「防災省」の設立を目指す石破氏

何する所なんだろう、「防災省」って。

「防災省」争点に…石破氏主張、岸田氏ら消極的

7/23(月) 7:48配信

 9月の自民党総裁選で、災害対応に特化した省庁の設置の是非が、争点に浮上しつつある。西日本豪雨を受け、出馬に意欲を示す石破茂・元幹事長が「防災省」創設の持論を前面に打ち出しているためだ。党幹部から賛同する声も出ている。

防災相が何をする所か?という事を考える前に、石破氏がなぜこんな話をしだしたか?について考えてみよう。
石破茂氏
敢えて人相の悪い写真を選んでみたが、石破氏が腹の中で何を考えているのか?

多分だが、「国務大臣のポスト」を増やす、つまり自民党員からの支持を取り付けたいという狙いがあるのだと思う。また、新たな省庁を作ると言うことは、その為の職員ポストが増えると言う事でもある。官僚からの支持も取り付けたいというのが石破氏の狙いなのだと、その様に思う。

今やるべきは、寧ろ「財務省を解体する」という強硬論なのだが、そんなことをしたら総理の目は潰されてしまうので、敢えて、西日本災害の騒ぎに乗じて「防災庁」を作るなどと考えたのだという風に理解するのが分かり易いストーリーだと思う。まあ、これは僕の憶測であり、根拠がある話では無い。

ただ、石破氏のサイトを見ると、彼の政策としてはこんなものが掲げられている。

安全保障と地方創生の確立を!

「日本の国難」とは、急速に進む人口減少と緊迫する朝鮮半島情勢です。
西暦2100年に日本の人口は5300万人、200年後には十分の一の1391万人に減少すると予想され、このままでは日本国自体が消滅してしまいます。その最大の原因は東京への一極集中です。
 出生率全国第4位の鳥取に代表される地方に多くの雇用と所得を作る、女性のストレスが全国で最も少ない鳥取県のように、地方で結婚し、産み育てやすい環境を充実させる、人生のベテランが生き甲斐ある第二の人生を地方で過ごす。これが私の考える地方創生です。
 鳥取の持つ力を存分に発揮するため、基幹産業たる農林水産業、オンリーワンの技術を持つ製造業、観光や建設など多くの雇用を生む第三次産業の魅力を全国に拡げ、鳥取から地方創生・日本創生を実現します。
防災庁の話は石破氏の謳う政策の中には一文字も入っていない。

石破氏が今現在、自身のサイトで一番に訴えているのは「安全保障」と「地方創生」なのだ。しかし、具体的な手法は何一つ言及されていない。
更に、石破氏は鳥取出身の議員なので過剰に鳥取第一主義をピーアールしている。そして、再生可能エネルギーや省エネへのリンクを貼っているが、鳥取のやっている「再生可能エネルギーの導入」が妥当か?というと、これまた何とも場当たり的な感じである。特別なことをやっているという感じでは無いのだ。

さて、鳥取県の話はさておき、石破氏の「安全保障」について次に考えてみよう。

石破氏の言う「安全保障」は憲法9条の改正であり、9条2項の削除を提唱している。まあ、正論ではある。僕自身も憲法9条2項の削除をすべきだと考えている。
それはそうなんだが……、出来るか出来ないかで言えば石破氏には出来ないだろう。現時点で一番可能性のある安倍政権でも不可能だと思う。それほど憲法9条2項削除のハードルは高いのだ。
核抑止力の信頼性の確保、ミサイル防衛の実効性の向上、国民保護体制の充実が不可欠です。
そして、これについても以外に真っ当なことは言っている。
「核について話し合おうぜ!」「非核三原則なんでダメだ」「非核四原則なんて以ての外だ」「で、場合によっては核保有しようぜ」「核シェアリングもアリなんじゃないかな」というのが石破氏の発想らしい。ただ、この人自身が示している方向性は「話し合おうぜ」までである。

でも、そのこと自体には異論は無いのだが、事態は「話し合う段階」を過ぎてるんじゃないかな?もう、近隣諸国は持ってるんだし……。
そして、石破さんさぁ、あなた、防衛大臣だったときに何かやった?え?F2のラインを閉じた?アホかっつーの。それは国防としてはプラスだったかどうかは疑問だよ。

