崩壊危機に直面しているソウルのビル

まあ、こういう話もあると思ってたよ。

崩壊危険に直面したソウルのビル、図面施工が違うのに竣工許可

12/14(金) 8:31配信
崩壊危険の診断を受けたソウル江南区(カンナムグ)テジョンビルが図面と違って施工されたことが明らかになった。ソウル市が竣工を許可しながらこのような事実を把握できなかったという責任論が提起されている。
柱ボロボロ
改めてこの画像を示しておきたい。
この写真を見ると、幾つか不自然な事に気がつくと思う。
柱下から
別の角度から。
柱下から2
拡大してみた。

さて、この記事では、地上2階のこの写真の柱について問題にしているようだ。
13日、ソウル江南区によると、施工者であるナムグァン土建が1991年竣工検査を受けた時に提出した図面には地下7階から地上1階まで原形柱を、その上の層には四角柱を建てることになっている。しかし、今回亀裂が発見された地上2階の柱も原形ということが明らかになった。竣工の時に提出した図面と実際が違った。それだけでなく、89年7月に建築許可を受けた時に提出した設計図面と竣工図面も違う。建築許可を受ける時はビルの全階(15階)に四角柱を入れるといったが、四角柱を大幅減らして竣工許可を受けた。建築途中で設計を変更したということだ。
この柱が本来であれば四角柱にならなければならないという事らしいのだが、イマイチ意味が分からない。「原形柱」とか「四角柱」という言葉が適当なのかなぁ?建築・土木の分野に明るいわけでは無いので、これが正しい表現かどうかは判断が付かない。

ただまあ、設計と違っても建築認可が出ちゃった辺り、問題があるのかと。
多分、問題の根幹はそこじゃ無いと思うんだけど。

他にも記事が無いかを探したら、数日前の社説があった。

【社説】江南のど真ん中の15階建てビルを崩壊直前まで放置したとは=韓国

12/14(金) 10:26配信
胸をつかれるほど危ない安全事故が続出している。KTX脱線事故に続き、首都圏の所々で暖房用熱送水管破裂事故が相次いでいる。さらにはソウル江南(カンナム)のど真ん中にそびえ立った15階建てビルが崩壊直前だった事実が明るみに出て衝撃を与えている。
ソウルの代表的オフィスビルが密集した江南テヘラン路のテジョンビルは2階のインテリア工事の途中で亀裂を発見し、崩壊危険のために13日0時から出入りが禁止された。このビルの2階にある中央の原形柱は約20%が豆腐カスのようにつぶれた。誰か見ても不良施工が疑われるほどだ。
どうやら、今回この事件が明るみに出た背景には、インテリア工事を請け負った業者が発見したということだろう。
工事途中のミスだとか言われたら、工事業者もたまったものでは無い。さっさと通報したのだろうね。

気になるのはこの部分。「このビルの2階にある中央の原形柱は約20%が豆腐カスのようにつぶれた」というところ。
写真を拡大して示しているが、「約20%」が何の20%かは知らないが、見た感じ、柱の外周を覆うコンクリートが剥がれ落ちたと言う感じなのだと思う。
適当な図が無かったので、比較的近いのではないか?と思われる図をもってきた。こんな感じで配筋されているんじゃないだろうか?という図である。
想定図
基本的な知識しか無いので申し訳無いのだけれど、鉄筋コンクリートは引っ張り応力に対応するのが鉄筋で、圧縮応力に対応するのがコンクリートだとされている。
で、圧縮応力に対応するハズのコンクリートがポロポロと崩れ落ちている状況が写真に写っている。ついでに、やたらと配筋のうち主筋と呼ばれる縦の鉄筋が多い(間隔が狭い)のだが、逆に横を結ぶ帯筋が少ない気がするのである。
四角柱の配筋
これが日本の建設現場における四角柱の配筋である。ちょっと何に使っている柱かは定かでは無い。
円柱
こちらは円柱だね。こちらも道路用の円柱である。やっぱり帯筋のスパンは狭いよね?この柱は高速道路の高架に使うヤツだと思われるので、同じにはならないとは思うのだけれど、こんな感じだ。



何が言いたいかというと、「本当に設計段階で十分な強度があったの?」という話なのである。これで柱の本数が違うとか、そういう話であればまた話は違ってくるのだろうが、柱が丸いか四角いかくらいの話では、「たいした違いじゃ無い」という印象を与えかねない。
  図面と施工が違うことについて、ソウル市のハン・イルギ建築管理チーム長は「どの過程を経て許可が下りたのか状況を把握中」と話した。ナムグァン土建のファン・デスン経営企画チーム部長は「30年近く経ったビルなので当時の事情を分かっている職員がいない。当時の状況を把握するために退社職員に接触している」と話した。
  建築法には原形柱や四角柱を建てることを定めていない。柱の大きさと断面積が重要だ。漢陽(ハンヤン)大学建築学部のハム・インソン特任教授は「柱の安全性は形ではなく断面積と鉄筋の背筋状態が決める」として「柱の断面積が必要な部分より狭く設計されたり、施工が不十分だったりする場合、テジョンビルのように柱にひびが入る」と話した。ハム教授は「柱内部の鉄筋間隔、コンクリートの厚さが当初の設計通りになっているかどうかを確認する必要がある」と話した。
https://japanese.joins.com/article/125/248125.html
あ、記事の中でもその辺りの指摘があった。
まあ、普通の専門家はそう思うだろう。記事を書いた記者が、この事を分かっていない可能性があるのはこんな誤字をしている点からも、ちょっとそれを疑ってしまう。
「鉄筋の背筋状態が決める」とか書いてあるが、一瞬、どの筋か考えてしまったよ。これは配筋の変換ミスだろう。なお、引用している中央日報も同じ誤字があったのだが、yahooも引用記事を単に貼り付けるだけじゃなくて、誤字くらい見たらどうなのよ。

