支那軍は空母打撃軍獲得の為に、急ピッチで駆逐艦建設

昨日は日本側の状況を紹介したので、本日は敵国側の状況について少し言及していこう。

中国軍、海外権益拡大へ遠洋に視線 空母打撃群整備急ピッチ

2018.8.17 22:00
中国海軍は近年、その役割を近海防御から遠海での任務遂行へと拡大させており、陸戦隊の増強はその一環だ。米軍に比肩する「世界一流の軍隊」(習近平国家主席)を今世紀半ばまでに建設する目標を掲げ、世界の海域を舞台にした覇権争いも視野に入れている。

「支那のハリボテ空母」と揶揄されていた時代はあったが、最近は流石にちょっと洒落にならなくなってきた。

あ、写真のコレは2隻目だから、件のハリボテ空母とはちょっと違うんだけど。
で、この冒頭の記事で重要なのはこの部分である。
 また中国海軍が最も力を入れているのは空母打撃群の構築だ。国産空母だけでなく、排水量1万トン超の大型駆逐艦も急ピッチで建造を進めている。
空母だけ作っても意味が無いことは、支那はしっかりと理解しているのだよ。支那は必要性を理解して空母打撃群を形成し、空母運用の準備をキッチリと整えている。

一方で、日本に対してはこんな発言をしている。

中国、「空母」導入を警戒=自国戦力増強急ぐ-防衛大綱・中期防

2018年12月18日17時49分
 【北京時事】中国は18日に閣議決定された「防衛計画の大綱」で、事実上、日本が空母の導入を決めたと受け止めている。中国外務省の華春瑩・副報道局長は同日の記者会見で「強烈な不満と反対」を表明。自衛隊の防衛力向上に警戒を強め、習近平指導部は自らの軍事力の増強を急ぐとみられる。
 華氏は新防衛大綱について「中国脅威論をあおっている」と語り、日本側に抗議したと明らかにした。「日本のやり方は中日関係の改善と発展にプラスではない」とも述べた。日中関係は改善の流れが続いているが、互いの「軍拡」が両国の新たな火種となる可能性もある。
「強烈な不満と反対」らしいぜ。
敵国である支那に不満を表明させたのだとしたら、ある意味、今回の中期防は成功だね。

支那が本気で「日本の空母」を懸念しているか?といえば、それは間違い無く懸念していない。
よって、時事通信のタイトルは明らかに誤りである。

ついでに言っておくと、支那脅威論というのは、凡そ空虚な話では無く、現実を考えれば脅威を感じない方がポンコツだ。
え?支那は敵じゃない?またまたご冗談を。日本を支配下に治めようという意図を明確に打ち出しているのだから、敵じゃないとしたら一体何なのだ?
 中国が最も懸念するのは「いずも」型護衛艦に米最新鋭ステルス戦闘機F35Bの搭載が想定されていることだ。中国軍は、2012年に就役した初の空母「遼寧」と来年就役する見通しの計2隻の空母を保有しているが、旧ソ連の技術がベース。最新技術を誇る米軍の空母と比べ、発艦方式は非効率で、艦載機の性能も著しく見劣りする。
この下りも、嘘だな。

いずも型護衛艦にとって、F-35B戦闘機は通常装備という訳では無く、「発着できるね」程度の話でしか無い。つまり、海上に浮かべた「止まり木」程度の話で、それは「空母」という概念とは異なる。少なくとも、攻撃型とはとても言えないだろう。

一方で、支那は更に本格的に空母を手に入れようとしている。

中国が新しい国産空母を建造中、公式に認める

2018.11.28 Wed posted at 15:15 JST
香港(CNN) 中国政府は28日までに、同国が新たに国産空母の建造に着手していることを初めて公に認めた。これが完成すれば人民解放軍海軍の3隻目の空母となる。
国営新華社通信は同国初の空母、遼寧が就航から6周年を迎えるのに合わせて記事を掲載し、「新しい空母が船台で建設中だ」と明らかにした。
~~略~~
新空母は米海軍などの空母が採用する最新の電磁式カタパルト航空機発射システムを備えているとの臆測が流れている。遼寧や「タイプ001A」と呼ばれる中国初の国産空母はこのシステムではなく、スキージャンプ式の発射台を採用している。

中国の2隻目国産空母、20年末にも進水か

2018.11.28 19:11
 【北京=西見由章】中国が建造を進めている2隻目の国産空母が、2020年末にも進水する見通しであることが28日、中国軍事筋の話で分かった。ただ艦載機をリニアモーターで発進させる電磁式カタパルト(射出機)を新たに導入するため、進水後の艤装(ぎそう)や試験航海などに長めの時間を要し、就役は25年以降になりそうだという。中国の公式メディアは今月、初めて同空母の建造を認めた。
お笑い空母と呼ばれた「遼寧」に、正式に2隻目の空母である「タイプ001A」、そして、3隻目を作っていると言う話も正式に認めている。
それに加えて、中華イージスと呼ばれる駆逐艦を順調に増やしていて、まさに空母打撃軍を形成しようとしているのだ。