次に「地方創生」についてだが、これも同様である。
確かに、地方を元気にする、東京一極集中体質を改善するという必要はあると思うんだ。その辺りは正論だと思うよ?でも、地方創生大臣やっていた時代、一体何をやったんだよ。え?石破4条件を作った?それって、地方創生に逆行している話だよね。

石破さんさぁ、ただ総理になりたいだけじゃ、日本は良くならないんですけど。かけ声だけじゃ、誰も付いてこないんだよ。

だからこそ、「防災省」の創生ということなのかもしれない。



では、その「防災省」についてなんだけど。

防災庁を作るぜ!
自民党内でも意見が割れているようだね。

実は、単純にポストが増えるのかというと、そういうワケでも無いんだよね。
(内閣法)
第2条 内閣は、国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて、これを組織する。
 前項の国務大臣の数は、14人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる。
実は、アホみたいに内閣のポストが増えないように、国務大臣の数は14人以内という風に決められていて、最大17人であると定められている。
で、現在の第4次安倍内閣では?というと、実は19人もいる?!

はい、実はこの2条2項には附則が付いていて、附則2項、3項でこの17人以内というのが修正されているんだな。なんと、復興庁が作られたときに附則が追加されて、附則が廃止されるまでは19人以内としているだ。
まあつまり、法律を変えないと国務大臣を増やす事はできないんだよね。

でも、これをお題目に唱えながら首相になれば、法律改正は容易になる可能性はある。「民意だ」と言えば、これ以上の説得力のある話ではないからね。

ところが、作ってどうするか?という話になると、なかなか悩ましい。
何故ならば、防災省を作って防災対策をやるって、何をやるのか?堤防などを作るのは国交省の仕事であり、警報などを出す仕事を受け持つ気象庁も実は国交省の外局という位置づけなのである。
他に、Jアラートを管轄しているのは総務省。そして、災害に対応するのは総務省管轄の消防庁である。もちろん自衛隊も関係があって、自衛隊は防衛省管轄。

……とすると、防災庁って何する所よ?
看板だけ掛け替えるのは野党のやり口だが、石破氏は看板を増やすつもりなのである。しかし、看板を増やすだけでは意味が無いし、ポストを増やしていたずらに予算配分先を増やすよりも、予算を集中投下して対応すべきだと思う。



では、どんな意義があるだろう?

石破氏が菅長官に反論 「防災省」の必要性を強調

2018年7月19日20時02分
自民党の石破茂元幹事長は19日、石破派の会合で「防災は経験の蓄積、伝承、共有だ。災害対応は自治体に任されているが、差があってはならない」と述べ、防災省設置の必要性を強調した。菅義偉官房長官が否定的な見解を示したことに反論した形だ。
石破氏によれば……。
石破氏は「今うまくいっているということは、言ってはならないことだ」と述べ、更なる防災行政の改善の必要性を強調。各省庁からの出向者が多い内閣府が防災行政を担っていることで、経験の蓄積や伝承に問題があるとも指摘した。
え?意味が分からない。
今上手くいっているということを言ってはならないってどう言うことなんだろう。上手くいっていないのであれば、改善すべきなんだけど。アレかな、更なる災害対策の為に攻めの防災対策を講じろってことかな?

それと、「経験の蓄積や伝承に問題」って、独立の省庁を作ったら解消する話になるのだろうか。確かに「ノウハウの蓄積」に関しては、出向者の集まりでやるよりは独立の省庁を作るほうがいいようにも思うけれど、でも、各省庁から出向しているからこそ、各省庁のコネを使って物事を動かせるという側面も有るのであって、そこで「上手くいっている」にもかかわらず、方向を転換して、上手く行かなかったときにどのような責任をとるのだろう?
日本の政治家は責任をとらない人が多いが、石破氏もまあ、責任をとるタイプだとは思えない。

防災庁の議論はあっても良いと思うけど、結局、各省庁を分断するようなスタイルを採らざるを得ないと思う。だとすると、どうなんだろうね。

こうやって考えてみると、石破氏が首相の器なのかと、頭を抱えたくなる。まあ、小泉進次郎氏はさらにアレなのでどうしようも無いな。凡庸な総理で良ければ岸田氏あたりなら目立たず無難にやる様な気はするけど、岸田氏にも理念を感じないんだよね。菅氏はやらないだろうしな……。