で、社説の中で気になったところがこれ。
法的な死角地帯もある。テジョンビルのように15階建て以下の小規模施設は法的安全管理の対象から外されている。何よりテジョンビルは持分がそれぞれ分割されており、建物主だけで110人以上となり安全管理の責任が分散していた。さらに大きな問題はソウルにだけ30年を超えた老朽化したビルが25万3705棟で、全体(63万9412棟)の39.7%にもなるという事実だ。
ソウルだけで30年を超えた老朽化ビルは25万3705棟で、全体の4割弱のビルが似たような境遇にあるという風に言える。

似たような記載は、冒頭に引用した記事にもあった。
  ソウル研究院によると、ソウルの建築物4軒の中で1軒は40年以上経った老朽化した建築物だということが分かった(2015年基準)。全体の建築物(63万9412棟)の中で16万棟(25%)が40年以上となり、30年以上となっているのは25万3705棟(39.7%)に達する。ほとんどが民間所有なので安全管理をまともに受けていない。民間ビルはビル主に安全管理の責任がある。ソウル市関係者は「公共施設物は地方自治体が安全管理をしてあまり危険でないが、民間の老朽化したビルは管理に問題点を抱えている」と打ち明けた。
 民間ビルのうち15階建て以下が特に危険だ。16階建て以上、または延面積3万平方メートル以上の建築物は第1種も第2種施設に分類されて定期安全点検と精密診断を受けるが、15階以下はそうではない。所有主が安全点検を行っても形式的な場合が多い。テジョンビルは今年2月、自主的に肉眼点検をしてその結果を区庁に提出し、3月区庁が肉眼点検をしたが特異な事項を発見できなかった。
確認がザルだという話で、ソウルのビルのうち4割弱もヤバそうなヤツがあるってのは、驚きを通り越して呆れるより他無い。

気をつけよう!暗い夜道とソウルのビル!


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コメント

  1. 李・朴政権時代に隠されていた建築不正を発見できたのは、文在寅のおかげだ!
    と支持派としては書いておきます。
    あとおまけ、こちらは柱ではなく鉄筋壁の問題。

    韓国が建設したUAE原発に“亀裂”可能性…UAE側“調査中”
    http://japan.hani.co.kr/arti/economy/32362.html(ハンギョレ)

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    返信
    1. なるほど!
      積弊清算という意味では、ムン君のお手柄とも言えますね!

      で、このオマケの話、なかなか凄い話ではありますが、どうなることやらですね。
      これで1本記事を書いてみようかなぁ。本日は別の記事をやる予定だったんですけれど。

      削除
    2. 建築基準法が遵守されたことがない韓国ですが、なかなかハードな画像ですね。
      確かなことは言えないのですが、1枚目の画像を見る限りRC構造のくせに
      広いスペースの割に、鉛直方向の荷重を支える柱が少なすぎる感じがします。
      フープ筋が少ないのは論外ですが、コンクリートの骨材となる砂や砂利の質が
      悪く、上部からの荷重に耐えかねて柱が座屈した様にみられます。
      コンクリートのかぶり厚が、ビックリすほどあるのも不思議。
      ちょっとサラってみたら、どうやら古い物件をリモデルしていたみたいです。
      「原型柱」おそらく以前からあった既存構造体、「四角柱」は構造補強のために
      新規で設置された構造体を指している様に見受けられます。
      座屈したのは、以前からあった構造体の柱で、もしかするとその脇にあるのが
      新規に荷重を支えるために設けられた柱かもしれません。
      細かい話は省きますが、ザックリ言うと元々不良設計と不良施工で建てられた
      ビルをリモデルして、日本でいう建築確認申請を行い、実際には図面にあった
      新規設置の柱を設置せずにコストダウンと広々とした空間を確保するという
      工事をやって利益を得るマイカントリーらしい、素敵な事例と言えるのではないで
      しょうか。
      なんとかジャッキアップして支保工で荷重を支えているのも泣けてきます。
      おそらく日本の耐震基準だと倒壊の危険性ありに指定され、立ち入り禁止物件と
      なるはずですが。
      ハム教授は「80~90年代に竣工した代表的なビルが三豊(サムプン)百貨店」とし「当時は不法増築、不良施工が蔓延していた。このビルを全数調査して補修しなければならない」と話した。と記事は伝えています。
      机上の空論で設計を行い、儲け重視で何でもありの生産・製造現場がお家芸で、補修した
      結果がこの始末。
      今後は、人的被害が出ない様に祈るばかりですが、過去に韓江にかかる新品の橋を
      落っことした実績があるので、今後どんなことを起こしてくれることやら。

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