で、分かり易いのが日本の野党である。

野党、新防衛大綱を一斉批判=「時代錯誤」「専守防衛逸脱」

2018年12月18日18時42分
 海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を事実上の空母として運用することなどを盛り込んだ新防衛大綱が閣議決定されたことを受け、野党は18日、「時代錯誤の危険な計画だ」(小池晃共産党書記局長)などと一斉に批判した。
もはや嗤うしか無いのだが、それぞれの主張を見ていこう。
 立憲民主党の枝野幸男代表は党会合で「今なぜ、ここまで必要なのか、全く説明がつかない」として、閉会中審査の開催が必要との考えを示した。
何故ここまで必要かは、飼い主の支那に聞いて下さい、枝野氏は十分に分かっているはずだよね。説明が付かないのは、誰に対してなんだろう?
国民民主党の玉木雄一郎代表は党本部で記者団に「これは空母だ。これまでの専守防衛を逸脱すると言わざるを得ない」と指摘。
うん、空母だね。で?
小池氏も記者会見で「専守防衛の建前を投げ捨て、海外で戦争ができる軍隊に変貌する計画は絶対に許せない」と述べた。
専守防衛を投げ捨てなければならない状況になっているのは、誰のせいなんですかねぇ?
追記 (2018/12/20)
関連事項なので紹介しておこう。

中華イージス駆逐艦「30隻体制」を実現へ、新型護衛艦と合わせて60隻体制に―中国メディア

配信日時:2018年12月17日(月) 5時30分
中国メディアの新浪網は14日、「中華イージス艦」などと呼ばれるミサイル駆逐艦が30隻体制になるとの見方を示す記事を発表した。「新型護衛艦」と合わせて60隻体制になるという。
新浪網は最近になり現役の052型D及び052型Eは23隻に達したと紹介。その直前に配備された052型Cの6隻を加えると、30隻になる。052型ミサイル駆逐艦の中で052型C以降のタイプは国産のHHQ―9(海紅旗―9)艦隊防空ミサイル・システムを搭載しており、アクティブ・フェーズド・アレイ・アンテナを艦橋構造物の4周に配置している外見もあり、「中華イージス」などと呼ばれている。

とにかく、数だけは凄いな。

しかし、その性能に関して、052型や053型は脅威と呼ぶには少々ポンコツではあるが、054型はそれなりに優秀な船だと評価されているようだ。
54型シリーズが満載排水量が7000~7500トン程度だ。新浪網記事は満載排水量が4000トン以下のフリゲート艦054A型は建造中の艦も合計すれば30隻に達したと紹介。054A型は中国で「新型護衛艦」と位置付けられている。記事によると、中国海軍には6つの駆逐艦支隊があり、うち5支隊は54型シリーズ6隻+054A型6隻の編成になるという。
053型までは外国の船をノックダウン生産という形で作る事が多かったようなのだけれど、054型からは独自の概念を組み込んで設計された船になっているようだ。

ここでも「単なるコピーキャットではない」というレベルに至っていると、その様に思う。
日本はこの脅威に対応していかなければならないのである。



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コメント

  1.  近年の中国は、産業・軍事・情報技術 どれも恐ろしいスピ-ドで現物を実現していますね。
    例え、その中身が盗んだ技術のデッドコピ-であろうと「まずは形にする」を徹底しているようです。
     民主主義の最大の欠点である、「基本は多数決のため、迅速な決定が難しい」を無視できる強みを最大限に活用しているようで、羨ましくもあり、歯がゆい気がします。
     早いうちに水の手を見つけて止めないと(経済的にと私は考えます)大変な事になりそうですね。

    返信削除
    返信
    1. 支那の徹底ぶりは、韓国のやるホルホルとは違って危機感を抱かない方がオカシイと思います。
      そして、そのスピードは恐るべきものがあります。

      支那は少子化で危機的状況を迎えるということらしいですが、支那が崩壊するのを待てるほど、日本の状況は甘くないようですよ。

      削除
  2. 木霊さん、おはようございます。

    一昨日に続くタイムリーな記事アップありがとうございます。

    >空母だけ作っても意味が無いことは、支那はしっかりと理解しているのだよ。

    支那が海外展開できる空母打撃群が完成するには、電磁カタパルト搭載の正規空母5~6隻・パイロットを含めた艦載機運用能力の完成・将来7個師団を目論む海兵隊の戦力化が必要ですが、ご指摘の護衛駆逐艦(イージス艦含む)の増強は必須でしょうね。
    目標は2035年頃だと言っていますが、今の支那の猪突猛進ぶりを考えると10年後くらいに早まっても不思議じゃありません。

    だからアメリカはギリギリのタイミングで貿易戦争を仕掛け、まず経済的に進捗を遅らせる策に出たんじゃないでしょうか?
    オバマ時代に極端に進んだ軍事費削減を増加に軌道修正しつつありますが、その隙を狙った支那の猛追に対抗し得る効果が出るには10年近く猶予が必要だからという逆算ですね。