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コメント

  1. 私、鳥取県出身です…(笑)
    私自身は現在鳥取に住んでいないので、あまり関係は有りませんが、石破さんの県内での支持は絶大です。本人及び地元は首相になって欲しいのでしょうが、客観的に見て党内でも人望がある様には見えませんし、言っていることが自民党内でもなんかズレてますよね。

    個人的には、防衛関係・安全保障に関しては一目置かれる存在なのだから、首相になるなどと言う大それた夢を持つくらいなら、そっち方面のスペシャリストを目指せば良いのに、って思いますけどね…

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    1. おおっと、鳥取県を貶めるような意図は無かったのですが、もしかしたら不適切な部分があるかも知れません。その場合はご容赦を。

      個人的なことを言えば、石破氏は嫌いではありません。でも、人望とか器とかいう視点で見ると、ちょっとものたりないんですよね。
      その辺りを自覚されて、スペシャリストを目指されれば、それはそれで良いのだと思うんですけど。

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  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32018年7月23日 19:30

    この「防災省」発言をみて思い出したのは、ロシアの「民間防衛問題・非常事態・自然災害復旧省(非常事態省)」なんです。
    そして、ロシアの「非常事態省」を見ると、非常に軍隊的なんですね。
    さらに新しく軍隊組織を作るんですかね?石破は自衛隊を潰してレスキュー部隊を作るという、日本共産党的発想になっている気がします。

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    1. 石破氏は軍オタっぽい発言をする割に、自衛隊には否定的なスタンスのように思えるので、案外、「レスキュー隊構想」志向はあるのかも知れませんね。

      ただ、平時に使えない部隊を作るとなると、平時は何をやっているのか?という点で疑問が残りますし、割と消防と役割が被る気がするので、意味があるのかどうかは……。

      それにしても、ロシアにはそういう省があるのですね、勉強になりました。ある意味、予備軍事組織という位置づけなのかも知れませんね。

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  3. これはどの国も共通して仕方のない事ですが、大災害の時は軍が出動します。

    例に漏れず、大災害の度に自衛隊も多くの人が出動しています。一番の責務である防衛がいつも以上に大変なのでは?と思っていたので、実務に集中していただけるように個人的には自衛隊の代わりになる組織があってもいいと思います。

    まぁ災害が起きてない時は金食い虫になるのは目に見えてますので有事の時だけみたいな都合のいい組織になるかもしれませんがね。

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    1. >例に漏れず、大災害の度に自衛隊も多くの人が出動しています。一番の責務である防衛がいつも以上に大変なのでは?と思っていたので、実務に集中していただけるように個人的には自衛隊の代わりになる組織があってもいいと思います。

      防衛省の予算と人員を増やせば良いのでは?
      どの国も共通して大災害の時は軍が出動するんですから。

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    2. 別組織を作ると言う発想はアリだと思うのですが、消防と自衛隊の中間のような組織を作って、どうやって維持するか?という問題は残っちゃいます。
      匿名の方のご指摘の様に、僕としてはどちらかを拡充する方が現実的な様に思いますよ。自衛隊に災害対策のノウハウを詰め込むのであれば、その辺りの予算をもっとつけて、装備を充実させるとかも一案かと。

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  4. 隣の島根県民ですw

    石破さんとか小泉Jr.が良く言うフレーズに「なぜ今なのか」というのがあるのですが、素朴な疑問として「じゃぁ、何時なら良いわけ?」というのがありますね。
    二人とも遠まわしに反対するだけで、理由が判らない。

    「この問題より先に、国民のために処理するべき課題がXXとYYがあるはずである。であるからして、それを処理した後にこの問題処理を提起するならば自分は賛同する(あるいは、そのあとでも賛同しないw?)」というなら判るのだけれど、「なぜ今なのか」だけでは、「あんた、何を言いたいの?」という気持ちにしかならんのですよね。

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    1. 「何故今なのか」は良く聞きますよね。
      そして、確かにご指摘の通り、反対理由や対案、代案を出さないケースが多い様に思いますから、結局反対することで、存在艦を強める程度の意識なのかもしれません。

      石破さんは特に「どうすれば言い」という結論を言わない気がしますよ。小泉Jr.は単に勉強不足なのでしょう。

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