんじゃないですかねぇ。
      体制保証って、今の北朝鮮の恐怖政治を容認するって話ですから、人権的には許せない話なのですよ。今の北朝鮮は、存続そのものが困難な状態だと思いますから、体制保証はそもそも無理なんじゃないかと。核放棄も無理でしょうし。
      時間稼ぎをして、何処かで破綻というシナリオが一番ありそうなんですよね。

      削除
    2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年5月15日 20:24

      えげつない意見ですが、ご容赦ください。
      >人権的には許せない話なので
      その「人権」ですが、「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」(=差別是正)の前提を含んだ意識で判断してないでしょうか?
      (言い方変えると「ブラック企業に『許せない』というのは勝手ですが...」という感じです)
      約束や契約を守らない韓国人・朝鮮人をたたき直すには、恐怖政治のほうがいいのかもしれません。
      個人的には、北朝鮮の体制保証は容認の範囲内です(無論、核放棄+拉致被害者解放が前提で)。さらに、そのために在韓米軍撤退+米韓相互防衛条約破棄も想定内です。

      削除
    3. いえいえ、意見頂くのは大歓迎です。

      言葉が足りなかったようで申し訳ありませんが、「人権的には許せない」というのは、もちろんポリコレ的な意味を含むのでしょう。ヨーロッパの感覚では、と、付け加えるべきかも知れません。
      現実問題としては、未だに多くの国で北朝鮮を笑えない状況があるのですしね。それを理由に「国家を潰せ」というのも違うのでしょう。

      指摘したかったのは、国際的には「人権」というウイークポイントを北朝鮮の現体制が抱えていますよ、という話です。
      僕としては拉致被害者を帰して貰うのが最低限。その補償金を被害者達に支払って貰えれば、北朝鮮に金正恩氏が君臨し続けたとしても、特に文句を言うつもりはありません。

      削除
  2. 保護者の引率付きのニュースは笑いましたねぇ
    米韓首脳会議で「やっぱり板門店」に持ち込めたら文の大勝利でしょう。

    最悪の想定はシンガポールの会談中に限定的な空爆、かな?
    斜め上にアクロバットするレベルだと金の亡命くらいありそうですがw

    返信削除
    返信
    1. 「やっぱり板門店」はもはや実現出来ないのでしょうから、韓国は蚊帳の外ですわ。

      個人的には金正恩氏の亡命が一番丸く収まりそうに思います。結構可能性はあるんじゃ無いですかね?米朝首脳会談時にクーデター発生で、そのタイミングで亡命なんてマンガみたいな展開ですが……。

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