    故鄧小平が命じた世論戦・心理戦・法律戦という、したたかな「三戦」が支那の戦略の基本にありますから、それが成功する前に叩くのは絶対に必要な対抗戦略です。
    そう考えるとロシアと結んでいたINF破棄はハード面での支那対抗策、ファーウェイ排除はソフト面での支那排除策と矢継ぎ早に手を打ってきているのも納得できますからね。
    最近の木霊さんの記事はその一連の流れを的確に掴んだ内容だと感心しながら読ませて頂いています。(笑)

    >ただ、支那が本気で「空母」を懸念しているか?といえば、それは間違い無く懸念していない。よって、時事通信のタイトルは明らかに誤りである。
    >ついでに言っておくと、支那脅威論というのは、凡そ空虚な話では無く、現実を考えれば脅威を感じない方がポンコツだ。

    支那の目論見はまず「赤い舌」へのアメリカの介入を防ぐA2ADで、主力は空母キラーのミサイル・大量配備計画の54Aフリゲート&100隻近く増産中の56型コルベット、そして報復用のSSBNは80隻配備とかで東シナ海&南シナ海にアメリカ軍を近づけない策でしょう。
    その戦略の邪魔になりそうな日本の空母への反発にしか過ぎませんね。

    本当の目的である「その間に着々と経済侵略」を進めるアフリカ諸国への絶対的プレゼンスを確保する為の、「空母打撃群」の整備をしたいんじゃないかなァ~?

    ここを抑えられるといかにアメリカとはいえ戦略的な不利は避けられず、結果的に支那に譲歩したり覇権の二分を飲まざる得ない状況に陥る恐れがありますね。
    これが成功すれば強欲な支那がおとなしくしているはずはなく、必ず西太平洋の分割を迫ってくるはずで、アメリカに匹敵する「覇権国家」の完成です。

    ここで日米印の同盟強化が重要なのは、支那が好き勝手にインド洋に出てこれない様にする目的ですから、日本が果たす役割は大きいと思っています。

    日本にとっても準同盟国であるオーストラリアやフィリピン、不安定でやや不安ですが台湾、そしてかつての敵国であるベトナムを中心とした広域な支那封鎖網の強靭化が急がれます。
    親日国であるシンガポール・マレーシアの政権が安定しているうちに、「赤い舌」の無力化を早急に進めるタイミングじゃないでしょうか?(いつもブレブレのインドネシアは判らないからアテにできない-苦笑-)

    P.S.
    残念ながら、この戦略にムン君率いる南朝鮮はまったく(=当然かな)含まれませんけどね...。(苦笑)

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  3. フォークランド紛争での英国の最大の勝因は、民間船舶の戦時徴用です。
    豪華客船クイーンエリザベスⅡ世号が有名だと思います。
    これにより、英国は、地球を縦に半周した先のフォークランド諸島の奪還に成功しました。
    この戦訓にもっとも反応したのが、中国です。
    フォークランド紛争直後から民間船徴用の研究がはじまり、90年代には民用船舶動員準備法、民用船舶動員計画を次々と制定。
    99年9月には台湾・李登輝との対立の際、1000隻以上の民間船を動員して上陸訓練を行うまでになっています。
    2015年には、コンテナ船、自動車運搬船などの民間船舶基準の中に、軍事転用を前提とした性能、目的用途、設計上の要求を盛り込んでいます。
    今後の中国の旅客フェリーは、戦時にはいつでも兵員輸送船・揚陸船となる法整備や運用要綱が完了済みということになります。

    対する日本の自衛隊ですが、
    ・特別目的会社を設立し民間船2隻を保有させる。
    ・この会社から自衛隊がチャーターという形で借りる。
    ・運航するのは、自衛隊予備役。
    という仕組みで、はくおう号、ナッチャンWorld号の2隻を輸送船として運用しています。
    民間船の戦時徴用問題を解決しようとしてるのは分かりますが、現段階では、民間が名義貸ししてるだけの自衛隊という惨状です。
    ちなみに自衛隊チャーターの根拠となる法律は「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)です。
    これは、よく話題になる水道民営化の根拠となる法律で、有事船舶転用とは程遠い分野のものです。
    ダミー民間会社を設立し法律の抜け穴を使わないと、自衛隊は輸送船一つ借りられない状態です。

    空母化だ、F-35Bを100機だという話ばかり先行し、船舶輸送が無視される様は、戦前から変わらぬ根強い大鑑巨砲主義と兵站軽視を体現しており、暗澹たる気持ちにさせられます。

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  4. 「専守防衛」は戦術、ドクトリンであって、それによって使う兵器を規制するものではないと何度言ったら。「守るも攻めるもくろがねの」でありますな。
    まあ、そう言っておけば無知な愚民を騙せた時代が忘れられないのでしょうね。
    今でも煽動される愚民は後を絶ちませんし……

    返信削除
  5. 正直なところ日本が中国と単独で渡り合うためには年間で5兆円規模の軍事費を掛けて軍拡競争に励まないといけないですね。
    それこそ戦前の大日本帝国軍の再建クラスの話になっちゃいますから現実的ではないですよね。
    如何に効率よく軍備を整えて周辺各国やアメリカなどと対中国包囲網を作り上げるかがミソですね。

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